日本が消費税率を再引き上げ、「アベノミクス」は失敗か―中国メディア

人民網日本語版    2019年9月29日(日) 22時20分

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日本政府は社会保障システムの安定した財源を確保するため、10月1日に現行8%の消費税率を10%に引き上げる。

日本では2014年と今年の2回にわたり実施される増税は、「アベノミクス」が実質的な成功を収めていないことを映し出している。(文:陳洋・若手日本問題専門家)

日本メディアの報道によると、日本政府は社会保障システムの安定した財源を確保するため、10月1日に現行8%の消費税率を10%に引き上げる。1989年の消費税導入時の税率3%から、今回で3回目の引き上げになる。

2012年の第2次安倍内閣発足後、2回目の消費税率引き上げになる。14年に5%から8%へ、そして今また8%から10%に引き上げられる。つまり、安倍政権の数年間で日本の消費税率は2倍になったということだ。日本国民が一般的に経済が好転したと感じていない中、消費税率は逆に2回にわたり引き上げられることになる。

財務省の統計データによると、消費税率が8%から10%に引き上げられれば、日本政府の財政収入は毎年約3800億円増えることになる。日本政府はこの増収分の主な使途を国債の償還、社会保障システムの充実、教育無償化の3方面としている。ここから、今回の増税には評価すべき点があることがわかる。しかし日本の経済成長が予想を下回る目下の状況の中、増税と最終的利用方法は「東の壁を壊して西の壁を補修する」ような一時しのぎに過ぎず、最終的につけを払うのは日本国民だ。

実際、安倍政権の増税措置を日本国民は受け入れていない。東京新聞が6月に行った世論調査では、回答者の59.7%が「増税に反対」と答えており、世論の風向きがうかがえる。14年の増税も今回の増税も、「アベノミクス」が実質的な成功を収めていないという問題を本質的に映し出している。

12年末、安倍晋三氏は再び首相に就任すると、「大胆な金融政策」、「機動的な財政政策」、「民間投資を喚起する成長戦略」を3本の矢とした「アベノミクス」を打ち出した。その狙いは、インフレ期待を高め、日本国民に買い物をするよう促し、日本国内に消費と投資をもたらし、ひいては経済の復興と発展を推進することにあった。このため日本銀行(中央銀行)は13年に2%のインフレ目標を設定したが、いまだに達成されていない。

「アベノミクス」が実施された当初は、確かに一定の効果を上げた。円安、企業利益の増加、株の値上がりにより、日本経済は先のグローバル金融危機によって被った打撃からある程度抜け出すことができた。しかしこの過程で、企業の利益と株価は上昇したが、国民の賃金には転化されなかったため、消費喚起の役割は果たせなかった。国民の消費がなければ、日本政府が消費と関連分野から得られる税収は限られたものになる。

これと同時に、「アベノミクス」の限界効用が減少を続け、政策のメリットが縮小した。一方で、日銀の金融政策は基本的に限界に達しており、マイナス金利を採用しても、国民の消費を喚起することはできていない。また一方で、民間投資を喚起する一連の経済成長戦略には一定の時間がかかるものが多く、その実施過程では既得権益を打破しなければならず、決して容易ではない。

そのため、「アベノミクス」が短期間で日本経済を活性化して発展させることはできても、これを持続することは難しい。このように税収には限界があり、支出が増大し続ける状況の中、増税によって前借りして食いつなぐしかない。

安倍晋三首相は12年に再任されてから現在まで、外交や内政で成果を上げようと意欲満々で、とりわけ憲法を改正して日本の歴史に名を残したいと強く願ってきた。だが現在の状況から考えて、改憲は難しく、2回の消費税率引き上げが任期中の最大のレガシーになるかもしれない。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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