出生率に赤信号 韓国は「狼狽」日本は「奨励」

人民網日本語版    2019年9月12日(木) 12時40分

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学費を全額免除、医療費は全額無料、子ども助成金を支給……日本政府は最近、出産を奨励するため、このような一見素晴らしいさまざまな手を打ち出している。

学費を全額免除、医療費は全額無料、子ども助成金を支給……日本政府は最近、出産を奨励するため、このような一見素晴らしいさまざまな手を打ち出している。素晴らしさの背後には、少子化高齢化といったどうにもならない日本社会の現状があり、「人づくり革命」のスローガンからはかえって日本の焦りがうかがわれる。同じように人口問題を抱える国に韓国があり、1を割った出生率はこの国の未来に警告を発する。次々打ち出される補助金や福祉政策が共同の命綱だが、羊の毛は結局羊から生まれるのであり、補助金の財源は元々税金であり、もともと大きなプレッシャーを抱えている国民はこれをよしとするだろうか。「北京商報」が伝えた。

▽人作りのプラン

「すべて無料です」。8日夜、NHKの番組に出演した日本の安倍晋三首相は、笑みをたたえて新政策を紹介した。新政策によると、日本に暮らすすべての日本人と納税者の外国人は、収入の多い少ないに関係なく、子どもが3-5歳で保育園や幼稚園に通う場合に全ての費用が無料になる。また中学校を卒業するまでは学費も医療費も全額無料になるほか、毎月子ども1人あたり2万5700円の助成金も支給される。

日本政府の大盤振る舞いは、ますますつのる少子化への焦りによるものと容易に理解できる。日本の厚生労働省が7日に発表した人口動態統計のデータでは、日本の2018年の合計特殊出生率は1.42で、17年の水準を下回った。低出生率がもたらすのは「人口の大幅減少」だ。日本が7月に発表した最新の人口動態調査報告書によれば、今年1月1日現在、日本国内の総人口は約1億2500万人となり、前年同期比約43万人減少し、減少幅は過去最高を更新し、10年連続の減少にもなった。

▽同病相憐れむ

海を隔てて向かい合う隣国同士の日本と韓国は、少子化問題をめぐって同じような苦境にある。日本の出生率は1.42だが、韓国はさらに低い。

韓国統計庁が行った調査によると、韓国の結婚適齢期の女性のうち、「結婚は人生でしなければならないこと」と考える人は45.6%にとどまり、男性の62.9%と比べても非常に低い。ますます多くの働く女性は晩婚化さらには非婚化しており、出産適齢期の女性の未婚率も非婚率も上昇した結果、既婚女性の出生率が低下している。同庁は「2018年出生統計(確定版)」の中で、「2018年には、韓国合計特殊出生率はわずか0.98となり、1人の女性が生涯に生む子どもの数の平均が1人を下回った。今年上半期の出生数はさらに減少して15万8524人になり、前年同期比7.7%減少し、第2四半期の出生率も落ち込みが激しく、0.91に低下した。これにより、韓国は世界で唯一の出生率が『ゼロ台時代』に入った国になった」と指摘した。

05年以降、韓国政府は136兆ウォン(約12兆3700億円)を拠出して出生率の上昇をはかってきた。

▽誰がつけを払うのか

焦りがますます募る中、少子化対策予算も今の韓国と日本が直面せざるを得ない問題だ。なんといっても、最近の経済データからみえるように、双方とも経済状況はそれほど好調ではない。

中国社会科学院日本研究所の張季風副所長は、「(日本の)今回の計画はすでに予算案が組まれているので、財政状況に影響することはない。主な財源は税金だ。安倍政権の計画では、2兆円の予算のうち1兆7千億円は消費税率引き上げによる税収で、残りの300億円は企業が負担することになっている」と述べた。

日本では10月1日に消費税率が8%から10%に引き上げられる。日本の共同通信社の報道では、「今回の増税により5兆6千億円の税収が生まれる。新たに増えた税収は、人口高齢化により増大した医療・介護費、子育て支援、幼児教育無償化と教育無償化の対象範囲拡大に優先的に充てられる」という。

しかしこうした羊から羊毛を取るようなやり方がうまくいくかどうかはわからない。張副所長は、「日本の低出生率にはさまざまな要因があり、経済的な要因だけでなく、深層レベルの社会的な要因もある」と指摘した。同研究所の王偉研究員は著書「日本の少子化プロセスと政策対応の評価分析」の中で、「日本で1990年代初めに少子化対策が打ち出されて以来、少子化と人口減少の速度を遅らせる上で一定の効果はあったが、出生率が長期低迷する状況をみると、目に見える効果を上げたとは言えず、目標達成には遠く及ばない」との見方を示した。

韓国女工協会は声明の中で、「政府の政策は次のような単純な仮定に基づいている。『もっとたくさんお金があれば、もっとたくさん子どもを産むようになる』という仮定だ。しかし真っ先に解決しなければならないのは職場で女性が受けている性差別であり、仕事と家事の二重負担の問題だ」と指摘している。(編集KS)

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