中国各地の観光地でガラス桟道が閉鎖・使用停止に―中国メディア

人民網日本語版    2019年11月4日(月) 1時0分

拡大

最近、複数の地方の観光地に設けられたガラス桟道が、封鎖または使用停止となっている。

(1 / 3 枚)

最近、複数の地方の観光地に設けられたガラス桟道が、封鎖または使用停止となっている。「インスタ映え」するこれらの観光地スポットで今何が起きているのだろうか?メディア各社の報道を総合して北京日報が伝えた。

その他の写真

○全国各地のガラス桟道が「封鎖」の憂き目に

河北省は昨年3月、1カ月間をかけて危険性が高い観光プロジェクトを対象とした精査・整備活動を実施した。ガラス桟道などの「ハイリスクプロジェクト(ガラス桟道、ガラスつり橋、ガラス滑り台、ガラス展望台などの観光施設)」の安全性に対する整備強化を求め、以下の「四項目一律」措置を打ち出した。

・ガラス桟橋などのプロジェクトの新規建設に対する審査・認可を一律停止。

・建設中のプロジェクトを一律暫時停止。

・運営未開始のプロジェクトについて、一律暫定運営開始の見合わせ。

・運営済のプロジェクトについては、一律営業停止の上、整備実施。

これを受けて、省内25カ所の景勝地にある32のガラス桟道類プロジェクトは全て、営業停止となった。これには、「世界最長のガラスつり橋」としてネット上で大きな話題を集めた河北省石家庄市の紅崖谷景勝地も含まれる。国慶節(建国記念日)連休初日の今年10月1日も紅崖谷景勝地のガラスつり橋は、閉鎖された状態のままだった。

河北省に限らず、黒竜江、湖北、湖南、江西、広東、福建各地の文化観光庁も、2017年以来、続々とこのような措置を講じており、条件を満たしていないガラス桟道は、命令により利用停止状態が続いている。

○最大の原因は、安全面の隠れたリスク

ガラス桟道(回廊)は、2007年に米グランドキャニオンに誕生したU字形のガラス製「スカイウォーク」が最初だった。数年後には、中国各地の観光地で、まるで雨後の筍のごとく登場するようになった。伝統的な景勝地にとって、ガラス桟道は、よりバラエティに富んだ観光スポットとしてPRできると同時に、景勝地収入を増やす上でも有利だった。また、ショート動画配信プラットフォームに助けられて、ガラス桟道があることでネット上の「人気観光スポット」となった景勝地もある。

中国中央テレビ局(CCTV)のビジネスチャンネルの記者はこのほど、広西壮(チワン)族自治区南寧市近郊にある竜門水都景勝地を訪れ、観光客が普段の週末に比べてかなり少なく、景勝地がかなり寂しい様子であることに気づいた。確認したところ、景勝地のガラス橋が現在検査・修理中で、失望の色を隠せない観光客が少なからずいるようだった。

実際、ガラス橋が設けられている景勝地の多くは、安全上の事故が頻発していたり、安全面でリスクが存在するため、閉鎖・利用停止に追い込まれている。

2015年、河南省雲台山のガラス桟道は、営業開始後間もなく、ガラスの一部が観光客のステンレス製マグによって破壊された。また、同年、省内の別の景勝地で、観光客がガラス滑り台から転落するという事故が起こった。

2016年9月には湖南省張家界天門山のガラス桟道で、断崖の上から転がり落ちてきた大きな石が観光客の右脚に命中し、粉砕骨折の怪我を負った。

そして2017年には湖北省木蘭勝天景勝地で、観光客が山頂からガラス滑り台で事故が生じ、1人が死亡、3人負傷という惨事となった。

○国家・各地方による基準の制定・発表が急務に

ガラス桟道の安全上での問題に対処するため、国家担当当局および北京や広西などの各地は、2017年以降、ガラス桟道など危険性の高いプロジェクトの建設および営業に対する規制を実施しており、対象プロジェクトの審査・認可を暫定的に停止している地方もある。

複数の景勝地関係者によると、ガラス桟道プロジェクトに関する国家レベルの建築基準や監督管理に関する規定は、現時点では存在していないという。だが、河北省が昨年8月に発表した国内初のガラス桟道に関する地方基準では、景勝地の歩行用ガラス吊り橋およびガラス桟道の建材・設計・施工に対する明確は基準が打ち出され、同時に、1平方メートルあたり3人以上入ってはならないという厳しい人数制限を実施した。8月1日より施行された同基準は、中国国内初のガラス桟道建設に関する地方基準となった。

業界は、「明確な法律・法規にもとづき、ガラス桟道を擁する景勝地の経営者による開発や観光客一人一人の行為を規範化することで、ガラス桟道の隠れた安全上のリスクを根本から取り除くことができる」と呼びかけている。(提供/人民網日本語版・編集KM)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携