10年後に6G登場、速度は5Gの100倍で全エリアをカバー―中国メディア

人民網日本語版    
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ファーウェイの任正非氏は、「華為の6Gの研究は世界をリードしているが、6G携帯電話を市場に投入し使用するようになるのは10年後になる見込みだ」と述べたという。写真はロンドンのファーウェイ広告。

華為(ファーウェイ)内部の社員コミュニティープラットフォーム「心声社区」にこのほど、同社の創業者の任正非(レン・ジョンフェイ)氏が今月上旬に英紙エコノミストのインタビューに答えた内容の概要が掲載された。それによると、任氏は、「華為の6Gの研究は世界をリードしているが、6G携帯電話を市場に投入し使用するようになるのは10年後になる見込みだ」と述べたという。

5Gとは異なり、6Gでは空中、宇宙、地上、海中の一体化通信を実現したネットワークを構築することになる。6Gの周波数は5Gのミリ波帯から発展してテラヘルツ波帯(超高周波数帯)になり、データ伝送速度が5Gの100倍に、遅延がわずかサブミリ秒レベルに達するものと期待される。ユーザーの個性に合わせたサービス、モノのインターネット(IoT)、インダストリアルインターネット、自動運転、スマート工場などの分野で、6Gは幅広い応用の可能性を秘める。

■6G信号は従来通信の「非カバーエリア」もすべてカバー

南京航空航天大学電子情報工程学院の呉啓暉(ウー・チーフイ)常務副院長は、「6G時代には、もしかしたら飛行機の上でもネットワークに接続できて、運航の安全性には影響しないということになるかもしれない。登山家が登山中に危険に遭遇しても、リアルタイムで位置情報と救助信号を発信できるようになり、遅延がなくなるかもしれない。海上を航海している時に、船上の乗組員たちは陸地との交信が途絶える心配がなくなり、6Gによってリアルタイム通信が保証される」と述べて、衛星、航空プラットフォーム、艦船に設置された空と宇宙と地と海をつなぐ通信ネットワークを描き出した。こうしたネットワークを支えるコア技術が6Gだ。

6Gネットワークでは、地上通信、衛星通信、海上通信を一体化したすべてがつながる通信の世界を構築することを目指す。砂漠、人が住んでいないエリア、海洋など、これまでのモバイル通信ではカバーされなかったエリアにも信号が行き渡ることが期待される。

呉氏は、「6Gネットワークの速度は5Gの100倍で、ほぼテラバイト(TB)毎秒に達する。映画を一本ダウンロードするのに1秒もかからず、自動運転やドローンの操作が非常に円滑になって、ユーザーは遅延をほとんど感じなくなる。今は低域・中域の無線周波数資源が非常に不足しており、高速伝送の6Gネットワークを発展させるには十分な周波数資源によるバックアップが必要だ。これはつまり、6G通信は高域の周波数資源の開拓を進め、5G時代のミリ波(波長が1-10ミリメートルの電波)帯からテラヘルツ波(波長が30-3000ミリメートルの電波)帯へ発展していくということだ」と述べた。

6Gがもたらす通信の変革は、ネットワークの速度に体現されるだけでなく、ユーザーの双方向体験が大幅に向上し、単位時間あたりの情報の伝達容量がより大きくなり、伝送の遅延がより短縮されることにも体現される。

中国電子学会通信分科会の代表委員を務める南京郵電大学モノのインターネット学院の朱洪波(ジュウ・ホンボー)院長によると、「1Gから4Gへと至る時代には、通信技術はまだ消費型の応用だった。5G以降は産業型の応用へと進み、たとえばインダストリアルインターネットやスマート交通などに応用されるようになる」という。

朱氏は続けて、「現在の学術界には6Gの定義についてさまざまな見方があり、5Gは主にインダストリー4.0のための前期のインフラを整備し、6Gの具体的な応用の方向は今はまだ模索している段階だ。専門家の中には、将来は6Gが宇宙通信、スマートインタラクティブ、ハプティックインターネット(触覚インターネット)、感情と触覚の交流、複数の感覚器官の混合現実(MR)、ロボット間の協同、全自動交通システムなどのシーンに応用されるとみる人もいる」と述べた。

1G時代から5G時代まで、基地局は「交通ターミナル」のようなものであり、ユーザーと移動体通信事業者との間に情報交換の「橋」をかけた。しかし6G時代には、「橋」の建設は非常に大きな挑戦に直面することになる。

合肥工業大学副学長の李建東(リー・ジエンドン)教授は、「未来には、基地局の建設は空や宇宙、海洋に向かうことになり、空中の伝送距離が長くなり、水中を伝送される信号は減衰が大きくなり、ドローンと海上の艦船との通信もまた動態的なものになる。こうしたことに対し、協同で計画を練り対応することが必要だ」と指摘した。

現在、中国には4G基地局が600万カ所以上あり、5G基地局はこの10倍以上になる見込みで、6G基地局に至ってはさらに高い密度で建設されることが予想される。現在、地上の基地局は建築物の最上部に設置されたものが多いが、6Gネットワークでは地上の基地局とドローン、衛星との通信を実現する必要があるため、基地局は地上に向けてだけでなく、空や宇宙にも信号を伝送しなければならない。

■チップ技術とアルゴリズムには改善が必要

インダストリアルインターネット、自動運転、遠隔医療といった応用シーンの登場、ユーザーやスマートデバイスの増加により、限られた周波数帯域でますます増えるターミナルに対応しなければならなくなり、周波数帯域の利用効率向上が6G技術開発者の真っ先に解決しなければならない問題になった。呉氏によれば、「周波数帯域の利用効率を向上させるには、チップ技術と高周波回路の技術の発展に依拠することが必要だ」という。

一方で、別の専門家は、「テラヘルツチップの放熱問題も早急な解決が待たれる。現在、チップがますます小さくなり、伝送効率が向上して、チップが『熱く』なりやすいため、微小な放熱の技術も早急に向上させる必要がある」と指摘した。

また伝送データ量が拡大し、低遅延で高信頼の伝送を実現しようとすれば、6Gネットワークシステムのさらなるスマート化が必要になる。呉氏は、「現在、自分のチームが6Gネットワークのインテリジェント情報処理のアルゴリズムを研究しており、これにはスマートクラウドコンピューティング、エッジコンピューティング、端末のスマート応用、また各レベルのインテリジェントアルゴリズムをどのように協同させるかなどが含まれる」と説明した。

3Gから4Gへ、そして5Gへ。通信技術の世代交代にはそれぞれ約10年間の発展周期が必要だった。多くの専門家は取材に対し、「6Gが本当に『普通の人々に浸透する』には、少なくとも10年ほどの時間がかかる」との見方を示した。

南京航空航天大学電子情報工程学院の張小飛(ジャン・シャオフェイ)教授は、「現在、中国内外で6Gの研究は始まったばかりだが、関連する国際技術標準の確立を急がなければならない。これには6Gの周波数、ネットワークの枠組、多元接続、ワイヤレス電力伝送、スマート化など各方面の技術が含まれる」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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