世界の経済復興牽引を、中国に期待する欧米は身勝手―中国有識者

Record China    2013年7月24日(水) 23時58分

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23日、ロシア・モスクワで開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議はこのほど、会期を終えて閉会した。資料写真。

2013年7月23日、ロシア・モスクワで開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議はこのほど、会期を終えて閉会した。世界経済の伸びが引き続き力を欠く情況に直面して、G20の政策決定者の間では、政府債務の削減という目標から経済成長の喚起という目標への転換が共通認識になった。このため、多くの国が再び中国を成長の「エンジン」とみなし始めている。(文:石建勲(シー・ジエンシュン)本紙特約論説員、同済大学財経研究所所長、同経済・管理学院教授。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

最近、中国の経済成長ペースは鈍化し、少なからぬ欧米諸国が懸念を寄せている。中には、中国が積極的な経済活性化措置を取り、経済のペースアップをはかり、これによって他国の経済復興を牽引するよう提起するところさえある。こうした考え方に対し、財政部(財務省)の楼継偉(ロウ・ジーウェイ)部長は、「自分たちの宿題は自分たちでやってほしい」とコメントする。

年初以来、中国経済も多くの困難や問題に直面するようになった。長期にわたり政府の投資に頼って成長を維持してきたことがもたらす構造的な矛盾、資源や環境をめぐる圧力がますます増大していること。国内でも海外でも需要が減少し、特に一部の先進国ではグリーン障壁、技術障壁、反ダンピング、知的財産権の保護といった非関税障壁措置に基づく新たな保護貿易主義が横行して、中国の輸出が制約を受けていること。一部の先進国の競い合うような通貨安が引き起こしたホットマネーの襲来、人民元の継続的な値上がり、輸入型のインフレなどだ。こうした複雑で困難な国内外の環境の中にあって、今年上半期の中国経済は7.6%の成長率を達成した。これはたやすいことではなく、世界の経済成長に対する貢献は誰にも否定できないものだ。

今後の中国経済の主要な任務は構造調整とモデル転換であり、安定的で健全、持続可能で水増しがなく、国民の生活に恩恵が及ぶ経済の効果的な成長を実現することだ。このためには成長ペースの一部を犠牲にしなくてはならず、一連の経済構造調整と成長モデル転換の痛みを引き受けなくてはならない。中国であれ、世界であれ、こうした痛みに対する冷静な認識と心構えが必要だ。

長く続く痛みは短期的な痛みよりも痛い。一連の成長ペースを一時的に犠牲にすることは、未来の中国経済の持続的で健全な成長にプラスになり、世界と中国のどちらにとっても長期的なプラス要因になるといえる。

どの国も自国の経済成長の問題は自分でしっかり取り組まなければならない。たとえば米国は貯蓄を奨励して財政赤字を減らし、投資と貿易をめぐる差別を解消しなくてはならない。欧州諸国は債務危機からできるだけ早く脱却して、ユーロの安定を維持しなくてはならない。日本は政治的に右傾化した政策を改め、アジアの隣国と友好関係を築かなければ、外需の拡大は望めない。新興経済体国家と多くの発展途上国は内需拡大に努力し、国民の消費ニーズを引き上げ、外部の市場に対する依存度を引き下げなければならない。

世界的規模でみると、すべての国が同じように3つの問題に直面する。1つ目は、新しい経済成長源を探すという問題。2つ目は、経済成長と環境保護とのバランスを見いだすという問題。3つ目は、互恵に基づく協力の成長源を見つけるという問題だ。世界経済が「力強く、持続可能で、バランスの取れた成長」を実現するには、各国がより密接に協力し合うことが必要で、一方的に投資を拡大したり保護貿易主義に走ったりしてはならず、他国に(自国の)経済成長の責任を押しつけてもいけない。通貨安競争を一方的に拡大してはならず、他国に通貨切り上げを求めてもいけない。汚染物資排出削減の義務を引き受けなかったり、少ししか引き受けなかったりしてはならず、その一方で発展途上国に過度の義務を押しつけてもいけない。

協力、互恵、相互利益は未来の経済発展の中心的な基調だ。各国は経済が力強い成長の道を回復することを推進するために果敢な行動を取るべきだが、自国だけが利益を得るというような経済政策・措置を取ってはならない。(提供/人民網日本語版・翻訳/ KS・編集/武藤)

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