結婚しない中国の若者たち、直面する3大難関とは?―中国メディア

人民網日本語版    2019年9月7日(土) 23時40分

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2019年の真の曲がり角は、貿易摩擦でもなければ、さまざまな紛争でもなく、若い人が結婚したがらないことだ。

「結婚したくない、結婚は面倒くさい。家事を片付けて正月には親戚回りをして、子どもが生まれたら世話をしなければならない。子どもを産めば体型は壊れるし体の調子も低下する。考えるだけで暗い気持ちになる」。(文:閻肖鋒。「中国新聞週刊」掲載)

2019年の真の曲がり角は、貿易摩擦でもなければ、さまざまな紛争でもなく、若い人が結婚したがらないことだ。上のような見方は新時代の結婚・恋愛観を代表するものだ。

婚姻率が11年ぶりの最低を更新し、7700万人が一人で暮らす。人々はいっそのこと独身を選び、誰かと一緒に毎日を過ごそうとは思わなくなった。

最近、女性の結婚願望が確かに徐々に低下している。1990年には30-35歳の女性未婚者が占める割合は0.6%だったのが、今は7%だ。30-40歳の女性未婚者の割合も0.3%から4%前後に増え、10倍以上増加した。

伝統的結婚制度は女性に「やさしくない」ので、女性たちはついに「反撃に転じた」。第一に、伝統的な家族内の分担の下では、女性は働かなければならないだけでなく、家事をより多く引き受け、子どもを産み育てる義務がある。第二に、こうした分担のため、女性は陰に陽に職場で性差別を受けやすい。結婚して子どもを産むとキャリアに影響し、仕事を失うこともある。第三に、新しい婚姻法の財産分与の規定は女性に不利で、結婚後はどちらかの両親が出資して家を買い、その子どもの名義で登記する。一方だけの個人資産となり、分割はできない。そこで「養う」などと言う場合は誰が誰を養うのか。自分で稼げれば、稼いだ分を自分の手の中に納めることができ、それでこそ主導権を握れるようになる。

男女の役割分担、高い家賃、高い育児コストが解決できなければ、女性たちが伝統に従わないのも責められない。例えば高い結納金、不動産の登記などは予防措置であり、女性は拝金主義と一方的に非難するわけにはいかない。

経済の発達した省や市では、不動産価格が高くなるほど、婚姻率は低下する。データによれば、2018年に全国で最も婚姻率が低かったのは上海市で、わずか4.4%だった。後ろから2位は浙江省で5.9%。広東省、北京市、天津市なども低かった。その背後にある本当の変化は、女性が大都市で権利意識に目覚めたということだ。

しばらく前、中国の出産育児に関する専門家の喬傑(チアオ・ジエ)氏が、「25-28歳が妊娠に備えるのにもっとも適した年齢」との見方を打ち出した。これに対して、「おお!そうなの、この年齢を過ぎたら生まなくていいのね!そうそう、2017年の江蘇省の平均初婚年齢は34.2歳で、女性は34.3歳。いっそのこと出産はやめた方がいいよね」といったコメントが上がった。

二人っ子政策が打ち出された後の17年には、人口は新たに1723万人増えたが、逆に16年より63万人少なかった。これを受けて専門家は、「法定婚姻年齢を男性満20歳、女性満18歳に引き下げるべき」と提起した。しかし若い人は専門家に同意するだろうか。上海の女性に二人っ子について意識調査を行ったところ、80後(1980年代生まれ)と90後(1990年代生まれ)の回答は実に厳しいものだった。回答者のうち、出産経験のある人は4.8%、出産したいという人は3.3%で、出産したくないが56.4%、わからないが35.4%だった。ここから大都市の女性の多くが二人の子どもを産もうと考えていないことが容易に見て取れる。婚姻率が低く、出産率が低いことは、「低欲望社会」現象の一つと考えられている。この「ダブル低率」が出現したのはなぜか。恒大研究院の任沢平(レン・ザーピン)氏のチームは「中国出産報告2019年」の中で、「住宅、教育、医療などに直接かかるコストが出産を思いとどまらせる3大難関だ」との見方を示した。

1つ目の難関の住宅について。04-17年に、収入に対する家賃の割合が17%から44%に増加した。出産育児の中心となる80後と90後が、ひと月数千元(1元は約15円)も1万元以上もする家賃の重さにあえいでいる。

2つ目の難関の教育について。97-17年に、公立幼稚園に通う子どもの割合が95%から44%に低下した。また、習い事ブーム、さまざまな教室通いが激しさを増し、多くの家庭はこの面で巨額の出費をしている。

3つ目の難関の医療について。95-17年に、個人の医療保険料は22.4倍に増加し、可処分所得の9.2倍増加を大きく上回った。一人っ子のカップルは上に4人の高齢者を抱え、下に1人の子どもを育てており、どれだけプレッシャーがかかるかは言うまでもない。

さらに言えば、最終的に老後は子どもをあてに出来ないことが重要だ。

社会学の見方では、1つの観念を理解するには、その観念を決定づける「社会的事実」の中で原因を探らなければならない。しかし否定できないのは、女性の意識が覚醒したことが、現在の恋愛結婚出産市場の最大の曲がり角を招いたということだ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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