中国が食糧問題を自ら解決しなければならない理由は?―中国メディア

人民網日本語版    2019年9月29日(日) 7時30分

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中国の穀物自給率は95%を超え、一人あたり食料の自給率は100%に達し、一人あたり供給純食料は480キログラムに達して世界平均を37%上回っている。

「民は食をもって天となす」。中国のこのことわざから、「食文化」の深い意義、重要な意義がうかがわれる。「14億人近い人々の食糧問題を誰が解決するのか」は、一国だけの問題ではなく、世界にも影響を及ぼす重要な課題だ。

人口大国で、農業大国でもある中国は、ここ数年、全国の食料の作付面積は1億1333万ヘクタール以上で常に安定し、単位作付面積あたりの生産高は増加を続け、食料の生産高は6000億キログラム以上をずっと保っている。現在、中国の穀物自給率は95%を超え、一人あたり食料の自給率は100%に達し、一人あたり供給純食料は480キログラムに達して世界平均を37%上回っている。

中国では、13万2000平方キロメートルの、福建省の面積にほぼ匹敵する土地が開墾されて果樹園・果物畑になり、2018年だけで果物2億5000万トンを生産し、世界の総生産量の31.4%を占めた。中国人の食生活に占める果物の量は、新中国成立初期の一人あたり平均3キログラムから、今では平均184キログラムに増加した。

食事の水準が改善して、中国人の体格の発育状況と栄養状態が目に見えて改善し、国民の生活幸福感指数も上昇を続けている。

調査によると、1975年から15年の間に、中国の児童は身長指数も体重指数も急上昇を続けた。最も代表的な5-5歳半の年齢の児童をみると、男児の身長は8.0センチメートル、女児の身長は8.2センチメートル、それぞれ伸びた。中国人の平均寿命は49年は35歳だったのが、今では77歳と2倍以上延びた。

食料は目に見えない国防ラインだ。1970年代に米国キッシンジャー元国務長官は、「石油を支配する者は、全ての国家を支配する。食料を支配する者は、全人類を支配する」と指摘した。

中国は20年の食料需要は7000億キログラムに達すると予想する。これほど多くの食糧需要を満たすことにどれほどのプレッシャーがかかるかは、容易に想像できる。

78年に安徽省の小崗村で始まった「生産請負制」が眠っていた大地のパワーを呼び覚まし、中国の食料生産に新しい活力を注入した。改革開放がスタートし、農村の状況に合致した一連の方針・政策が打ち出され、農村経済と食料生産は根本的に変化し、78-84年に生産量は3047.5キログラムから4073キログラムに増加し、6年間の年平均増加率は5.1%だった。また、04年以降は12年連続で食料生産量が増加した。

食料という目に見えない国防ラインを保障するために、中国は第13次五カ年計画(十三五)の中で、「最も厳格な耕地保護制度を堅持し、耕地のレッドラインを堅守し、食料を土地において収穫し、技術に基づいて収穫する戦略を実施し、食料の生産能力を引き上げ、穀物のほぼ自給自足、食料の絶対的な安全を確保する」ことを打ち出した。食料を土地において収穫することが、1億2000ヘクタールの耕地を厳守するためのレッドラインだ。

新しい時代に入り、世界の人口の5分の1以上がお腹いっぱいおいしく食べられるようになったと同時に、中国は世界の食料の安全保障と農業の持続可能な発展に中国プランで寄与するようになった。

19年6月23日にイタリア・ローマで開催された国際連合食糧農業機関(FAO)第41回総会で、中国農業農村部の屈冬玉(チュー・ドンユー)副部長が多くの票を集めて新事務局長に選出され、FAO初の中国人の事務局長になった。

世界の食料の年間貿易量は4000億キログラム前後で、中国の消費量の3分の2を占めるに過ぎない。中国が自分たちの食糧問題をしっかり解決できなければ、他国の人々の一人あたり食料を圧迫することになる。

74年に行われた第1回世界食糧会議で、各国の代表と専門家は「中国は絶対に10億人の人口を養うことはできない」として深い憂慮を示したが、84年のFAO総会で、中国政府は「中国は『温飽』(衣食など最低限の生活の保障)の問題をほぼ解決した」と世界に向けて宣言した。

08年に世界で食糧危機が起こったが、中国は耕地のレッドラインと食料自給率をしっかりと守り抜き、食料供給の安定を維持し、FAOにより14年には国連のミレニアム開発目標における飢餓の撲滅の目標を達成し、15年には世界食糧サミットにおける飢餓の撲滅の目標を達成したと評価された。

「自分には2つの夢がある。1つは稲の下で涼んでみたいという夢で、夢の中の稲はコーリャンのように背が高く育っている。もう1つはハイブリッド米が世界中に広がるという夢だ」。「ハイブリッド米の父」と呼ばれる90歳の袁隆平(ユエン・ロンピン)氏は、これまでに公開の場で何度もこの2つの夢を語ってきた。

中国のハイブリッド米は79年に初めて海外に進出し、世界数十カ国・地域で研究と普及が進められた。今では海外の栽培面積は700万ヘクタールを突破し、現地の米生産量より20%以上増産した。FAOはハイブリッド米を発展途上国の食糧不足問題解決のための筆頭技術に挙げている。

中国は約100カ国に農業技術モデルセンターを設立し、農業の専門家を数万人派遣し、農業の機械化、食品加工など多くの分野の先進技術を伝え、各国が食料の技術者を大量に育成するのをサポートしてきた。中国発の農業をめぐる援助と技術支援が、地球の飢餓問題の緩和に役立っている。

事実が証明するように、中国は世界の食糧市場に打撃を与えておらず、発展途上国の食料輸入ニーズに対して競争上の脅威になってもいない。大国としての体制の優位性と模索を続ける科学技術手段により、中国は世界の耕地の7%で世界の人口の約20%を養っており、自分たちの茶碗をしっかりと抱えながら、世界の平和と安定も促進している。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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