歯の欠損、修復液2滴でエナメル質を形成

人民網日本語版    2019年9月17日(火) 18時40分

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永久歯が生えたその日から、人体のエナメル質がゆっくりと消耗されていく。発酵食品に含まれる糖類物質が放出する酸及び酸性飲料は、その消耗を加速させる。エナメル質の防衛線が突破されれば、歯全体が保護を失ってしまう。

永久歯が生えたその日から、人体のエナメル質がゆっくりと消耗されていく。発酵食品に含まれる糖類物質が放出する酸及び酸性飲料は、その消耗を加速させる。エナメル質の防衛線が突破されれば、歯全体が保護を失ってしまう。科技日報が伝えた。

浙江大学化学学部の唐睿康教授が率いるチームはこのほど、一種の生体工学を用いた修復液を発明した。エナメル質が欠けている箇所に2滴垂らすことで、48時間内にその表面に2.5ミクロンの結晶修復層ができる。その成分やミクロ構造、力学的性能は天然のエナメル質とほぼ一致し、既存の組織と隙間なく結びつき渾然一体となる。関連論文はこのほど「Science Advances」に掲載された。

研究チームのメンバーはリン酸カルシウムクラスターを豊富に含む溶液を、チューブを使い人工虫歯の氷面に垂らした。その後これを口内の唾液の環境に近い溶液内に入れ、様子を見守った。

その後48時間内に、歯の表面には肉眼では見えない大きな変化が生じていた。エナメル質が形成されたのだ。

唐氏は「虫歯の表面にはまず、生体工学のミネラル化の基礎が形成された。これは修復が必要なエナメル質の表面に完全に結合すると同時に、その後の結晶の外向きの成長を促す。ハイドロキシアパタイトにエナメル柱構造に似た結晶を作らせ、特定方向に秩序正しく並べさせる」と述べた。

実験・測量によると、エナメル質の厚さは48時間後に2−3ミクロン増えた。論文の筆頭著者である浙江大学化学学部の邵長鵒博士は「つまり歯に連続的な材料が形成されたということだ。これは従来の組織と瓜二つの、完全に結合する生物構造だ」と説明した。

研究チームはさらに、修復材料の力学的性能を調べた。実験者はナノ圧痕技術によりエナメル質修復層の力学的強度を調べた。それによると、その硬度・弾性係数は天然のエナメル質の数値とほぼ一致した。(編集YF)

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