冷え込む香港経済、中小企業「中秋節の商売あがったり」―中国メディア

人民網日本語版    2019年9月6日(金) 13時20分

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香港経済が冷え込み、中小企業の代表はビジネスの不振を嘆き、「工場には注文がこないので、中秋節(旧暦8月15日、今年は9月13日)の贈り物を減らすしかない。今の状況はSARSの時よりももっとひどい」などと言う。写真はデモの続く香港。

香港経済が冷え込み、中小企業の代表はビジネスの不振を嘆き、「工場には注文がこないので、中秋節(旧暦8月15日、今年は9月13日)の贈り物を減らすしかない。今の状況はSARS(重症急性呼吸器症候群)の時よりももっとひどい」などと言う。中には、「今年の中秋節は商売あがったりだ。企業の受注が減少し観光客が香港へ来なくなったため、売り上げは少なくとも前年同期比15%は減少するだろう」という業者もある。中国新聞網が各社の報道をまとめて伝えた。

あと2週間もすれば中秋節で、例年だと贈り物のピークを迎える今の時期だが、香港の業者は今年のビジネスに期待していない。日本の高級フルーツを手がける九竜城の永富食品の陳錦輝オーナーは、「今年の中秋節の商売は例年よりも静かで、経済の下ぶれや暴力違法行為などのマイナス要因が、香港の消費意欲を大幅に減退させている。これまでに当店が受けた中秋節の贈り物の注文は、2018年同期より約10%少ない」と述べた。

陳オーナーによると、「今年はフルーツの輸送コストやバスケットなどのハードウェアのコストが値上がりしているが、軽々しく値上げをして『常連客』が離れるようなことはしたくないので、今年はプレゼント用フルーツバスケットの価格を据え置いた」という。

また陳オーナーは、「最近は中国本土からの観光客が大幅に減少し、個人客は減り、常連客も例年は(バスケットを)15個注文していたのが今年は10個だけだ。今年の中秋節全体で売上高は年率換算すると15%減少するだろう」と予想した。

清酒やウイスキーを手がける上環の「興記号」の霍立礼取締役も、「相次ぐ暴力違法行為の影響は7月から現れるようになり、これまでは海外や中国本土から香港を訪れる観光客がうちの店で酒を買っていたが、今は観光客自体が減っていて、店舗での小売ビジネスは激減し、過去2カ月の間に少なくとも同40%減少した」と嘆いた。

霍取締役は、「しばらくは持ちこたえられる。中秋節が近づき、法人顧客が伝統に従ってプレゼント用かごを送り、これで補填されることを期待するが、中秋節全体でビジネスの年率換算の下げ幅が記録を更新するとみられる。夏休みが終わり、学生が学校に戻り、社会のムードが好転し、市場の状況が好転することを願う」と述べた。

香港中小型企業連合会の劉達邦永久名誉会長は、「中小企業の現在の状況はひどいもので、SARSの頃よりもひどい。中でもホテル、観光産業、小売、外食産業の状況が特にひどい。値段を下げても客は来ない、仕事がないという状況が少なくとも半年は続くだろう」と述べた。

香港餐務管理協会の代表を務める東海飲食集団の楊位醒シニア・ディレクターは、「今年の中秋節の宴会予約状況は惨憺たるものだ。これまでは2-3週間前には予約が入っていたが、今年は暴力違法行為への懸念から予約をためらうようになり、中秋期間には出足が鈍って、売り上げが大幅に低下することが予想される」と述べた。

また楊シニア・ディレクターは、「暴力違法行為が食事に来た客を震え上がらせ、繁華街にある支店は真っ先に商売に影響が出ている。たとえば中環や銅鑼湾といったデモの被害が大きかったところは、損失が50%にも達した。その反対に、郊外にある支店は今も通常通りの売り上げを維持している」と述べた。

楊シニア・ディレクターによると、「レストランは売り上げを伸ばすためにいろいろな手を打っている。早めの予約で優待を手厚くし、500香港ドル(約6800円)割り引いたり、月餅をプレゼントするなど、いろいろやっているが、目に見えるほどの効果は上がっていない」という。

シーフードは中秋節の贈り物の定番で、中秋節が近づくとシーフードを買い、集まって食べるという家庭が多い。しかし今年のシーフードビジネスは不調で、安記海味有限公司の潘権輝代表取締役社長は、「最近は平均購入者数と平均消費額がどちらも目に見えて減少し、市場はなかなかイベントムードにならず、店側は薄利多売でいくしかなく、一部の高額商品は20%オフで売られている。『こんなに安かったら買わないと損』などといって客を呼び込んでいる」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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