コストコ上海店オープン初日に客殺到 半日で営業停止

人民網日本語版    2019年8月28日(水) 18時10分

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今月27日、米国最大の会員制ウェアハウス・クラブ「コストコ」が上海に進出し、大陸部店舗第1号がオープンした。驚いたことに、開店からわずか半日で、コストコは公式サイトを通じ、「売り場で大勢のお客様にご来店いただき身動きが取れなくなっている。

今月27日、米国最大の会員制ウェアハウス・クラブ「コストコ」(中国名・開市客)が上海に進出し、大陸部店舗第1号がオープンした。驚いたことに、開店からわずか半日で、コストコは公式サイトを通じ、「売り場で大勢のお客様にご来店いただき身動きが取れなくなっている。よりよいショッピング体験を提供するため、しばらく営業を停止する」と通知することを余儀なくされた。従来の総合小売業(GMS)がどこも不振にあえぎ、カルフールとメトロが中国業務で困難に陥る中、新たにお目見えした大手コストコがこれほど人気を集めるその背後に隠されている「消費のパスワード」が考えさせられる。「北京日報」が伝えた。

▽オープン初日に大混雑

コストコの大陸部初店舗は27日午前8時30分にオープンして、客を迎え入れた。押し寄せた消費者があっという間にあちこちの棚をぎっしりと取り囲み、人気商品のロティサリーチキン、ミニクロワッサン、カップケーキなどは瞬く間に売り切れた。液体洗剤を箱買いするする人もいれば、2559.9元(1元は約14.8円)の限定ウィスキーを20本まとめ買いする人もいた。オープンから1時間後には、22台あるレジはどこも長い行列ができ、会計まで30分以上待たなければならなかった。マオタイ酒やブランドバッグなどの高額商品もあっという間になくなった。

中国でよくあるスーパーの大規模な売り場と異なり、コストコの店内はイケアの倉庫エリア(セルフサービスエリア)に似ていて、箱に入った商品が棚に高々と積み上がり、ショッピングカートも普通のスーパーのものの2倍近くある。大陸部初のコストコは上海市閔行区にあり、敷地面積は2万平方メートル、売り場面積は1万4千平方メートルに達し、米国コストコの標準規格を採用した1階建て店舗に、27品目4千種類近い商品が並んでいる。

オープン初日に人の流れが棚の間を埋め尽くしたことは、コストコのブランド知名度とオープン記念割引きキャンペーンと関係がある。コストコによれば、コストコの非食品商品の価格は市場価格より30-60%安く、食品は10-20%安い。オープン期間の割引きキャンペーン対象商品は、家電、生鮮・グルメ、日用品、トラベルグッズなどを含む60種類に及ぶ。たとえばシャープの45インチテレビはコストコ価格が1755.9元、シャープの天猫(Tmall)旗艦店では1899元。飛天マオタイ酒は1498元でメーカーの希望小売価格より1元安く、コカコーラ300ミリリットル24本入りケースは44.9元で天猫スーパーの48元を下回る。

▽会員制は中国に合うか?

「2回もコストコに行けば、もうコストコなしではいられない」。米国人消費者の多くが冗談交じりにこんなことを言う。好奇心と開拓精神にあふれた中国人消費者にとって、100ドルほどのサムソナイトのオーダーメイドのスーツケース、200元くらいのダイソンの掃除機、20元程度のカルバン・クラインブランドのTシャツなどが、極めて強い魅力をもつことは間違いない。しかしこうしたオーダーメイド式の大手ブランド商品が中国に進出しようとすれば、高い関税に直面し、価格は決して庶民的ではなくなる。

北京商業経済学会の頼陽副会長は、「中国の既存の関税システムに照らすと、コストコは米国のようなはっきりとした価格的優位性を維持できるとは限らない」との見方を示す。

これまで、会員制スーパーというモデルは中国に合わず、うまくいかないケースがしばしば見られた。有料会員モデルの最も早い例はウォルマート傘下のサムズ・クラブで、1996年に中国に参入した。同じ時期に参入したメトロ、プライススマート、マクロなどは、その後の発展でいずれも挫折を経験し、会員制をやめたり、中国市場から撤退したりした。現在はサムズ・クラブだけが会員制を継続し、会費は260元からとなっている。

頼副会長は、「米国は人々の暮らす家が分散していて、商品を家まで運ぶコストが高くつく。米国人消費者にとって、週末の郊外での大規模・ワンストップ式ショッピングは硬直的需要だといえる。しかしこれは中国国内の消費者には主流の生活スタイルではない。現在、中国ではオンラインショッピングが非常に便利で、これには国境を越えて特色ある輸入商品を購入することも含まれ、大規模店舗や大型スーパーなどの業態はうかうかしてはいられない。インターネットは商業流通システムに革命的な変化をもたらし、これにともなって従来の価格システムが崩壊した。中国現地の小売企業も融合とモデル転換を積極的に追求しており、このタイミングで中国に進出したコストコは、大きな挑戦に直面することになる」と述べる。

注目されるのは、コストコは立地が郊外型で海外の消費習慣をベースにしているため、生鮮食品の割合が低いことだ。同社の公告によれば、2005年に11%だった生鮮食品の割合は、18年でもまだ14%に過ぎなかった。製品の構造も乳製品と肉類製品に偏り、冷凍食品が中心の米国人消費者には理にかなっているといえるが、火の通った温かい食事が中心で、生鮮食品を日常的に購入する習慣の中国人消費者にこれから長く受け入れられるかどうかは、問題だといえる。(編集KS)

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