中国で猛威振るう「アフリカ豚コレラ」、1億頭処分、豚肉価格が急騰、緊急備蓄の放出も

Record China    2019年9月14日(土) 20時10分

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中国で「アフリカ豚コレラ」が猛威を振るっている。処分された豚は1億頭超だ。これに伴い、品薄から豚肉価格が上昇し、中国当局は緊急備蓄の放出検討や養豚場への補助金拠出などの対策を強化している。

中国で家畜の伝染病「アフリカ豚コレラ」が猛威を振るっている。米CNNは「中国で処分された豚は1億頭を超えた」と報じた。これに伴い、品薄から豚肉価格が引き続き上昇。中国当局は緊急備蓄の放出検討や養豚場への補助金拠出などの対策を強化している。

中国の豚肉市場は世界で最も規模が大きく、中国での流通量は世界の半分を占める。豚肉は中国の食事に欠かせない食材で、不足すれば社会的安定を脅かしかねず、世界の豚肉供給網が揺らぐ恐れもある。

CNNはアフリカ豚コレラのため「中国農務部が3日に発表した統計によると、7月現在、中国で過去1年の間に処分された豚は1億頭を超えた」と報道。「これまでに処分された豚が国内の頭数の3分の1に上った」とも伝えた。

中国メディアの新京報によれば、本年前半の豚肉卸売価格は1キロ20元(約300円)前後だったが、ここ3カ月ほどは一貫して上昇傾向にある。7月29日から8月4日の週は1キロ25元(約380円)を超え、8月19日から8月25日の週には1キロ30元を突破し31.77元(約480円)に達した。

その後、8月26日から9月1日の週は1キロ34.59元(約510円)と、1週間で8.9%も上昇した。わずか数カ月間で70%を超える急騰となった計算だ。

事態を重視した中国当局は8月21日に開かれた国務院常務会議で、養豚回復の総合措置▽地方での法律法規外の養豚禁止と養豚規制の迅速な廃止▽大規模養殖の発展と養豚業者の支援▽ウイルス予防能力の向上▽豚肉供給の保障と地方の豚肉貯蓄量の増加―五つの対策を打ち出した。9月4日の国務院常務会議では、物価の全体的な安定維持、豚肉の供給保障と価格安定措置の実施、貧困者の社会支援と保障基準・物価上昇の連動メカニズムの適時始動を求めた。

8月末以降、農業農村部、発展改革委員会、財政部、自然資源部、生態環境部、交通運輸部、銀行保険業監督管理委員会など多くの関係部門が豚肉の供給保障と価格安定を促進し、養豚の発展を支援する姿勢を示している。一部の自治体は豚肉の購入に割当制を導入し、1回に購入できる量に制限を設けている。同時に豚肉を値下げして高騰分を相殺しようとする自治体もある。

豚肉の消費は13日からの「中秋節」の3連休、10月1日からの「国慶節」の7連休を迎え、最盛期に入る。これに先立ち、中国当局は「必要があれば非常用の冷凍豚肉の備蓄を放出する」と表明。実際に放出するかどうかは市場の動向を見極めた上で決定するという。(編集/日向)

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