香港特区政府財政司司長陳茂波「『一国二制度』は香港成功の最も重要な基盤」

人民網日本語版    2019年10月8日(火) 20時10分

拡大

この数カ月間、香港地区では社会情勢が動揺し、さらには極端な暴力事件まで発生して、香港地区の経済・市民生活に深刻な影響が及んでいる。

この数カ月間、香港地区では社会情勢が動揺し、さらには極端な暴力事件まで発生して、香港地区の経済・市民生活に深刻な影響が及んでいる。先ごろ、北京を訪れて一連の新中国成立70周年行事に参列した香港特区政府財政司の陳茂波司長が人民網のインタビューに応じ、「香港経済は内外ともに苦境に直面している。特区政府は引き続き必要性を評価して、適時救済措置を講じ、市民とともに難関を乗り越えていく」と述べた。陳氏はさらに、「『一国二制度』は香港地区の成功の最も重要な基盤であり、しっかりと守っていかなければならない。現在の急務は暴力と混乱を抑え、社会の秩序を回復することだ」と強調した。人民網が伝えた。

〇中華人民共和国成立70周年祝賀行事への参列について

「大いに奮い立ち、未来の発展に自信」

10月1日、中華人民共和国成立70周年を祝賀する一連の行事が北京の天安門広場で盛大に執り行われ、20万以上の軍人・市民が共和国成立70周年を祝った。陳氏は招待を受け、来賓として天安門の城楼でこの盛大なイベントを目の当たりにした。

「この数十年来、中国人民は立ち上がり、豊かになり、強くなった。私はこれに深い感慨を抱いている」とした陳氏は、幼い頃学校で中国近代の歴史を勉強し、中国が外敵の侵入を受け、抗日戦争を戦った歴史を知り、重苦しい気分になった記憶が残っているためとその深い感慨を抱いた理由を語った。そして、「社会に出て働き始めた後、1980年代の中ごろから大陸部に来るようになった。過去数十年間取り組んできた仕事でも、国が改革開放を経て、経済と社会が天地がひっくり返るような変化を遂げるのをこの目で見てきた」と陳氏は語る。

2012年から、陳氏は香港特区政府に勤務している。この過程で、陳氏は中国の発展計画を深く理解し、香港地区の未来の発展に対しても自信を抱くようになった。「今回国慶節(建国記念日、10月1日)の行事に参列して、民衆が非常に喜び、誰もが心からの笑顔を見せているのを目にした。皆が興奮し、奮い立ち、未来の発展に自信を抱いていた」と、陳氏は興奮冷めやらない様子で語った。

〇「一帯一路」について

「香港地区は国際化されたハイレベルの専門サービスを提供できる」

過去数十年、国は経済・社会発展面で極めて大きな成果を上げてきた。香港地区はその積極的な参加者、推進者、貢献者であり、また受益者でもある。「『一国二制度』には自信を抱いている。これは香港地区の成功の最も重要な基盤だ」と陳氏は強調した。

現地の経済原動力が不足している事態を前にして、香港地区は従来から優位性を備えている産業を強化し、向上させると同時に、新しい経済成長源も作り上げなければならない。現在、「一帯一路」(the Belt and Road)と粤港澳大湾区(広州仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)との連携は、香港地区が中国の発展の大局とさらに融合するための重要なチャンスとなっている。

「一帯一路」建設は中国を質の高い発展へと導くための重要なエンジンだ。特区政府は過去数年にわたり積極的に「一帯一路」建設に参加してきた。陳氏は、「香港地区の極めて国際化され、ハイレベルでフレキシブルな専門サービスは、『一帯一路』プロジェクトに多元的で高基準の支援サービスを提供することができる」と指摘した。

広州・深セン・香港地区を結ぶ広深港高速鉄道の香港区間と香港地区・珠江・澳門(マカオ)地区を結ぶ港珠澳大橋が相次いで開通するのにともない、大湾区の「1時間生活圏」も現実になりつつある。陳氏は、「香港地区と大湾区の間の交通網は四方八方に通じており、人の流れ、物流、資金流であれ、情報の流れであれ、いずれも自由な流通が容易で、大湾区内住民の行き来や生活、経済発展をさらに促進するに違いない」との見方を示した。

陳氏は、「香港地区には豊かな科学研究基盤と国際化されたビジネス環境があり、深セン、東莞、恵州などの都市には先進的な製造業がある。大湾区内の各都市はそれぞれ異なる分野での発展、協調的発展を遂げることで、比較的整った産業チェーンが出来上がっており、経済発展のパイを共に大きくしていくことができる」と見ている。

陳氏は、「中国が全面的開放という新たな構造の形成を推進している背景下で、香港地区は絶えずモデル転換を行うことで、依然として長所を発揮し、中国の必要とするところに奉仕し、それによって自身の長期的発展を遂げることができる。この点は、香港地区が中国の発展の大局に溶け込み、今後もウィンウィンの関係を築いていく上でもキーとなる要素だ」と信じている。

〇土地家屋問題について

「引き続き新政策を実施し、土地供給を増やす」

香港社会の深層の矛盾を解決し、民生を改善するためには、非難の的となっている住宅問題を避けることはできない。「土地家屋は香港社会の最も深刻な問題であり、最大の民生問題でもある」と陳氏は率直に認めた。

香港地区の不動産価格は高止まりしているが、その原因の一つは土地供給の不足が挙げられる。陳氏は、「これまで特区政府は『土地回収条例』で土地回収を行った。今後5年間で、多くの土地接収プロジェクトが相次いで展開される予定で、接収される土地は700ヘクタール以上になる見通しだ。特区政府はさらに、一部の農地についても公共住宅建設に用いることが可能かどうかを積極的に視察する予定だ。このほか、住宅面でも特区政府は引き続き努力し、住宅建設量をさらに増やしていきたい」とした。

近年、香港特区政府は多くの手段を講じて不動産投機を抑制し、土地供給を増やし、土地家屋問題に積極的に対応している。9月13日、香港特区「空き家税」条例草案が特区政府の公式刊行物である特区政府憲報に掲載された。これをもって、香港特区の林鄭月娥行政長官が昨年6月に発表した6項目の家屋政策新措置が全て実施されたことになる。

陳氏は、「香港特区の林鄭月娥行政長官がまもなく発表する新たな施政報告では、土地と住宅が依然として最重要事項となっている」と明かした。

〇香港地区の発展について

「特区政府はよりいっそう『住民本位』に」

昨年から、世界経済成長の減速と中米経済貿易摩擦の影響を受け、香港地区は輸出面で一定の影響を受けている。そしてこの数カ月続いている暴力事件は、香港地区の正常な社会秩序を深刻に妨げ、外国企業は香港地区に対し二の足を踏み、香港地区を訪れる観光客は著しく減少し、香港地区の住民の消費意向が低下し、店舗や飲食店の経営は惨憺たる状況に陥っている。

香港特区政府の最新データによると、香港地区の今年上半期の各経済指標は、一部の業界を除きほぼ全面的に低下した。一連の社会的な事件によって、香港地区のビジネス環境は深刻な打撃を受け、企業と投資家の投資に対する自信に大きな影響を与えた。人が少なくなり、消費が少なくなり、収入も少なくなった。ある旅行ガイドは1カ月間仕事がなく、ホテルのスタッフは無給で休暇を取ることを余儀なくされている。観光や小売り、飲食など多くの「台風の目」にある業界では、身を切る痛みを味わっている。

特区財政司司長として、陳氏は憂慮を隠すことができない。陳氏は、「香港地区の第2四半期のGDPは四半期比で0.4%のマイナス成長となった。第3四半期もマイナス成長となれば、香港経済はテクニカル・リセッションに陥ってしまうだろう」と指摘している。

今年8月以来、香港特区政府は一連の「企業を支え、雇用を保ち、住民の困難を緩和する」措置を講じている。陳氏は、「中小企業は香港企業総数の98%を占め、雇用している労働力は香港地区全体の労働人口の45%に上り、香港経済の支柱となっている。こうした措置は、主に中小企業と市民が難関を乗り越えるのをサポートするためのものだ」と述べた。

現在、香港特区行政長官と特区政府は、対話の場を設けて社会各界の人々と交流を行っている。陳氏は、「対話を通じて、民衆に特区政府が謙虚でオープンな態度で意見を聴いていることを理解してほしい。その一方で、社会民生問題をさらに理解し、把握し、整理して、今後一歩一歩解決していきたい」と述べた。(編集AK)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携