日本車の命運は日中関係次第、打開のヒントは「独仏関係」―中国メディア

Record China    2013年8月13日(火) 7時40分

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11日、日本の終戦記念日である8月15日が近づくなか、依然として安倍首相の靖国参拝が懸念され、尖閣諸島危機が続き、日本車メーカーは神経を張り詰め始めている。写真は河南省鄭州市の日本車製造工場。

2013年8月11日、日本の終戦記念日である8月15日が近づくなか、依然として安倍首相の靖国参拝が懸念され、尖閣諸島危機が続き、日本車メーカーは神経を張り詰め始めている。日産のある役員は以前「われわれにとって8月の靖国参拝問題は最大の懸念だ。政府は日中関係改善のために行動してほしい。われわれ一企業の努力でできることではない。今われわれは全てが平穏無事に過ぎることを祈っている」と語った。トヨタホンダ、マツダ、三菱、スズキなど日本車メーカーの心境もほとんどが同様のはずだ。日本車メーカーの中国法人は、この期間慎重に、控え目に事を行うよう従業員に通知することが予想される。問題は、たとえ今年の8月15日が「平穏無事」に過ぎたとしても、その後はどうなのかだ。8月15日は日本車メーカーにとって永遠に鬼門なのだろうか?(文:何侖(ホー・ルン)「国際商報・汽車周刊」編集長。国際商報掲載)

政治問題によって国家間の経済・貿易関係が損なわれるケースは別に珍しくない。米中間、独中間、中仏間、さらには中国・ノルウェー間にもある。だが日中間のように定期的に(例えば8月15日や盧溝橋事件の7月7日)、民衆の感情を刺激し(例えば日本名・尖閣諸島紛争、戦争賠償、元労働者や元慰安婦への賠償など)、深刻な結末をもたらす問題は他に例を見ない。これが41年前の日中国交正常化時に人々が期待していた「正常化」ではないことは明らかだ。当時の「正常化」は多くの問題を解決したが、少なからぬ問題も残した。今や、そうした問題が集中的に表面化している。日中の国交が「第二次正常化」を果たすべき時期にきているのは明らかだ。

日本車最大手、トヨタを例に取ると、大規模なリコールによる深刻な危機に立て続けに見舞われながらも、世界トップの称号を維持し、今年第1四半期には5年ぶりに黒字転換も果たした。その強大な危機対処能力と総合競争力が十分に見てとれる。だが2012年の中国市場でのシェアはわずか4.4%で、14.3%という世界市場でのシェアと比べれば端数に過ぎない。もし中国という世界最大の自動車市場でも世界市場並みのシェアを獲得できれば、フォルクスワーゲンに追い抜かれる可能性は大幅に減るだろう。トヨタが中国で阻まれている原因は多数あるが、その重要な1つが近年どんどん正常でなくなってきている日中関係だ。

日中関係の現状を受けて、どのみち一部の消費者は感情的に日本車を受け入れがたくなる。このため日本車メーカーは自らの中国での位置づけと戦略目標を再調整し、より多くの付加価値を提供することで消費者の信頼を勝ち取るとともに、社会的責任に関する事業をより効果的に進めるほか、各種リソースを可能な限り用いて日本政府に圧力をかけ、日中関係の「第二次正常化」を後押しする必要がある。

当然、日中関係の「第二次正常化」は根本的に両国政府の勇気、意志、知恵、そして尖閣諸島、戦争賠償、元労働者への賠償、靖国神社参拝などの問題を含む包括的解決案を見いだせるかどうかにかかっている。このうち戦争賠償については、41年前に中国側が請求権の放棄を宣言したものの、多くの中国人にとっては釈然としないわだかまりとなっている。実は日本側は長年にわたり「対中政府開発援助(ODA)」を通じて、形を変えて戦争賠償を行なってきた。このうち3兆2000億円規模の円借款は30年の超長期、金利3%以下の優遇借款であり、中国側のある専門家は「インフラなどの要因を総合的に考慮すると、円借款は約57%が実質的贈与にあたる」と試算する。このほか、1472億円規模の対中無償援助と1505億円規模の技術援助もある。こうした援助は1980年代、90年代に中国が受けた外国からの援助総額の半分近くを占め、中国経済のテイクオフに軽視できない役割を果たした。90年代初めに私は日中政府視察団に同行して日本の対中援助事業について半月間実地調査を行なったことがあり、大変感慨を抱いている。だが中国の民間人でこうした事を知っている人は、今にいたるもまれだ。そのうえデータにも食い違いがあり、戦争賠償との関係も曖昧だ。

したがって双方は整理し、しっかりと計算し、日本側が事実上一体どれほど「賠償」したのか、まだどれほど「借りがある」のか、あとどれほど「賠償」すべきなのかを確認して、戦争賠償問題を清算し、民間に説明すべきだ。日本に戦争賠償を請求する資格が最もある中国、米国英国、旧ソ連、オランダオーストラリアが請求権を放棄したのは大国の度量の反映だと考える人もいる。だがこれは余りにも体面にこだわってひどい苦しみを背負い込むもので、全く必要がないうえに、問題を複雑化させうるものでもある。元労働者への賠償問題も、中国人の感情に深く影響を与えている。歴史的、法的障害はあるが、政治解決案を見いだすことは完全に可能だ。例えばドイツのやり方を参考にして、政府と企業が50%ずつ出資して賠償基金を設立し、元労働者に賠償することができる。

ドイツと言えば、独仏は100年間に3回戦争をしたが、不倶戴天の代々の恨みを解消することができた。日中関係の「第二次正常化」も完全に可能だ。日本は戦争の発動者であり、民間の中国人に現在の民族的感情をもたらした原因だ。日本政府は日中関係の「第二次正常化」において自ずとより大きな責任を負っており、より多くのプラスの努力をしなければならない。高官が靖国神社を参拝し、中国人の感情を傷つけ続けるといった、これに反する事をするのではない。

日中関係が正常化されれば、日本車の中国での経営も正常化する。(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/武藤)

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