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米ワシントンで21日開幕した国際宇宙会議(IAC)では、「中国はどこに行ったのか?」が、思いがけないことに宇宙関係者数千人が最も答えを知りたい問題となった。
米ワシントンで21日開幕した国際宇宙会議(IAC)では、「中国はどこに行ったのか?」が、思いがけないことに宇宙関係者数千人が最も答えを知りたい問題となった。他の5か国の宇宙機関トップと共に第1回全体会合に出席する予定だった中国国家航天局の呉艶華副局長が姿を現わさなかったことが原因だ。新華社が伝えた。
携帯電話による投票を通じて、会場の聴衆はこの「尋ね人広告」をメイン会場大型スクリーンのトップに掲載した。そして各方面の情報によると、米国ビザの発給を妨げられたことが、中国代表「欠席」の本当の原因だ。
ここしばらく、米国は渡米する中国の科学技術者へのビザ発給の拒否、ビザ申請の引き延ばし、長期滞在ビザの取り消しなどの措置を講じ続けてきた。活動当日にようやくビザを取得でき、日程に重大な影響が生じた人も少なくない。
米国の同様の手法はロシアの抗議も招いている。国連総会ではロシアの外交関係者複数にビザを発給しなかったため、ロシアは米国の非友好的なビザ政策に抗議して、国連総会第1委員会をニューヨーク以外で開くことを提案した。
IACは宇宙界の科学者が切磋琢磨して議論し、宇宙産業の科学技術を展示する世界的な場であり、中国はこの盛大な会合で例年重要な役割を果してきた。今回の中国の欠席を参加者と世界全体が「気にかけた」のは、中国の宇宙開発の実力と成果の現れだ。
大変失望させられるのは、宇宙を愛する世界中の人々が「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である」との「アポロ精神」に喝采し、人類最後の共通のフロンティアを手を携えて探索しようと訪れてきたのに、世界最大の宇宙大国である主催国が様々な手法で、中米間の正常な人的交流・往来を妨害していたことだ。
これと鮮明なコントラストを成すのが中国だ。中国は無人探査機「嫦娥4号」の月面着陸時、気前よく米航空宇宙局(NASA)と協力し、米無人月探査機「ルナー・リコネサンス・オービター」(LRO)が嫦娥4号の着陸地点を撮影した。こうした情報は今後の米宇宙機の月面着陸にとって重要な参考となる。
ペンス米副大統領は開幕式での演説で、米国がいわゆる「志を同じくし、自由を愛する」国々と協力する方針に再三言及した。「だが何をもって自由を愛しているとするのか、誰が判断するのだ?」。現場の聴衆はこの問題を最も答えを知りたい質問の2位に挙げた。こうした「イデオロギー」カードを宇宙で切る狭隘な手法がどれほど支持されていないかがよく分かる。
主催国としての度量は、米国が国際社会で明らかに自信をどんどん失い、ゼロサム思考に頑なにしがみつき、さらには国際協力を最も必要とする宇宙探索分野でも依然「村主義」を奉じていることを反映している。
高い壁を築いても殻に閉じこもり進歩しないだけであり、橋を架けて初めて良い競争を促進することができる。米側が冷戦のゼロサム思考を捨て、中米間の互恵協力推進に尽力し、両国及び世界の人々により良く幸福をもたらすことを望む。(編集NA)