新潟から黒竜江へ 東北の黒土地帯に開く「環境保全型生産」の花

人民網日本語版    
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秋は収穫の季節である。黄金色に色づいた田んぼ、ふっくらと丸いダイズなど、東北の大地の農地は豊作の喜びに満ちていた。

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秋は収穫の季節である。黄金色に色づいた田んぼ、ふっくらと丸いダイズなど、東北の大地の農地は豊作の喜びに満ちていた。黒竜江省北林区鑫諾瓜菜(ウリ科野菜)栽培合作社で、理事長の潘仁国氏は同合作社が築き上げた「野菜王国」ついて、「我々は日本の国際協力機関(JICA)『黒竜江省綏化市食の安全と環境対策事業』のモデル実験拠点であり、黒土地帯の環境保全型の菜園でもある。現在はすべてグリーン生産路線を展開している。今年は約461ヘクタールで野菜を栽培し、一部は海外への輸出も見込んでいる。これらは日本の農業専門家の指導や支援と切り離せない」と説明した。人民網が伝えた。

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寒地の黒土地帯も金銀同様の価値がある

「中国の大穀倉地帯」である黒竜江省中南部の綏化市は、農業が盛んな市である。綏化市は世界でもまれな三大黒土地帯の一つである松嫩平原の内陸部に位置し、貴重な寒地黒土資源を有し、農産物が豊かである。しかし、かつての粗放型の生産モデルが綏化市の土地を脅かしている。法令で禁止されているにもかかわらず、化学肥料や農薬を過度に使用することが依然として見られる。このようにして栽培された農作物は品質が保証できず、残留する窒素・リン・カリウムや農薬成分は生態系を破壊し、環境汚染を引き起こしてしまう。

中日が協力してグリーン生産の道を切り開く

環境資源を保護し、環境保全型の生産を堅持し、同時に農産物が環境保全型で安全であることを保証し、農業の持続可能な発展を促進することは、「寒地黒土の都」である綏化市が追求し続けてきた発展の道である。2016年11月、JICA「草の根技術協力事業」の一環として、「黒竜江省綏化市食の安全と環境対策事業」が正式にスタートした。日本の新潟県日中友好協会が先頭に立ち、新潟大学、新潟県農業総合研究所、日系企業から派遣された専門家と、中国側の東北農業大学、綏化市北林区農業技術普及センター、綏化市鑫諾瓜菜栽培農民専業合作社が協力を展開した。この協力では、日本の環境保全型生産理念と先進技術を現地に導入し、農民に化学肥料と農薬の適量使用について指導した。また、化学肥料の効率の良い利用を促進し、化学農薬の使用を低減して、根本から農産物の安全性を確保することで、環境汚染を低減した。

新潟県日中友好協会顧問の春日健一氏はJICA「草の根技術協力事業」に長年参加しており、今回の綏化プロジェクトの日本側責任者でもある。綏化市に来るたびに、春日氏と日本の農業専門家は綏化市の農地を自ら回り、土壤の電気伝導率(EC)を分析し、硝酸態窒素の含有量を把握することで、現地の状況に合わせた施肥量を設定した。また、試験用農地を選び、化学肥料農薬の使用量を減らすことを提唱。さらに、農民に日本の「栽培管理記録カード」を普及させ、綏化市北林区農業技術普及センターの監督管理下で、健全で環境にやさしい栽培管理体制が現地に確立できるようサポートした。

生産量拡大から、グリーン・安全・質のよい農業へ

2018年、綏化の食糧総生産は1175万トンに達し、「15年連続の豊作」となった。綏化市の「生産量拡大」は現在でも続いている。綏化市北林区農業技術普及センター主任の張樹春氏は取材に対し「我々が追求している目標は、生産量拡大だけではなく、環境保全型・安全・質のよさだ」と語った。

東北農業大学農学院教授の張艶菊氏は中日が協力して行った綏化の農地での施肥試験の成果データを示し、「日本の専門家の指導の下で緩効性肥料を試し、土壌分析によって肥料を配合し施肥するようにした。また病虫害耐性品種を選び、病虫害防除剤をスクリーニングし、農薬の使用量を減らした。それにより労働力とコストを節約できただけでなく、生産性も高めることもできた。さらに環境負荷も減った」と語った。

「栽培管理記録カード」管理体制も今回の中日協力事業の成果の一つである。農家は作物ごとに「栽培管理記録カード」を作り、定期的に栽培管理データ、使用農薬・化学肥料の名称と散布・施肥を行った時間、使用量を記録し、農業技術普及員がそれに対する指導やアドバイスを行っている。綏化市北林区太平川鎮二排村の王運文氏は今回の中日協力事業の受益者の一人だ。彼は、「以前、私たちの農作物栽培は主に二十四節気に頼っていたが、北林区農業技術普及センターが日本の『栽培管理記録カード』を紹介してくれた。最初に使った時は少し面倒くさいと思ったが、我々農民にとって非常に役に立つことがだんだん分かってきた。自分が記録したデータを参考にすれば、どの季節に何をするべきか、農薬の量をどう調整すればいいか分かる」と語った。

中国科技部(省)中国科学技術交流センター日本処処長の柏燕秋氏は綏化視察を終えた後、「中日が黒竜江省の食の安全と環境対策面で行った協力事業による農業の『減肥(ダイエット、ここでは施肥量低減の意味)』の呼びかけは、国際協力を通じ、農業の発展モデル転換を加速し、農業のグリーンな発展を促進する有益な試みであり、先導的なものだ。こうしたグリーンな生産モデルが東北の黒土地帯でさらに普及することを期待している」と語った。(編集AK)

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