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<直言!日本と世界の未来>中国人民解放軍と自衛隊の交流に感慨=東アジアの平和に貢献―立石信雄オムロン元会長

配信日時:2019年10月6日(日) 5時20分
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今年9月に来日した中国人民解放軍佐官級訪日団24人を自衛隊中堅幹部30人が歓迎、交流したというニュースに、心温まる思いを抱いた。防衛当局者同士の歓談の輪が広がったという。東アジアの安定と平和へ寄与することを願ってやまない。写真は同交流会(9月19日)。
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今年9月に来日した中国人民解放軍佐官級訪日団24人を東京都内で自衛隊の中堅幹部30人が歓迎、交流したというニュースに、心温まる思いを抱いた。制服姿で約2時間にわたって、防衛当局者同士の歓談の輪が広がったという。

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米国、中国の軍事増強が際立ち、日本の防衛予算も増え続けている。世界各国での軍拡の風潮を苦々しく思っていただけに、ホッとする出来事だった。東アジアの安定と平和へ寄与することを願ってやまない。

残念なことにこのイベントは新聞・テレビであまり報じられなかったが、レコードチャイナがニュースとして取り上げていた。

それによると、主催した笹川平和財団の田中伸男会長は「日中佐官級交流事業は両国の防衛当局関係者に相互理解の場を提供するだけでなく、日中両国民の相互信頼を深める助けにもなる。今世界各地で対立や摩擦などがあり、大変心配しているが、このような交流は信頼醸成と安定に寄与すると確信する」と歓迎の挨拶を述べた。

中国人民解放軍佐官級訪日団の団長を務めた宋延超・少将(中央軍事委員会国際軍事協力弁公室副主任)は「今年は中日両国にとって重要な年。今年は新中国成立70周年であり、日本は『令和』時代がスタートし、両国関係は新たな安定と発展向けさらなる進化を遂げている。代表団の今回の訪日が相互理解を増進し、双方の友情と協力を促進することを希望する。防衛当局幹部の相互交流は中日友好の重要な懸け橋となり、両国関係発展の貴重な財産となるでしょう」と答礼の挨拶をした。

孔鉉佑駐日大使は「現在、中日両国と中日関係は新たな歴史的出発点に立っている。両国の指導者はすでに新しい時代の要請にふさわしい中日関係の構築について重要な認識を共有した。この共通認識を実行に移し、新しい時代にふさわしい安全保障関係を構築するためには、双方が絶えず新たな知恵捧げ、協力することが必要だ。防衛交流を含む中日関係が常に正しい軌道に沿って安定的に発展し、世界の平和維持、共同発展の促進に重要な役割を発揮するよう望みたい」と挨拶。「このような防衛当局者の定期的な交流は強固なプラットフォームとなる」と期待したという。

高橋憲一・防衛省事務次官は「この種の防衛当局者交流は地域の安定と平和に大きく寄与する。今年4月には海上自衛隊の艦船が上海港に寄港するなど、交流が活発化していることを歓迎したい」と述べた。

今回の訪問事業は両国の防衛交流の一環で、年に一回相互に訪問。2001年の開始以来、すでに日本自衛隊幹部152人と中国人民解放軍幹部228人が参加した。2012年2月以降中断していたが、昨年4月に再開した。

人民解放軍訪日団は、9月17日に来日し、国会を見学。防衛省と防衛研究所、航空自衛隊入間基地など陸上自衛隊と海上自衛隊の基地を視察したほか、偕楽園や彦根城、琵琶湖、京都を訪れ、日本の文化についても研修したという。

以前、自衛隊や人民解放軍の中堅幹部と懇談する機会があったが、彼らは異口同音、「世界で一番戦争したくないのはわれわれ左官級です。なぜなら部下を戦場に送って死傷させたくないからです」と語っていたが、本音であろう。

軍事予算を取るために「仮想敵」をつくって戦意を煽る政治家が世界中に多いのは残念なことである。特に米国は産軍複合体の力が強く、ベトナム戦争、イラク戦争、アフガン派兵など次々に開戦してきた。少し前は北朝鮮、今はイランをターゲットにしていると言われる。中国も10月1日の建国70周年記念軍事パレードでの大型戦略兵器の誇示は見ていて不愉快だった。戦争の犠牲になるのは前線に送り込まれる兵士と銃後の国民であることは論を待たない。

<直言篇100>

■筆者プロフィール:立石信雄
1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。SAM「The Taylor Key Award」受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。エッセイスト。

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