J-20戦闘機は、1回の飛行にどれだけ費用がかかるのか?―中国メディア

Record China    2019年9月24日(火) 21時10分

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中国メディアの捜狐は22日付で、「J-20戦闘機(写真)を1回飛行させるには、いったいどれだけの金銭が必要なのか?」をテーマとする記事を発表した。

軍備を整えるには巨額の費用が必要だ。調達時だけではない。兵器の能力を最大限に発揮するためには絶えず訓練をせねばならないので、費用はさらに膨らむ。中国メディアの捜狐は2019年9月22日付で、「J-20(殲20)戦闘機を1回飛行させるには、いったいどれだけの金銭が必要なのか?」をテーマとする記事を発表した。

記事は、陸軍や海軍を含め戦闘力の優位さを得るためには制空権が欠かせず、制空権の確保に必要な主力戦闘機の価格は上昇しつづけていると紹介。米国のF-22の1機当たり価格は1億5000万ドル(約161億円)で、F-35も1億ドル(約108億円)を突破。中国が開発したJ-20の価格は公開されていないが、1億~1億2000万ドル(約108億~129億円)と推定されているという。

記事はその上で、「新型主力戦闘機は極めて高価であるだけでなく、維持のためのコストも天文学的数字」「いたって普通に見える飛行訓練を1回するのでも、その出費の多さは人々の想像を超えるものだ」と論じた。

記事はJ-20について、増槽なしで搭載できる航空燃料は8000リットルと紹介。巡行速度は時速2200キロメートルで航続距離は6000キロメートルなので、1時間の飛行を行えば、航空燃料をおおむね2860リットル消費するという。記事は、航空燃料の現在の市場価格が1リットル当たり4元(約60円)であることを考えれば、J-20を1時間飛行させれば、1万1000元(約16万7000円)程度の燃料代がかかると分析した。

記事は続けて、J-20の維持のための費用で、大きな部分を占めるのは塗装関連と指摘。ステルス性を維持するためには、飛行のたびに塗装の検査を行わねばならず、塗装に問題が出ていれば、必ず補修せねばならないという。

記事は、ステルス戦闘機の塗装剤は極めて高価で、手のひら大の塗装をしなおすだけで2~3万元(約30万~45万円)の費用が必要と主張。それ以外のメンテナンスもあり、さらに人件費も必要なので、J-20を1回飛行させるたびに5万元(約78万円)程度の維持費が必要で、燃料代と合わせれば、6~7万元(約91万106万円)の費用がかかると見積もった。

記事はさらに、戦闘機の運用コストとして極めて大きな部分を占めるのは減価償却費と紹介。J-20の価格を1億1000万ドル(約118億円)、機体寿命を8000時間、1回当たりの飛行時間を1時間とすれば、飛行1回当たりの減価償却費は9万5000元になるので、維持費、減価償却費、燃料代を合計すれば、J-20は1回飛行させるごとに15万6000元(約236万円)程度の費用がかかると算出した。

記事は結論部分で、見出しの問いかけに対応させる形で、「J-20は1回飛行させるごとに、中程度の自動車価格に匹敵する15万6000元(の札束)を燃やすのと同じ。大金持でもこの答えを知ったら、身代をつぶしてしまうと言うだろう」と表現した。

中国メディアが兵器運用のための費用を論じる記事について発表することは珍しい。巨額の費用がかかることを強調して、新兵器の保有について読者に疑問を持たせかねない論調は、さらに珍しい。(翻訳・編集/如月隼人

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