おいしいミュージアム!博物館が続々とオリジナル食品を開発

人民網日本語版    2019年8月30日(金) 12時30分

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中秋節まであと半月余りとなったが、多くの博物館はとっくに待ちきれなくなっているようだ。

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中秋節まであと半月余りとなったが、多くの博物館はとっくに待ちきれなくなっているようだ。中国青年報が伝えた。

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頤和園では、「頤和一盒」月餅詰め合わせセットを打ち出した。パッケージのデザインは楽寿堂の粤繍百鳥朝鳳屏風からインスピレーションを得ており、鳳凰やカササギなど6種類の縁起のいい鳥と、仏香閣や十七孔橋など6種類の建築物がデザインされ、「金華ハム・5種類のナッツ」、「塩漬け卵の黄身・ハスの実」、「ナツメ・クルミ」など伝統的なフレーバーの月餅が詰め合わせられている。これはクラシック路線と言えるだろう。

中国国家博物館はスイーツ商品「如意糕」を開発。これは同博物館が所蔵する「乾隆御題如意」の一部をスイーツの形としてデザインし、表面には水面を飛び跳ねるナマズ2匹のレリーフ模様をあしらっている。ナマズは中国語で「鯰魚(ニエンユィ)」で、毎年ゆとりがある生活ができるという意味の「年年有余(ニエンニエン ヨウユィ)」とかけてある。「如意糕」のデザインは伝統的だが、フレーバーのほうは今風で、モカ味やブラックチョコレートチーズ味、クランベリー味、マンゴー味、抹茶蜜豆味など、味にうるさい若者向けになっている。

博物館文化クリエイティブ界をリードする故宮博物院では、角楼カフェや氷室レストランなどを打ち出し、SNSで盛んにアップされた。昨年の中秋節に故宮が発売した「桂彩中秋特地圓」月餅は、宋の徽宗·趙佶が楷書体の書風「瘦金体」で書いた「閏中秋月」詩帖をモチーフにしていた。贈答用ケースは、宋朝汝窯の「天青色」と呼ばれる青磁の色を基調に、貫入風の模様があしらわれていた。月餅の図案は宋の徽宗が描いた花鳥画を元にしており、あまりに雅やかで食べるのがもったいないほどだった。今年は、「中秋万事礼」月餅詰め合わせセットがすでに故宮博物院文化クリエイティブ旗艦店で販売されている。

実のところ、「食」に関する商品開発に関して、博物館はずっと努力を重ねてきたと言ってもいいだろう。

2014年には早くも、蘇州博物館が所蔵文化財を原型にしたクッキーを発売。一番人気は抹茶味の「秘色磁蓮花碗」クッキーだった。同年、四川省広漢市の三星堆博物館も「青銅仮面クッキー」を発売し、青銅器を丸ごとパクリと食べる感覚がなんとも爽快だった。

中国国家博物館飲食文化センターの責任者である廖飛さんが大学で学んだのは文化財鑑賞。中国国家博物館で働いて15年になり、常設展示している文化財についてはすっかり把握している。飲食類の文化クリエイティブ商品の担当になってからは、文化財を見るとすぐに「どうやって食べるか」を考えるようになったという。

中国国家博物館の「十大至宝」の一つである「四羊方尊」は、国外への持ち出しが禁じられている特級文化財だ。しかし今、来館者はこの至宝を「四羊方尊3Dチョコレート」の形で持ち出すことができる。廖さんは、「文化クリエイティブ食品は『顔面偏差値』だけでは不十分で、中身があるかどうかがカギ。羊の象徴する意味として民間で最も広まっているのは『吉祥』。それに、羊には『跪いて乳を飲む』習性があり、両親に対する尊敬の手本ともされている。そこで、国家博物館は四羊方尊の『羊』と『尊』のイメージを残し、吉祥と目上の人への尊敬の意味を込めて、ミニチュアサイズのブラックチョコレートを作った」と語る。

廖さんは、どんな文化クリエイティブ商品を作ったとしても、その商品に中身と魂を与えるのは常に文化だと考えている。廖さんは、「現在は文化クリエイティブ商品の同質化競争が激しい。でも、自分たちの特色を備えたものを作り、表現したい意味を伝えられているだろうか。勝負しているのはその題材だと思う」と語った。

頤和園には貴寿無極院という場所がある。ここは、西太后が聴鸝館に京劇を鑑賞しに行く前に茶を飲み、お菓子を食べるための休憩所だった。貴寿無極院は、清朝宮廷スイーツを開発する上で文化的な環境を提供した。頤和園はスイーツを開発しただけでなく、貴寿無極院内の天井や渡り廊下の伝統建築紋様の要素を取り入れ、スイーツ商品とセットの紙ナプキンをデザイン。スイーツとも非常にマッチしたデザインとなっている。

今年の夏、最も季節とシーンにピッタリだった文化クリエイティブ食品といえば、おそらく円明園のハスの花型アイスだろう。このアイス発売のバックグラウンドには、考古学上の不思議なストーリーがある。2017年、円明園の東側にある長春園の東南隅に位置する如園遺跡から、11粒のいにしえのハスの実が発掘された。中国科学院の専門家が丹精を込めて育てた結果、まいた種のうち6粒が発芽に成功し、今年の夏、円明園で花を咲かせた。7月31日から、円明園ではハスの花の形をしたアイスを発売し、半月足らずで5万本を売り上げたという。(編集AK)

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