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22日、風土とはその土地ごとの宿命的な性質を有している。日本人にとってはとりわけそうだ。資料写真。
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2013年8月22日、風土とはその土地ごとの宿命的な性質を有している。日本人にとってはとりわけそうだ。新京報が伝えた。
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島国である日本は、気候の変化や季節の移ろいのほか、風・雨・霧・霞(かすみ)など天候が極めて複雑かつ多様なことから、美しく多彩な風景が形成されてきた。そして、このことが日本人の自然に対する繊細な感受性を生み出した。文化もまたうるおいを帯びている。気候的に、日本の風土と非常に深い関係を有しているのが、日本独特の「湿気」である。
日本人は古来より、湿気を活用する一種の智慧を身に付け、湿気を生活に取り入れてきた。これが、世界でも例のない日本独特の「湿気文化」だ。
「侘び・寂び(わび・さび)」をあがめる日本文化は、湿気のなかから生まれ出た美意識だ。燦然と輝くきらびやかな物より、日本人は苔(こけ)が生えた物をめでる。鍛造され、磨き上げられた精巧な品よりも、日本人は風土の渋味を帯びた上品で古いものをより重んじる。日本文化の「渋味」とは、まず感じとるもので、形のないものだ。そして、常に湿気に包まれている。また、湿気の蓄積により、地上や樹木、石の上に湿気を帯びた苔が残る。湿気と苔について、人々は決してよく知らないわけではない。しかし、湿気と苔が文化に変わったことで、そこに形而上の品位と文化的特徴が備わった。これこそが、湿気に覆われた日本独自の文化となった。
日本人の生活にとって庭園は欠かせないものだ。庭園と言えば、閑寂で幽玄な古池を連想する。水流は石の上に湿気をもたらし、軒下、あるいは庭園に置かれた石造りの手洗い場も湿気を帯びている。石灯籠の粗い目の壁面には、青苔が生えている。冷たく堅い色調の中に、温かく柔らかな緑が映え、灯籠の人文学的な情緒を存分に発揮し、二つの要素が見事に調和している。もし日本の庭園から湿気の要素を取り除けば、その美しさは完全に失われることだろう。
西洋文化は自然を人類と対立するものととらえ、自然を征服することを文化の本質とした。しかし日本人は自然を肯定し、自然を自らの生活の中に取り入れる方法を考えた。雲、霞、露はいずれも湿気から生み出されたものであり、生活のほかにも、文学や芸術において好んで描かれる風景だ。
日本人は湿気のなかで、それを精神の拠り所として暮らしている。湿気を利用し、予防する豊かな自然の智慧を有している。和服の袖口は広く、通気性がある。女性と子どもの和服の脇下には開いた切り目があり、「身八口(みやつぐち)」とよばれる。この通気用の切れ目は、世界的にも唯一の衣服にある通気穴だ。また、家屋の天井の上には「屋根裏」がある。家屋の基礎も高く、これによって湿気を逃している。屋内の上下には通気層があり、湿気を取り込むと同時に、排出している。障子は湿気に対して微妙な吸水作用がある。湿気が増すと、きめ細かな和紙が外気を遮断する。室内が過度に乾燥していれば、屋外の湿気を自然に取り込む。雪が降れば窓を閉め、火鉢に炭火をおこすと、熱気は逃げない。室内の温かさが保たれ、一酸化炭素は紙の隙間から排出される。これは和紙でなければならず、西洋紙では役に立たない。
湿気文化は、日本人の生活のすみずみにまで浸透しているだけでなく、日本の政治にも影響を与えている。1999年8月、日本の国会で「国旗国歌法」が公布され、国歌に「君が代」が定められた。「君主御世」とも訳されるこの曲の歌詞には「古今和歌集」の和歌が納められている。歌詞の「君が代は、千代に八千代に、さざれ石の、巌となりて、苔のむすまで」―つまり「苔のむすまで」のごとく、天皇家が万代一系に続くことを讃えている。(提供/人民網日本語版・翻訳/HT・編集/武藤)
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