ヤフーとラインが統合?「日本のアリババ」を目指すソフトバンク―中国メディア

人民網日本語版    2019年11月18日(月) 18時0分

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予想では、すべてが順調にいけば、大手ポータルサイトのヤフージャパンと日本で主流のチャットアプリのLINEが統合して、強者連合が誕生し、1億人のアクティブユーザーがもたらす連鎖反応をどの企業も無視できなくなる。写真はLINE。

孫正義氏は日本の阿里巴巴(アリババ)を実現しようとしている」。日本経済新聞は、交渉中の経営統合についてこのような見方を示した。予想では、すべてが順調にいけば、大手ポータルサイトのヤフージャパンと日本で主流のチャットアプリのLINE(ライン)が統合して、強者連合が誕生し、1億人のアクティブユーザーがもたらす連鎖反応をどの企業も無視できなくなる。そうして錯綜する複雑な持ち株関係の背後で、ソフトバンクの野望が徐々に水面に現れてきたという。北京商報が伝えた。

伝えられたところによると、当事者である企業3社は同じ日に同じようなコメントを発表した。現地時間の14日、日本でヤフージャパンを運営するZホールディングスは、「関係方面がこの統合について話し合いを進めていることは確かな事実だが、今はまだ何も決定していない」と述べた。Zホールディングスの親会社のソフトバンクグループ(SBG)も、「統合のさまざまな可能性について話し合っているが、まだ何も結果は出ていない」とした。ラインのコメントもほぼ同じで、「統合を企業価値を高める措置の1つとして話し合いを進めていることは確かな事実だが、今はまだ何も決定していない」と述べた。

経営統合についての話し合いは事実だが決定はまだ、というのが3社が外部に伝えようとしているメッセージだ。言い方は平板だが、嗅覚の鋭い投資家はそこに何らかのシグナルをかぎつけ、ヤフージャパンの株価は14日に一時的に16%も上昇した。統合の進展やその他の状況について、SBGにたずねたがまだ回答はない。

最終的に統合が実現すれば、日本にインターネットの巨大企業が誕生することになる。データをみると、ラインは日本で最大のチャットアプリで、月間平均ユーザー数は8200万人に達する。米国のヤフーは破産して安く買いたたかれたが、日本市場でヤフージャパンは今も大量のユーザーを擁する検索エンジンであり、ポータルサイトであり、日本では誰でも知っている大手インターネット企業グループであり、オンライン広告、EC、金融サービスなどを主業務とし、ユーザー数は約5000万人に上る。

今回の件は単純な統合ではなく、モバイル決済分野でのシナジー効果こそがより重要な目標かもしれない。たとえばラインは今ではインスタントメッセージ企業にとどまらず、オンライン決済、オンライン配車などの業務も手がけている。オンライン決済サービスのLINEPay(ラインペイ)は登録ユーザー数が3690万人に上り、ヤフージャパンの決済サービスPayPay(ペイペイ)のユーザーは1900万人で、日本のモバイル決済で1位と2位を占める。金融分野ではラインと野村證券が手を組んで「LINE証券」を打ち出した。

このような状況から、外部では、経営統合が行われれば、新会社は約1億人のアクティブユーザーを抱えた、日本最大のモバイル決済サービス提供企業になるとの見方が出ている。日本版の支付宝(アリペイ)になるという人もいる。ロイター通信が引用した消息筋の話によると、経営統合の交渉は今月末にも結果が出るとみられ、SBGとライン親会社のNAVER(ネイバー)が半分ずつ出資し、合弁企業を設立してZホールディングスの株を持ち合い、ラインとヤフージャパンを運営するという。

統合のロジックはすでに整えられたが、ヤフージャパンとZホールディングス、またSBGとラインの間にある複雑な持ち株の関係には注意が必要だ。初めに、ヤフージャパンがヤフーとSBGによって1990年代末に設立され、2年前には米ヤフーが経営難に陥り、昨年7月には米ヤフーが海外投資で設立した持ち株会社アルタバの株式のヤフージャパン保有分の一部をSBGが買収した。これはヤフージャパンに対するSBGの所有権を拡大することが目的だった。今年に入り、ソフトバンクはヤフージャパンの株式を追加取得し、 その親会社になった。

Zホールティングスは基本的にはヤフージャパンのことだ。ヤフージャパンは先月に社名をZホールティングスに変更したばかりで、今月になって統合についての話し合いのニュースが伝わると、外部ではSBGの動きは入念に準備してきたものに違いないとの見方が広がった。日経新聞は、「孫氏はラインに興味を持ち続けてきた。今回の統合交渉はZホールティングスがライン親会社の韓国ネイバーに持ちかけたとされる」と伝えた。

注目されるのは、ラインとSBGには密接な関係があることだ。昨年初め、ラインはSBGとの合意に調印し、SBGにラインのLINEモバイル社の株式の51%を譲渡したと発表した。ラインはその際、「人気の情報アプリを利用してユーザーに金融サービスを提供するつもりだ。これには暗号通貨の取引、貸出、保険が含まれる」と明かした。

こうした背景の下、孫氏の目標が明確になってきた。日経紙によると、孫氏は1億人が利用するプラットフォーマーを生み出そうとしており、目標は日本でアリババを作る ことだ。アリババが孫氏の最も成功した投資の一つであることに疑問の余地はない。SBGはかつては絶好調だったが、最近はシェアオフィス「ウィーワーク」への出資でつまずいたという。

ウィーワークは上場延期になり、巨額の損失を出した。孫氏自身も、「数十億ドルを投資した後、ウィーワークは化け物に変わってしまい、救わなければならなくなった」と認めている。

先にSBGが発表した第3四半期決算では、ウィーワークへの投資の価値が大幅に減少したことなどから、営業損失は7044億円に上り、14年ぶりの赤字に転落した。このニュースが伝わるとすぐ、外部では孫氏の投資の判断に対する疑問の声が上がった。今回のヤフージャパンとラインの統合が、孫氏が局面をひっくり返す賭けになるかどうか、はっきりと言える人はいない。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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