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配信サービスの時代に日本のCD文化はなぜ廃れないのか―中国メディア

配信日時:2019年10月6日(日) 19時10分
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9月30日、中国の音楽メディア・音楽周報は、音楽配信サービスが普及する日本で音楽CDの人気が依然として衰えない理由について紹介する記事を掲載した。写真は日本のCDショップの店内。

中国の音楽メディア・音楽周報は9月30日、音楽配信サービスが普及する日本で音楽CDの人気が依然として衰えない理由について紹介する記事を掲載した。

記事はまず、日本レコード協会が発表した「日本のレコード産業2019」のデータを基に、「日本では昨年のオーディオレコードの総生産金額が1576億円に上った。音楽配信の金額(645億円)の3倍にあたる」と紹介。さらに、世界でも日本の音楽市場規模は米国に次ぐ第2位とされていることを指摘した上で、「オーディオレコードが音楽配信よりも大きな売り上げを出しているということが、その隠れた原因だろう」と論じた。

記事は、本国では運営会社が2006年に経営破綻した米国のCDショップチェーン・タワーレコード(TOWER RECORDS)が、日本では現在でも80店舗ほど営業していることを紹介。「日本のCD文化が時代の流れに逆らって繁栄している理由」として、日本の音楽産業の四つの特徴を紹介した。

一つ目の特徴は「CDのレンタルサービスが盛ん」なこと。記事は、「日本では1980年代にCDのレンタルサービスが大学生の間で流行した。定価の10%程度の値段でCDを貸し出し、消費者に少なからぬ恩恵をもたらしたレンタル店だが、一方でそれは音楽業界にとって大きな打撃となった。しかし、その競争が日本の音楽産業をより強大なものにした。最近ではレンタルサービス業の収益は徐々に減少しているが、それでも日本には依然として2000店ほどのレンタル店が存在し、音楽を広める場所となっている」と説明した。

二つ目の特徴は「法律により安定したCD販売が守られている」こと。記事は、「1953年から適用された再販売価格維持制度により、日本ではレコード会社や流通業者、小売業者の間で非常に安定した価格構造が構築されており、海外企業の参入が難しい。同時に著作権の扱いも厳しく、一部のレコード会社はApple MusicやGoogle Play Musicといった音楽プラットフォームとの提携を制限している」と指摘した。

三つ目の特徴は「アイドル文化が定着している」こと。記事は、「日本ではDVDやブルーレイディスクといった音楽ビデオが一定の売り上げを維持しているが、その内容は主にアーティストのライブ映像。アーティストはライブツアーの映像収益にも依存しているため、その内容を動画サイトにアップロードすることも少なければ、ファンの間で海賊版が出回ることも少ない。レコード会社もこのアイドル文化を活かして、CDにコンサートや握手会の参加券といった特典を付けるなどの販促を行っている」と紹介した。

最後に、アイドル文化以上に重要な四つ目の理由として「高齢化が進んでいること」を挙げた。「日本では嵐や福山雅治など、芸能活動歴の長いアーティストが高い人気を誇っている。彼らのファンは歳を取るにつれて消費能力を高め、CDを買い続ける形でアーティストを応援する。高齢化の問題が特に深刻な日本では、CDを購入する習慣のある層が最も高い消費能力を持つ層と重なっているのだ」と論じた。

記事は一方で、「デジタルの時代においてCDはやはり失速している」とも指摘。日本レコード協会が「昨年の音楽配信の規模は前年から13%拡大し、5年連続で伸長中」と発表していることを紹介した上で、「再生が簡単で比較的安価な音楽配信サービスは、日本の若い消費者にはすでに主流となっている」と述べた。

そして、「即急に突破口を見つけなければならない状況で、日本は海外展開を積極的に進め始めた」と指摘。「かつて韓国が世界にチャンスを見出したとき、日本は国内市場に焦点を当てることを選んだ。しかし今では、日本はJ-POPやJ-ROCK、Cool Japanといった文化を世界に向けてアピールしている」とした。

さらに、「世界最大の音楽市場を抱える米国も、長年にわたる音楽産業の停滞と伝統的な販売スタイルの崩落を経験したが、2016年にはデジタル時代への対応に成功して回復を遂げた。それは同時に、米国が新たな音楽やスタイルを世界に輸出し続けた結果でもある」と説明。「これは日本や中国の音楽産業にとっても一つのヒントとなるだろう。デジタル革命を完全に受け入れつつ、アーティストの創造力や文化を外に向けて発信していくことが不可欠なのだ」と結んだ。(翻訳・編集/岩谷)

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