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減らない中国人観光客のマナー違反、いま必要なのは「学業」よりも「礼儀」―中国メディア

配信日時:2013年8月21日(水) 7時15分
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19日、ルクソール神殿の壁に「丁某、参上」と落書きした事件や仏ルーブル美術館の前の池で「足を洗った」事件など、世界各地を訪れる中国人観光客による相次ぐ非文明的行動により、中国人のマナーの悪さや素養の低さに対する世界の批判が高まっている。資料写真。

2013年8月19日、エジプト・ルクソール神殿の壁に「丁某、参上」と落書きした事件や仏ルーブル美術館の前の池で「足を洗った」事件など、世界各地を訪れる中国人観光客による相次ぐ非文明的行動により、中国人のマナーの悪さや素養の低さに対する世界の批判が高まっている。良識ある中国人は、「同じ中国人として恥ずかしい」という気持ちを強めており、関連部門も頭を痛めている。中国青年報が伝えた。

中国共産党中央精神文明建設指導委員会(中央文明委)が少し前、「中国公民の海外旅行におけるマナー・素養に関する電話会議」を開催した。国家観光局はその後、「中国公民の国内旅行における文明的行動公約」「中国公民の海外旅行における文明的行動指針」「中国公民の海外旅行における行動提案書」など、中国人観光客のマナー遵守の徹底を呼びかける6件の文書を公式サイト上に次々と発表した。国家観光局によると、「マナーを守って旅行する」という条項が旅行約款の附則に盛り込まれる可能性が高いという。これはすなわち、旅行約款の補充事項に「マナー遵守」が記載され、法的効力を有し、マナー違反行為を犯した観光客は法律により罰せられることを意味している。

国家観光局が今回発表した「指針」や「公約」は、実は2006年10月に打ち出されたもので、同年8月には「中国公民旅遊文明素質行動計画(中国公民に対する海外旅行時のマナー改善計画)」がスタートしていた。海外メディアは当時、「中国政府と国民は、旅行中の悪習慣を徹底的に明るみに出し、関連の公約実施に力を入れている。こうした態度は、中国の過去にない自覚と自信を示すものだ」と評価した。

あれから7年経ったが、中国人のマナー違反は依然として多く、中国人のマナーの悪さが露呈するたびに、世界中からの非難の声が集中している。今年に入り、中国人の国内・海外旅行における非文明的な行動に関する報道が相次いでいる。たとえば、オランダに向かう航空機のファーストクラスに搭乗した6人の中国人乗客は、安全ベルトを締めず、機長や客室乗務員と口論になった。小さな子が機内の通路で用便をするのを黙認している中国人の親。搭乗口のドアをたたき壊す、あるいは緊急ドアを勝手に開ける中国人乗客。さらには、海外の街でゴミを投げ捨てる、博物館で撮影禁止であろうと所構わず写真を撮りまくる、レストランで大騒ぎする、ジーンズとTシャツ姿でクラシックコンサートの会場に入る、厳かな教会で大きな声で話すなど、海外のあちこちで見られる中国人観光客のマナー違反行為は、枚挙にいとまがない。一部の国や地方では、中国人観光客は「歩く財布」と呼ばれ、また非文明的行為がダイレクトに非難されている。

国家観光局の統計データによると、2005年、海外を訪れる中国人観光客数は延べ3100万人に達し、アジアの首位に立った。世界観光機関(UNWTO)の予測では、中国は2020年までに、世界トップの観光客受入国および世界第4位の顧客源国となる見通しだ。

しかし、海外観光客として、中国人は「ブラック・リスト」の常連となっている。パリやワシントンでは中国人観光客向けに、「静かにしましょう」「痰を吐かないで下さい」「(トイレで)使用後は水を流して下さい」などと中国で書かれた、思わず赤面するような注意書きの立て札が掲げられている。一部の国では「中国人団体の受入お断り」とする施設や、中国人団体客を隔離しているレストランもある。また、規則違反をして動植物製品を携帯することが多い中国人乗客は、入国審査でスーツケースを開けるよう求められる確率が、他の国の乗客よりずっと高い。喫煙して絨毯を汚すことが多いため、中国人観光客を受け入れないホテルもある。

旅行中にこのような非文明的行為が発生するのは、一体誰のせいだろうか?ネット上には、その原因として、「両親のしつけが行き届いていない」「中国人全体の素養が低い」「マナー教育がなっていない」といった指摘が多く見られる。国民のマナーのレベルは、経済発展レベルに応じて高くなる。しかし、中国経済はこの20年間で急激な進展を遂げたが、文明度はそれに全く追いついていない。これはかなり極端な例だが、ある中国人女性がくわえタバコで有名ブランド店に入った。店員が、「お客様、ここは禁煙です」と注意したが、その女性は、「ここで鞄を6個買うので、吸っても構わないでしょ?灰皿をすぐに持って来て頂戴」と答えたという。

在仏中国大使館の呉建民(ウー・ジエンミン)前大使は取材に対し、「国家は次第に豊かになってきているが、何をやっても許されると思うのは大間違いだ。中国には『郷に入っては郷に従え』という言い伝えがある。まさしくその通りだ」と指摘。さらに「中国人は世界に向かっている。誰であろうと、海外に出て行く中国人は、現地の人々にとっては中国人以外の何者でもない。中国人はマナーを知らないというイメージを変えるためには、教育から中国人を変えていく必要がある」と述べた。

4年間のドイツ留学から帰国した「海外帰国組」の魏(ウェイ)氏は、「19世紀末から20世紀初めにかけて、欧州見物に大挙して出かけた米国人観光客や1980年代にカメラを首からぶらさげて至る所で写真を撮っていた日本人観光客のように、今の中国人観光客の『金は持っている。その金を見せびらかして何が悪い』というような振る舞いは、マナーある旅行の価値観とは当然相容れず、世界中に『素養が低い』という印象を残してしまう」との見方を示した。魏氏はさらに、「このような初歩的な段階で中国人の素養の低さを責めるのは、決して理性的とはいえない。どの国にもマナーの悪い個人は存在している。今大事なことは、単に批判することではなく、社会の力を動員して、いかにマナーに対する共通認識の確立を推し進めるかという問題だ」と続けた。

今年10月に施行される「旅行法」第13条では、「旅行者は旅行中、公共の秩序と社会道徳を順守し、現地の風俗習慣、文化、伝統、宗教を尊重し、観光資源を愛護し、生態環境を保護し、旅行における文明的な行為規範を守らなければならない」と定められており、法的措置を通じてマナーある旅行を国民に提唱・推進し、法律によってその実現を確かなものにしようとしている。しかし、社会の文明度を高め、その高さを保つことは、苦労を伴うきわめて長いプロセスを必要とする。1960年代、世界における日本人観光客の評判は大変悪かった。日本政府は、「日本国民のための海外旅行マナーガイドブック」を漫画で発行し、「スリッパのままでホテル客室の外に出ない」「女性は、スカート着用時にしゃがまない」などの注意事項を国民に伝えた。数十年におよぶ普及教育が実を結び、今では、世界での日本人観光客のイメージは大いに高まった。

メディア業界で長年の経験を持つ高小立(ガオ・シャオリー)氏は、「国内でのマナーが悪い人が、海外に出るといきなりマナーを守れることなどあり得ない」と指摘する。昨年の国慶節中秋節連休中、メディア大手各社はこぞって、「海南省三亜市では中秋節連休後、3kmにおよぶ白浜に50トンのゴミが巻き散らかされた」「北京天安門広場周辺では、建国記念日の1日だけで、約8トンのゴミが残された」「各地の高速道路の渋滞はかなり深刻で、人々が車の窓から投げるゴミが空中に舞った」などと報道した。「旅行マナーの育成・向上は、社会の全体的価値観が共通して目指すものであり、マナーを守る旅行が当たり前になるには、人々の意識的な行動を変えていかなければならない」と高氏は語った。

深セン社会・観察研究所の劉開明(リウ・カイミン)所長は、「一国家の政府が率先して普遍的価値観にもとづき基本ルールに従うことなしに、国民全体の素質の真の向上はあり得ない。一部メディアがどんなに声高らかに呼びかけても、中国人の素養を高めることは不可能だ。今の学校教育では、小学校から高等学校まで、子供達はテスト漬けの毎日に追われており、社会の道徳や文明ルールを守る大切さはほとんど教わっておらず、知恵を含む人間性の成長はなおざりにされている。中国に欠けているのは、もはやハイテクではなく、基本的な文明・マナーである」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤)

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