5G端末新体験 バッテリーの持続時間や放熱性能でブレークスルー

人民網日本語版    2019年11月1日(金) 10時30分

拡大

工業・情報化部が今年6月6日に5Gの商用ライセンスを発行すると、5Gを試したくてたまらないスマートフォンユーザーたちにより、3大キャリアの5Gセットの予約件数は相次いで記録を更新し、また多くのメーカーが自社の5Gスマートフォン端末を打ち出した。

工業・情報化部(省)が今年6月6日に5Gの商用ライセンスを発行すると、5Gを試したくてたまらないスマートフォンユーザーたちにより、3大キャリアの5Gセットの予約件数は相次いで記録を更新し、また多くのメーカーが自社の5Gスマートフォン端末を打ち出した。5G端末は私たちにどんな喜びをもたらし、また利用シーンにどのような変革をもたらし、5Gを支える技術の変革にはどのようなものがあるだろうか。第1回「世界5G大会」の開催を目前に控え、vivo通信研究院の秦飛社長とOPPO研究院の沈嘉ベテラン研究員(通信標準分野)は取材に答え、その中で、「バッテリー持続時間、放熱性能、アンテナの設計、空間の利用、5Gのプロトコルといった技術面のボトルネックでブレークスルーを遂げた5G端末は、ユーザーに新たな体験をもたらすことになる」などと述べた。「科技日報」が伝えた。

5G端末の価格は来年になると2千元前後に下がる

2019年は5Gネットワーク元年だ。高速・低遅延の5Gネットワークは、4Gとは異なるどのような体験をユーザーにもたらすだろうか。沈氏は、「現在、5Gの具体的な応用形態を正確に予想することは難しいが、自分のみたところ、5G時代にはウェアラブルデバイスがさらに増える。端末の体験では、ゲームをした時のインタラクティブ性と没入度がより高くなり、動画はよりクリアでスムーズに流れるだけでなく、3D動画、拡張現実(AR)/仮想現実(VR)動画などの新たな形式が登場するとみられる」と述べた。

インダストリアル・インターネット(産業のインターネット)の分野では、5Gは低遅延、高い信頼性といった特徴により、工業、セキュリティ、交通などの業界で深いレベルで使用される可能性がある。沈氏によると、「たとえば工場の遠隔コントロール設備で、工業化設備のデータを収集して、リアルタイム伝送を行うなどだ」という。

また沈氏は、「消費者向け電子製品の分野でも、5Gが幅広く応用されることになる。現在、私たちがARやVRを見るときにくらくらした感じになるのは、遅延が大きいからだ。将来は遅延をミリ秒単位に抑えることが可能になる」と述べた。

沈氏は続けて、「車載ネットワーク(IoV)の分野では、信号伝送の空間インターフェースは、遅延を1ミリ秒以内に、信頼性が99.9999%に到達することを目指す」と述べた。

現在、5G端末を打ち出すメーカーは少なくないが、価格が4千元(1元は約15.4円)前後とやや高い。5Gの価格はいつになったら気軽に買える価格になるだろうか。沈氏は、「端末価格に影響する主な要因は生産量と規模だ。現在の5G端末のコストは5G処理のベースバンド、無線チップなどの部品の影響を受けるが、将来は技術の急速な成熟と川上から川下に至るメーカーの規模拡大にともない、ほどなく価格は低下するだろう」と予想する。

秦氏も同じように、「現在の5G端末は高級機種に重点をおくが、5Gネットワークの建設が進むつれ、5G端末もより普及する。現在の業界の予測では、20年になると5G端末価格は2千元前後まで下がる」と述べた。

連続待受時間、放熱性能、アンテナ……5G端末の5大技術的挑戦

帯域幅と通信速度の上昇は、5G端末の研究開発の5つの技術的挑戦を突きつけた。

1つ目は、バッテリーの持続時間だ。秦氏は、「5G端末の通信トラフィック量は4G時代の10倍になり、真っ先に直面する挑戦はバッテリーの持続力だ。端末の使用体験を一定のレベルで保証するため、5G端末のバッテリー持続時間は伸びるとは限らない」と説明した。そこで5G端末のバッテリーは4G端末の1500-2000mAhから4000mAh以上に引き上げられる見込みだ。また技術者は一連の新技術を採用して携帯のバッテリー消費を抑えている。

2つ目は、放熱性能だ。秦氏は、「帯域幅と情報処理量の上昇により、5G端末のバッテリー消費量が増加し、これは放熱量も増加することを意味する。そこでエンジニアは薄型液冷循環放熱板技術を使用し、金属製のメタマテリアルのボードに非常に微細なヒートパイプを設置し、特殊な材料を充填する。この材料がCPUの熱を放出する部分と接触すると、CPUの温度が下がる」と説明した。

3つ目は、5G端末内部の空間利用だ。秦氏は、「5G端末がカバーしなければならない通信モジュールと周波数は多く、まるで4世代同居家族のように、5G、4G、3G、2Gをカバーすると同時に、ブルートゥース、WiFi、GPS、北斗ナビゲーション、FMラジオなどのモジュールにも対応しなければならず、そのために部品が目に見えて増加した」と説明した。

端末の体積には限りがあり、これほど多種類のアンテナやモジュールをどうやって端末に詰め込めばよいのか。秦氏は、「技術者は『3D折りたたみ技術』を応用し、端末のサイズは変えずに、空間の利用効率を高め、より多くの部品を搭載することを可能にした」と述べた。

4つ目の技術的挑戦は、端末のアンテナの設計だ。秦氏は、「端末のアンテナは多ければ多いほどよいというものではなく、適切な数がベストだ。私たちはアンテナ設計で複数の周波数のアンテナの多重化技術を採用し、4Gと5Gのアンテナを共有とし、アンテナの数を減らした。vivoのアンテナ技術者は5Gに向けてアンテナを側面に設置する設計、アンテナ間結合技術といった画期的ソリューションを打ち出し、信号が着実に届くよう保障した」と述べた。

最後は最も頭を悩ます点といえる、5G端末のプロトコルテストだ。秦氏は、「どの端末のソフトウェア・ハードウェアのバージョンが誕生する時にも、設計と実験を何度も繰り返す必要がある。端末の通信プロセスでは、端末の電源を入れる、サイトにアクセスする、ゲームをするなどの各種操作が必要で、そのためにテストをくぐり抜ける必要がある。5G通信プロトコルには1万ページを超える技術報告書があり、これらのプロトコルの正確性は、テストを繰り返して確認する必要がある」と述べた。(編集KS)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携