G7内の溝を覆い隠せぬわずか1ページの宣言

人民網日本語版    2019年8月28日(水) 18時20分

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今年のG7サミット(フランス・ビアリッツ)は26日、わずか1ページの首脳宣言を発表して閉幕した。

今年のG7サミット(フランス・ビアリッツ)は26日、わずか1ページの首脳宣言を発表して閉幕した。フランスのマクロン大統領も以前述べたように、そこからは容易にG7内の溝が見てとれる。中国新聞社が伝えた。

この1ページの宣言は貿易、イラン、ウクライナ、リビアと広範な分野をカバーしているが、具体的内容には乏しい。貿易問題は冒頭に比較的長く取り上げられたが、漠然として要領を得ない。G7の各首脳は貿易関係の緊張に対処して貿易の安定を維持する必要性を次々に呼びかけたが、宣言では緊張緩和策への詳細な言及がなかった。

イラン問題とウクライナ問題はそれぞれ一文だけだ。マクロン大統領はイラン問題仲裁のため、同国のザリーフ外相をビアリッツに招待して会談。緊張を解消し、イラン核合意の履行継続を後押ししようとした。だがトランプ米大統領は基本的に立場を軟化させておらず、ロウハニ大統領との会談にオープンな姿勢を表明した以外は、対イラン制裁を緩和する考えがない。フランスが米国とイランの間で仲裁者の役割を果すのは依然として極めて困難だ。

ウクライナ問題については、仏独両国は比較的重視しているが、トランプ大統領はあまり興味がない。トランプ大統領はそれよりもロシアのG7復帰に関心があるが、ドイツなどはほぼ興味がない。最終的に宣言は仏独がウクライナ問題に関する会議を開催することを簡潔に表明しただけで、ロシアへの言及は全くなかった。

G7首脳宣言に盛り込まれてしかるべき重要議題の1つである「ブレグジット」にも一言も触れなかった。「ブレグジット」への対処について、G7内に各々違う考えがあるのは明らかだ。

もう1つの重要議題である気候変動など喫緊の環境保護問題も宣言では言及がなかった。今年のG7サミットでは気候変動及び生物多様性に関する専門の議論があり、マクロン大統領もフランス政府も重視していた。だがトランプ大統領が出席せず、G7として共通の声を発しようもなかった。

総じて言えば、G7サミットは共同コミュニケを発表せず簡潔な宣言に改めたことで、影響力が一層弱まった。実際には、マクロン大統領も元々は最終成果文書の発表に相当慎重な姿勢を示して、あらかじめ人々の期待を下げることに力を入れていた。サミットは1ページの宣言を発表したものの、やはりG7内の溝を露呈する形となった。(編集NA)

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