安倍首相はなぜ「非常態」を実現できたのか―中国専門家

Record China    2019年11月22日(金) 9時40分

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21日、中国紙・環球時報は、安倍晋三首相がなぜ長期政権を実現できているかについて論じる、上海外国語大学日本研究センター主任・廉徳瑰氏の記事を掲載した。写真は安倍首相。

2019年11月21日、中国紙・環球時報は、安倍晋三首相がなぜ長期政権を実現できているかについて論じる、上海外国語大学日本研究センター主任・廉徳瑰(リエン・ダーグイ)氏の記事を掲載した。

記事は、安倍首相が今月20日で在任日数2887日となり、憲政史上最長となったことを紹介。来年8月には佐藤栄作氏の連続在任記録も上回ることになると伝えた。しかし、日本の政治文化からすると、「集団主義と順番でトップになる」ことが権力の常態であり、安倍首相の長期政権は「非常態」であると指摘。長期政権となっている理由について分析した。

その1つが「国民が安定政権を望んでいること」。日本人は特定の人物が長く権力を握ることを好まないものの、頻繁に首相が代わることで政治が不安定になることに不満を持っていたと分析した。例えば、06年から12年までの間に6人が首相を務め、政治や外交面での連続性が失われ日本のイメージが悪化したと指摘している。

2つ目は「自民党内で人材が欠けていること」。自民党内の首相経験者はすでに高齢で、安倍首相に対抗できることはできず、党内の7大派閥を見ても、首相候補が見当たらないという。河野太郎防衛相はまだ経験不足で、石破茂氏は安倍首相に対抗する意思を見せているものの、かつて自民党を離党した「汚点」のため、党内での支持を得るのが難しいと分析した。また、安倍首相は「権力分配」の面で均衡を保ち、各派閥に大臣職を割り当てているため、挙党体制を維持できているとしている。

3つ目は「野党が団結していないこと」。09年に民主党が政権を取ったものの、内政と外交政策に失敗して12年に再び自民党に敗れてから、「野党は分裂状態が続いている」と指摘。現在は立憲民主党が最大野党だが、その議席数に言及し、とても自民党には対抗できないと論じた。

4つ目は「経済政策での成功」。長期政権によって安倍首相の経済政策は効果を出していると記事は分析。各界の評価が分かれているとはいえ、アベノミクスにより日本経済は1.5%の成長を遂げ、ある程度の成果を出していると指摘した。

しかし記事は、長期政権による潜在的な危険も表面化していると分析。多くのスキャンダルが明らかになっており、最近も2人の閣僚が辞任していることや、「桜を見る会」に関する問題があると指摘し、「この先、この問題がどう発展していくかによって安倍内閣の政治生命が決まるだろう」と結んだ。(翻訳・編集/山中)

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