ワインブームでぶどう園の開発進む、パンダなど希少種の生息地が急減―中国

Record China    2013年7月30日(火) 17時46分

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26日、中国ではワインブームに伴い、ジャイアントパンダやキンシコウの生息地であるチベット高原がぶどう園として開発され、動物たちの生存を脅かしている。

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2013年7月26日、英紙・ガーディアンによると、中国ではワインブームに伴い、ジャイアントパンダやキンシコウの生息地であるチベット高原がぶどう園として開発され、動物たちの生存を脅かしている。29日付で環球時報が伝えた。

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チベット高原の気候がぶどうの栽培に適していることが明らかになってから、現地の四川省アバ・チベット族チャン族自治州小金県政府は、過去10年以上にわたって開発を進めてきた。同県には約1000ヘクタールのぶどう園があるが、20年には6700ヘクタールまで増加させ、将来的には同県を「中国のボルドー」と呼ばれるまでに発展させたいと計画している。

しかし、環境保護活動家はこの計画に懸念を示している。雑誌「サイエンス」によると、現地の開発によって、ジャイアントパンダやレッサーパンダ、キンシコウなどの希少種や絶滅危惧種に指定されている動物の生息地が急速に狭まってきている。

現地政府は農民に対し、土地を外来企業に貸し出すことを認めており、パンダの生息地面積の約15%に相当する約35万ヘクタールの山林がすでに伐採されている。関係者は「パンダはまだ開発の及んでいない山の高い場所に追いやられてしまっている」と語った。

一方、農民にとっても、ぶどう園としての開発は想像していたほど甘くないのが現実のようだ。同県の農民は以前はとうもろこしなどを栽培して生計を立ててきたが、現在はぶどうを栽培したり、土地をワインメーカーに貸し出すことによって主な収入を得ている。

12年前にりんご畑をぶどう畑に変えた呉(ウー)さんは「もっと多くの収入を期待していたが、実際はそうでもない。去年のぶどう畑の収入は2万元(約32万円)しかなく、もしりんごを栽培していたら2倍くらいの収入にはなっていたはずだ」とぼやいた。

政府の介入によって、農民たちはワインメーカーによるぶどう買入価格の値上げに成功した。しかし、呉さんはワイン関連産業の導入によって本当にメリットを受けているのは農民ではないとし、「最大のメリットを享受しているのはメーカーで、その次はワイン販売によって利益を得ている地方高官たちだ」と話している。(翻訳・編集/HA)

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