南北関係の冷え込み鮮明に、金正恩委員長が金剛山の韓国側施設撤去求める、「観光事業実現させた現代グループ激怒」と韓国紙

配信日時:2019年10月27日(日) 9時40分
金正恩委員長の要求に「現代グループ激怒」、南北の冷え込み鮮明に
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北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長が同国の景勝地・金剛山にある韓国の施設の撤去を指示。南北関係の冷え込みが改めて鮮明になったが、韓国紙は「観光事業を実現させた現代グループが激怒」と伝えた。写真は朝鮮中央通信サイトより。
北朝鮮金正恩・朝鮮労働党委員長が同国の景勝地・金剛山にある韓国の施設の撤去を指示した。金剛山観光事業は開城工業団地と並ぶ南北の主要な経済プロジェクト。南北関係の冷え込みが改めて鮮明になったが、韓国紙は「事業を実現させた現代グループが激怒」と伝えた。

23日付の労働党機関紙「労働新聞」によると、金剛山観光地区を視察した金正恩委員長は韓国側の施設について「建築物に民族性が全くなく、建築美学的にも極めて古いだけでなく、それすらまともに管理されず極めてみすぼらしい」と指摘。「見るだけでも気持ちが悪くなる、くだらない韓国側施設は韓国側の関係部門と合意してすべて撤去させ、金剛山の自然景観に似合った現代的な奉仕施設をわれわれの方式で新しく建設しなければならない」と話したという。

金剛山観光は1998年に韓国財閥の現代グループの鄭周永名誉会長が息子の鄭夢憲会長と共に、金正日・北朝鮮国防委員長と面会して事業権の取得に成功し、1カ月後に始まった。この過程で鄭周永名誉会長は牛500頭を率いて訪朝するなど金正日委員長の心をつかむためにあらゆる方面で努力を重ねた。

韓国企業では現代峨山やアナンティなどが金剛山の観光事業を手掛けてきたが、軍事区域に入り込んだ韓国人観光客を北朝鮮の兵士が射殺する事件が発生したことを受けて、韓国政府は2008年に金剛山への観光ツアーを停止。韓国資本の施設は現在も金剛山に残っているものの、北朝鮮に対する国際的な制裁を背景に韓国からの観光ツアーは再開されていない。

金正恩委員長の発言に関して、朝鮮日報は現代グループが「血と汗を流して金剛山観光事業を実現させたのに北朝鮮が『兎死狗烹』(必要な時は重宝がられるが、不要になればあっさり捨てられること)のごとく扱ったと激高した反応を見せている」と報じた。現代グループは金剛山観光事業を開始して発展させる過程で、北朝鮮への5億ドル送金容疑で捜査を受け、鄭夢憲会長が2003年に自ら命を絶つなどの苦難を経験してきたためだ。

さらに現代グループの金剛山観光事業はグループの全体的な業績悪化にもつながった。鄭夢憲会長の死後、妻の玄貞恩会長が経営を継承したが、海運業が厳しい不況に突入し、経営危機が深刻化。結局2016年に現代証券を含む金融系列会社まで売却対象となり、現代グループは対北事業開始から20年で中堅企業レベルまで規模が縮小した。

同紙は「現代グループが没落する間に、韓国から入ってきた資金と金剛山観光事業を通じて莫大(ばくだい)なカネを手にした北朝鮮は核兵器の製造に熱を上げた。米国をはじめとする国際社会の圧力と経済制裁が続く状況でも、北朝鮮は核開発を続けた」とも説明。財界関係者の「20年間、韓国政府を信じて厳しい試練を甘受してきた現代グループだけがスケープゴートとして残った」との声を紹介した。(編集/日向)
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