日米中韓4カ国の高校生の留学状況比較、留学支持トップは中国の保護者―中国メディア

人民網日本語版    2019年9月5日(木) 19時30分

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「日米中韓4カ国の高校生の留学および国際交流に関する意識比較研究」では、4カ国の高校生の留学と国際交流に対する意識の違いを分析している。写真は中国の高校生。

中国で新学期が始まった。海外での遊学を終え、母国のキャンパスに戻って来た学生がいる一方で、荷物を背負い、異国で勉学に励むため旅立った学生もいる。中国青少年研究センターと日本の国立青少年教育振興機構、韓国青少年政策研究院が2011年と2018年の2度にわたり共同で実施した「日米中韓4カ国の高校生の留学および国際交流に関する意識比較研究」では、4カ国の高校生の留学と国際交流に対する意識の違いを分析している。同研究は、留学と海外交流の本当の意義と内容について掘り下げることを意図して実施された。光明日報が伝えた。

■子供の海外留学に賛成する保護者の割合は4カ国のうち中国がトップ

2018年の調査によると、「海外留学に興味がある」とした中国の高校生は59.3%に上り、4カ国中3位だった。他の3カ国のこの割合は、米国が69.3%、韓国が67.2%、日本が51.4%だった。

統計データによると、中国の高校生は、留学に対して興味を抱いており、留学に関する情報を得る、あるいは影響を受けるソースについては、「テレビやインターネットなど各種メディア」(45.2%)、「同級生・友人」(33.2%)、「自ら海外に出向き、現地での交流を通じて」(30.7%)、「家族」(29.4%)、「有名人やアイドル」(24.9%)、「教師」(14.3%)、「留学仲介業者」(8.6%)などが挙がった。留学をめぐって日本の高校生が影響を受けるトップ3は、中国とほぼ同じだったが、米国の高校生では、「家族」がトップ、2位が「メディア」、3位が「同級生・友人」だった。

このほか、中国の保護者の約7割(67.5%)が、子供の海外留学に賛成しており、4カ国の中でトップを占めた。この割合は、米国が61.1%、日本が54.1%、韓国が44.5%だった。また、「留学に向けすでに準備を始めた」とした高校生は、中国が19.4%で4カ国中で首位を占め、米国(13.9%)、韓国(5.5%)、日本(2.7%)が続いた。4カ国の中で、子供の海外留学に賛成する保護者の割合が最も高いのは中国で、かつ、その割合は子供の留学に対する興味より高いことは、現段階で、中国の保護者が、子供のためにより質の高い教育資源を強く求めている状況を反映している。

■4カ国の高校生が留学を考える際に最も障害となるのは、慣れない環境と異言語によるコミュニケーション問題

海外留学の動機と理由は、高校生の留学期間および留学先の選択を大きく左右する要素となる。統計データによると、中国の高校生にとって留学する理由のトップは、「視野を広げるため」(86.0%)、「豊かな人生経験をするため」(76.4%)で、この点については米国、日本、韓国も同じ順位だった。第3位と第4位は、「興味のあるスキルや専門技術を学びたい」(63.8%)と「海外の先進的な知識を身につけたい」(63.7%)で、他の3カ国よりいずれも10ポイント以上高かった。5番目の理由は、「外国語のレベルを高めたい」(54.9%)だった。

だが、各国の高校生が「留学を望まない」理由は、国によってかなりの差がみられた。中国の高校生の場合、理由のトップは、「両親・家族と離れたくない」(57.6%)だった。米国の高校生も、「両親・家族と離れたくない」が63.8%で首位。日本の高校生の場合は、「自国の方が住みやすいから」(54.7%)が理由のトップだった。韓国のトップは、「言語上のコミュニケーション問題が存在するから」(56.9%)。「言語上のコミュニケーション問題」と「経済的理由」が、4カ国の高校生が「留学を望まない」理由上位6位にランクインしていた。「安全上の問題」は、アジア3カ国の高校生の「留学を望まない」理由トップ5に入っていた。このほか、「海外生活に慣れない」、「自国の方が住みやすい」、「一人で海外生活をおくる自信がない」などが、各国の高校生が留学に二の足を踏む理由として多く挙がっていた。

■中国の高校生、多くが「修士号取得」を目的に留学

留学するタイミングを選択する上で、中国の高校生は、「大学卒業後に留学する」ケースが最も多く25.9%を占め、4カ国中最高、韓国より16.6ポイント、米国より17.4ポイント、日本より18.8ポイント、それぞれ高かった。これに続いたのは、「大学在学中に留学する」割合で、中国は22.9%と4カ国の中で最も低かった。この割合は、米国が36.6%、日本が36.3%、米国が24.6%だった。

留学のタイミングと期間についてみたところ、中国の高校生は、「修士号を海外で取得したい」と考えている学生が多く、実際に、現時点での国内学生の留学の主な選択肢となっている。

専攻別にみると、4カ国とも、語学留学を行うケースが最も多く、その割合は、中国が29.8%、日本が48.3%、韓国が22.8%、米国が22.1%だった。語学以外の専攻については、4カ国間でかなりの相違がみられた。

■過去の高校生の出国率、4カ国のうち中国が最低

「海外に行ったことがある」とした高校生の割合は、中国が34.7%で最も低かった。トップは韓国で57.8%、米国は53.8%、日本は48.2%だった。

統計データによると、日本の学生のうち、「最初に海外を訪れた時期」について、「小学校就学前」と答えた人の割合は31.6%、「小学生のとき」と「中・高生のとき」は、それぞれ20%あまりに達した。「小学生のときに初めて海外に出た」学生の割合が最も高かったのは、米国(32.9%)と韓国(39.9%)。中国の高校生の場合、「中学生のときに初めて海外に出た」割合が最高で48.9%、「小学生のとき」(34.8%)がこれに続き、「小学校就学前」は8.4%にとどまった。

■中国の高校生は海外文化や生活に対する興味は高いが、海外で働くことへの意欲は最低

4カ国のうち、海外文化や生活に対する興味が最も高かったのは中国の高校生だった。米国の高校生は、外国語や外国人に対して最も興味を抱いており、韓国の高校生の最大の関心事は海外旅行、国際交流に関する願望が最も低かったのは日本の高校生だった。

中国の高校生は、国際交流に対する強烈な願望を抱いているが、海外での就労を希望する割合はそれほど高くない。「海外生活に憧れている」と答えた中国の高校生は50.4%、韓国の高校生(58.8%)と米国の高校生(54.2%)を下回ったが、日本の高校生(46.9%)より高かった。「将来、海外で仕事をしたい」とする高校生は、中国が36.3%で4カ国中最低で、最高のは米国の高校生で60.2%、2位は韓国(56.1%)、3位は日本(36.6%)だった。

■留学データ

世界規模でグローバル化への勢いがますます進む中で、留学教育は急成長を遂げつつあり、多くの高校生が留学に対して興味を示している。中国では、留学関連政策の開放と経済の急成長にともない、留学生数が絶えず過去最高記録を更新、2017年には中国から海外に留学する学生数が初めて60万人の大台を突破し、2018年には66万2100人に達した。

中国教育部の統計データによると、2017年、海外留学から中国に帰国した人は48万900人に達し、留学者の帰国率は79%に達した。2018年の留学帰国者は51万9400人に上り、中国は3回目の「海外帰国ブーム」を迎えている。(提供/人民網日本語版・編集/KM)

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