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来年1月の台湾総統選、与野党候補の一騎打ちに、鴻海前会長の郭氏出馬断念、最大の焦点は中国との距離感

配信日時:2019年9月21日(土) 10時50分
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来年1月の台湾総統選への出馬を検討していた鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘・前会長は16日、立候補を断念した。これにより、再選を目指す与党・民進党の蔡英文総統と最大野党・国民党の韓国瑜・高雄市長が対決する一騎打ちの構図が固まった。最大の焦点は中国本土との距離感だ。

総統選出馬には政党推薦方式と署名方式がある。政党推薦方式で立候補するには、直近の総統選または立法委員(国会議員)選で当該政党の候補者の得票数合計が有効投票数の5%以上であるのが条件で、これを満たしているのは、民進党、国民党、親民党、時代力量の4政党。署名方式で立候補する場合、11月2日までに28万384人分の署名を集める必要がある。

署名集めの届け出期限前日の16日深夜、郭氏は声明で無所属での出馬断念を表明。「社会に理性的な政策論争に戻ってほしい」と理由を説明し、支持者に「失望させて申し訳ない」と謝罪した。若者らに人気のある柯文哲・台北市長も出馬を見送った。

米フォーブス誌によると、郭氏の総資産は76億ドル(約8200億円)で、台湾で長者番付1位。7月に行われた国民党の党内予備選で敗北したが、この結果に納得しない郭氏は9月上旬、「出馬を準備している」と明言し、国民党からも離党していた。メディアや陣営による世論調査で、自身の支持率が伸び悩んでいることなどを考慮し断念したとみられる。

国民党は郭氏の出馬見送りにより、辛うじて分裂選挙を回避することになった。ただ、郭、韓氏の両陣営はこの間、激しく対立しており、国民党支持者が団結できるかどうかは予断を許さない情勢が続いている。

直近の世論調査では蔡氏の支持率は49%で、韓氏を7ポイントリードする。蔡氏は16年に総統に就任してから庶民生活の底上げなどで成果が出ず、人気低迷が続いていた。しかし、6月から香港で「逃亡犯条例」改正案を契機に抗議活動が激化すると情勢が一変。香港と同じ「一国二制度」による中台の統一を提案する中国への警戒感が高まり、中国と距離を取る蔡氏に支持が戻ってきた。

一方、親中派の韓氏は失速している。高学歴のエリート層と異なる「庶民総統」を自称し、経済格差の拡大に不満を持つ人々の熱狂的な支持を集めていたが、中間層に支持が広がらない。台湾誌「天下雑誌」が今月掲載した台湾の全22県市の首長の満足度ランキングでは最下位に沈み、政治手腕にも疑念が強まっている。

中国は国民党の勝利を望み、蔡政権に圧力を強める。8月に中国本土から台湾への個人旅行を当面禁止。9月16日には中国の働き掛けでソロモン諸島が台湾との断交を決めた。台湾では中国本土との交流で経済的な利益を享受したいと望む声が多い半面、統一には否定的。米中貿易戦争の行方など不確定な要素も多く、来年1月11日の投開票当日まで台湾の民意は揺れそうだ。(編集/日向)
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