内需も輸出も低迷する日本経済―中国メディア

人民網日本語版    2019年10月26日(土) 7時20分

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日本政府はこのほど発表した「10月の月例経済報告」で、雇用情勢や設備投資は底堅く推移しており、景気は「緩やかに回復している」との基本認識を維持したものの、「輸出を中心に弱さが長引いている」とし、総括判断の表現は下方修正した。写真は台風時の関西国際空港。

日本政府はこのほど発表した「10月の月例経済報告」で、雇用情勢や設備投資は底堅く推移しており、景気は「緩やかに回復している」との基本認識を維持したものの、「輸出を中心に弱さが長引いている」とし、総括判断の表現は下方修正した。総括判断の下方修正は今年5月以来5カ月ぶりとなる。経済日報が伝えた。

日本政府は「緩やかに回復している」という表現を2018年1月から使い続けている。そして、個人消費の持ち直しが続き、内需は堅調とみている。西村康稔経済財政・再生相は記者会見で、「雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかな回復が続くことが期待される」と強調した。しかし、日本政府は、日本経済を取り巻く環境は厳しさを増しており、米中貿易戦争が長期化すれば外需が縮小すると懸念している。

日本政府は全体的には「緩やかに回復している」とずっと判断しているにもかかわらず、今年に入り、景気判断を3度下方修正している。4月は、「このところ輸出や生産の一部に弱さもみられるが、緩やかに回復している」とし、6月も「輸出や生産の弱さが続いているものの、緩やかに回復している」とした。9月は「輸出を中心に弱さが続いているものの、緩やかに回復している」とした。そして、10月は「輸出を中心に弱さが長引いているものの、緩やかに回復している」とした。日本の景気を判断するための経済指標9項目のうち、個人消費、設備投資、企業收益など6項目が横ばいで、輸出、生産、景気動向が低下した。業況判断においても初めて「製造業を中心に引き続き慎重さが増している」とした。

日本の実際の経済状況を見ると、輸出は8月まで9カ月連続で前年割れの水準が続き、製造業の停滞を招いている。また、内閣府が発表した景気動向指数に基づく機械的な景気判断は8月分が4カ月ぶりに「悪化」に転じた。日銀(中央銀行)が発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の景況感が3期連続で悪化した。経済学者で、大正大学の小峰隆夫教授は、「輸出が減り、生産が落ち込むのは日本の景気が悪くなるときの典型的なパターン」と指摘する。

世界経済に目を向けると、保護貿易主義や経済摩擦が世界経済の発展の足かせとなっている。例えば、ドイツが第二四半期(4-6月)にマイナス成長に沈み、英国の欧州連合(EU)離脱問題などの不透明要素も残る。国際通貨基金(IMF)は15日に発表した世界経済見通し(WEO)で2019年の成長率を3.2%から3%に下方修正した。WEOが下方修正されるのはこれで5回連続となった。日本の消費者態度指数もすでに9月まで12カ月連続で悪化。そのため、日本政府は10月の月例経済報告も「消費税率引き上げ後の消費者マインドの動向に留意する必要がある」と指摘している。

その他にも、日本国内特有の環境が、経済発展の足かせとなっている。例えば、今年の夏以降、自然災害が多発しており、台風15号、19号は大きな被害をもたらし、経済損失も甚大だ。加えて、10月1日に消費税率が引き上げられた。日本政府は「痛税感」を緩和させるための複数の一時的対策を講じているものの、市場は日本経済が第4四半期(10-12月)にマイナス成長に陥ると予想している。自然災害と増税政策がダブルパンチとなり、日本経済に重くのしかかっている。

2012年12月に発足した第2次安倍政権は、「アベノミクス」を展開し、「三本の矢」を打ち出して日本経済を回復に導いた。現在は保護貿易主義が台頭しているのを背景に、今年は日本・EU経済連携協定が発効し、第1段階の日米貿易協定が再び調印されたにもかかわらず、その協定が発効すれば、競争力の弱い日本国内農業生産額が最大で1100億円 減少すると試算されている。輸出の面で強い競争力を日本が誇る自動車などについては、米国は日本に市場を開放するかについて、今後の交渉で決めるとしている。このように、日本の経済成長は、国内外の原動力に欠けており、日本政府にとってはそれが長期的な難問となるだろう。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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