食欲の秘密 何が食べたいかを決めているのは「誰」か

人民網日本語版    
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午後に会社のオフィスで仕事をしているとミルクティーを飲みたくなり、週末になると火鍋や焼き肉、麻辣燙などが食べたくなり、寝る前になると何か甘いものが食べたくなる…これは単にお腹がすいているからなのだろうか?

午後に会社のオフィスで仕事をしているとミルクティーを飲みたくなり、週末になると火鍋や焼き肉、麻辣燙(串に刺した食材をピリ辛風味のスープでさっと煮た料理)などが食べたくなり、寝る前になると何か甘いものが食べたくなる…これは単にお腹がすいているからなのだろうか?科技日報が報じた。

食欲は一種の心理的状態

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの心理学博士・陳志林氏は、「食欲は空腹感と混同されることがよくある。しかし、二者には明らかな違いがある。空腹というのは、長い時間十分に物を食べていないため感じる生理上の主観的感覚だ。それは不快、ひいては苦痛で、すぐに何かを食べたいという気持ちになる。一方、食欲とは、ある種の食べ物が非常に好き或いは嫌いという心理的状態。通常、空腹感と共に生じるか、もしくは空腹感が起きる前に生じ、比較的穏やかだ」と説明する。

食欲のあるないは直接的または間接的に食べる量に影響を及ぼす。一方、空腹感は体内のエネルギーが不足していることのシグナルだ。言い換えれば、空腹感は人が生まれ持っているのに対して、食欲はその後の習慣などの結果だ。

「何かを食べたくなる」のは空腹だからではない時も

では、食欲はどのようにして起こるのだろう?食欲が生じるには多くの原因があり、「何か食べたい」と思うのは空腹になったからではないというケースも多い。

食欲は遺伝と大きな関係があると指摘する研究もある。しかし、食欲の微調整は主に幼い時に始まる。メキシコの子供を対象に実施されたある研究によると、子供は幼い時には辛い物にほとんど興味を示さないものの、5歳くらいになると、周りの人と同じように辛い物を好んで食べ始める。このような「好み」が発展していくと、やがて生涯にわたって辛い物や高カロリーの物、特定の方法で調理された料理を食べたいと強く思うようになる。

その他、ある食べ物を控えようとすると、それを逆に渇望するようになると指摘する研究もある。ある食べ物を控えることでダイエットをしようとする女性は、何かを見たり聞いたりしてその食べ物のことを考え、「食べたい」という気持ちが強まってしまうというのだ。

腸内細菌も食欲に大きな影響

食欲は脳がコントロールしているというのが多くの人のイメージだろう。確かに、ある研究によると、視床下部の各神経系は食欲に関するシグナルを受け取ったり、統合したり、発したりして、食欲の調整を行っている。

しかし、意外かもしれないが、脳のほか、数兆個存在する腸内細菌も人の食欲に影響を及ぼしており、細菌が必要としている食物を人間に食べたいと感じさせるという。陳氏は「人間の食欲の調整や抑制において腸内微生物が果たす役割は、ある面では脳より大きいかもしれない」との見方を示す。

食習慣が乱れたり、抗生物質の使用や病原体への接触、睡眠不足など、腸内細菌の乱れにつながる要素があったりすると、腸内の有害な微生物が大量に増殖し、有害微生物が発した有害物質が脳腸軸を通して脳に運ばれ、脳を刺激して高脂肪や高糖質など健康に悪い食べ物を食べたいと感じさせる。反対に、健康的な食習慣や、有益な微生物への接触、運動、質の高い睡眠など腸内細菌バランスの助けになる要素は、腸内の良い細菌の成長と繁殖を促す。それらの細菌が生じさせる物質は、脳に対して良い刺激となり、健康的な食べ物を食べたいという気持ちを高める。(編集KN)

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