安倍首相が掲げる経済目標は「おとぎ話」=長期的な問題の解決は困難―中国メディア

Record China    2013年7月26日(金) 23時20分

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25日、日本では安倍晋三首相が率いる自由民主党と公明党とからなる与党連合が、このたびの参議院議員選挙で多数の議席を獲得した。このことは、日本の政界で「ねじれ国会」の時代が幕を閉じたことを意味する。資料写真。

2013年7月25日、日本では安倍晋三首相が率いる自由民主党と公明党とからなる与党連合が、このたびの参議院議員選挙で多数の議席を獲得した。このことは、日本の政界で「ねじれ国会」の時代が幕を閉じたことを意味する。安倍首相はこれから長期政権を実現したいとしており、カギを握るのはなんといっても経済の再生だ。

周知のように、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の1本目の矢と2本目の矢は財政政策と金融政策であり、すでに短期的な効果を上げている。だがその効果が薄らぎ、消費税が引き上げられれば、2014年の第2四半期(4-6月)前後に日本経済は大幅にペースを落とし、2015年の経済情勢は楽観できないものとなる。

経済復興の勢いを保つため、安倍首相が取り組む経済分野の最初の任務は、民間投資を喚起する成長戦略という3本目の矢を放つことだ。だがこの矢の内容はひどく散漫で、具体的な措置は250項目に及び、ポイントが絞られておらず、効果を上げるのは難しいとみられる。日本経済に存在する数多くの長期的で構造的な問題を解決すること、たとえば人口高齢化の問題といった安倍首相が今直面する手強い問題を解決できるかどうかはわからない。

第一に、消費財引き上げを予定通りに行えるかどうかが、安倍首相の直面する第一の難問だ。参院選前、安倍首相は計画に基づき2014年4月に消費税率を現行の5%から8%に引き上げ、財政を再建するとはっきり約束した。だが選挙が終わると、第2四半期の経済成長データを踏まえて最終的に判断するとトーンを変えた。予定通りに消費税が引き上げられれば、個人消費が冷え込み、経済再生が途中で挫折するリスクがある。予定通りに消費税が引き上げられなければ、政府への信頼と日本市場への信頼が地に落ち、壊滅的な結果を招く可能性がある。

第二に、今後2年でインフレ率2%の目標を達成するのが困難なだけではなく、安倍首相の長期的な成長戦略でうち出したたくさんの具体的な目標も実現は困難とみられる。たとえば、3年後に設備投資を現在の63兆円から国際金融危機発生前の70兆円に引き上げるとしているが、実際のところは、日本企業は資金不足なのではなく、問題は日本国内に優良な投資プロジェクトがないことなのだ。また安倍首相が最も多く言及する財政赤字の削減は、15年度までに基礎的財政赤字のGDP(国内総生産)に対する割合を2010年度の半分にし、20年度までに黒字への転換を達成することを目指しているが、いまだに具体的な措置は何も取られていない。

注意しなくてはならないのは、こうした目標を達成するための前提条件は、20年までにGDP成長率を実質で2%、名目で3%に引き上げることだ。過去20年間の成長率は平均で1%に満たず、名目値はさらに低かった。今後しばらくの間、世界経済の下ぶれ情勢を変えることは難しく、日本国内の賃金上昇や消費の喚起も難しく、2%や3%の成長の実現は難しいとみられる。高度成長という前提はあり得ない以上、安倍首相が掲げる目標は「アラビアンナイト」のようなおとぎ話だといえる。目標が泡と消えれば、日本の長期債務はどんどん積み上がり、日本は崖っぷちに追いやられることになる。すると当然だが、次のような可能性もある。物価が上昇し、国民の所得では追いつかなくなり、国民生活が新たな苦境に陥り、国民からは不満の声が上がるという可能性であり、すでにその兆しがみえている。またエネルギー戦略を調整し、原子力発電所を再稼働すれば、反原発勢力の強い反対にあう。日本はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉に正式に参加したが、順調な航海を続けていくことは難しい。

参院選に勝利した安倍政権は薄氷を踏むような状態にある。どの問題であれ処理を誤れば、「安倍丸」はたちまち転覆することになる。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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