米国が5Gを主導しようとすれば3つのハードルに直面―中国メディア

人民網日本語版    2019年11月5日(火) 9時30分

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世界無線通信会議が10月末から11月22日まで、エジプトのシャルム エルシェイクで開催される。資料写真。

世界無線通信会議(WRC)が10月末から11月22日まで、エジプトのシャルム エルシェイクで開催される。米国トランプ大統領は参加者に書簡を送り、「志と道を同じくする国家」と協力してモバイル通信ネットワーク5Gを推進すると同時に、次世代情報ネットワークのセキュリティ対策を強化したいとした。新華社が伝えた。

一部のアナリストは、「米国政府はできるだけ早く5G商用化をスタートさせ、世界を主導したいとしているが、米国内外の一連の要因の制約を受けている」との見方を示した。

▼口実は盟友を説得することはできない

米国は5Gに力を入れる時、いわゆる「セキュリティ上の懸念」を口実にし西側の盟友に中国企業との5G協力を排除するよう圧力をかけてきたが、こうした努力は相次いで挫折に見舞われている。

ロイター通信の報道では、ノルウェー政府は今年9月、中国の華為(ファーウェイ)が北欧国ノルウェーの5Gネットワーク建設に参加することを禁止するつもりはないと立場を明確にした。

ドイツは10月中旬に5Gセキュリティ標準を発表し、自国の5Gネットワーク建設では「先入観にとらわれ」て特定の企業を排除することはせず、公平な競争が行われる市場環境を守る姿勢を堅持するとした。

英紙「サンデー・タイムズ」は政府関係者の話を紹介しながら、「ボリス・ジョンソン首相は早ければ11月に決定を出し、ファーウェイが英国の5Gネットワークの『議論の余地のない』部分の建設に参加することを認めるとした」と伝えた。

▼ビジネス化は「まだ脆弱」

米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の10月30日付報道で、米通信企業は5Gネットワーク建設で「もともと劣勢」であり、利用できる主流の周波数帯が非常に少ないからだと伝えた。

5Gネットワークの周波数帯は主に低周波数帯(1GHz未満)、中周波数帯(1GHz-6GHz)、高周波数帯(6 GHzより上)の3つに分類される。低周波数帯は干渉に強く、信号伝送の範囲が広いが、データ伝送能力で劣る。高周波数帯は干渉に弱いが、有効な距離内であればより多くのデータを伝送することが可能だ。中周波数帯は伝送効果とデータ容量のどちらにも優れ、各国や主流キャリアが奪い合う「おいしい」周波数帯になっている。

米国の問題は、中周波数帯の大部分が政府と軍のコントロール下にあり、キャリアと共有することはなく、企業は高周波数帯を利用して5Gネットワークを建設することを迫られる。その結果、米国の5G通信ネットワークはさらに速くなったが、ネットワークのカバー範囲は狭く、建設コストは高い。

政治リスク専門のコンサルティング会社・ユーラシアグループのポール・トリオロ技術政策アナリストは、「米国が出来るだけ早くプロバイダーに中周波数をより多く開放しなければ、これから競争相手にもっと遅れを取る可能性がある」と述べた。

▼企業利益が紛糾

5G関連企業はそれぞれの利益を考え、互いに矛盾する要求を連邦政府に訴えた。これは米5G建設の難題でもある。アップル、マイクロソフト、フェイスブックグーグルなどの情報技術(IT)企業11社は連邦通信委員会に働きかけ、家庭用Wi-Fi(無線LAN)以外の分野において6GHz前後の周波数帯の使用を認めて欲しいと訴えた。エリクソンなど既存のキャリアはこれに反対で、このやり方は既存の通信衛星からの信号を干渉するとの見方を示した。

同委員会のジェシカ・ローゼンワーセル委員は、「短期間で順序よく周波数帯を分配する可能性に楽観的な態度は取れない。その原因は、歴史的経験から考えて、こうした作業には最長で10年もの時間がかかることががあるからだ」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集KS)

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