日本のナイトタイムエコノミーの現状は?―中国メディア

人民網日本語版    2019年8月28日(水) 20時50分

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東京の中心市街地では、夜ご飯を食べようと思っても、順番待ちをしなければならないことが多い。仕事帰りの人々で大いににぎわっている。「ナイトタイムエコノミー」が消費を刺激し、日本経済の発展を牽引する重要なエンジンになっているのだ。

東京の中心市街地では、夜ご飯を食べようと思っても、順番待ちをしなければならないことが多い。日本の都市は夜になると仕事帰りの人々で大いににぎわっている。「ナイトタイムエコノミー」が消費を刺激し、日本経済の発展を牽引する重要なエンジンになっているのだ。

深夜食堂」と言うと、すぐに日本を連想する人も多いだろう。外食業は、自動車製造業に継ぐ、日本で2番目に大きな主力産業と言われている。一般社団法人・日本フードサービス業協会調査研究センターの統計によると、2018年、日本の外食産業の市場規模は33兆9000億円に達した。うち、飲食、宿泊業務の市場規模は20兆8000億円に達し、夜間消費が60%以上を占めた。

日本の夜間の外食産業はバラエティーに富んでおり、高級料亭もあれば、庶民的なレストラン、小さな店などもある。中でも、日本の街中の至る所にあるのが居酒屋だ。同僚、同級生、クラブ仲間などが「同窓会」という名目で、頻繁に集まってお酒を飲んでいる。多くの日本人は、お酒は社会の「潤滑剤」と考えている。料理は1つずつ注文しなければならないものの、お酒は1~2時間飲み放題という居酒屋も多い。また、一晩に飲み屋を何軒もはしごし、そうすることが仲の良い友達の証だと考える日本人もたくさんいる。

日本では最近、新たなスタイルのレストランも登場している。例えば、大手醤油メーカーのキッコーマンが昨年、銀座の近くでオープンさせた「KIKKOMAN LIVE KITCHEN TOKYO(キッコーマン ライブキッチン東京)」は、シェフ・料理人が開発した料理を、実演やトークによる「料理ライブ」と一緒に楽しむことができるレストランだ。シェフは料理を作りながら、その特徴や食材の産地、栄養素、料理する時の注意事項などを、ユーモラスに説明してくれる。また、その隣では、テレビ司会者がいろんな質問をシェフに投げかける。そのようなフレッシュなスタイルは好評を博し、来年の東京五輪開催期間中の予約もすでにかなり埋まっているという。

飲食以外に、夜間の文化・娯楽活動もバラエティーに富んでいる。文芸ファンが最も多く集まる場所と言えば劇場、映画館、音楽ホールなどだ。日本の伝統の芝居だけでなく、欧米でヒットしている芝居もそこで人気を博している。深夜の映画館は、日中は働いていて時間がなく、最新の映画を絶対に見逃したくないとう人が集まる場所だ。記者をしている友人は、近年公開された映画はほとんど逃さずに見ているといい、その秘訣について、「深夜1時に新聞の原稿を書き終わると、頭がさえて眠れず、深夜の映画館に行って新作映画を見ている」と話してくれた。中には、女性を対象にした優遇サービス、定食回数券などを提供して集客に努めている映画館もある。夏になると、動物園や水族館、遊園地などは、特別に夜間営業を行うほか、小学生や中学生に夜間イベントを楽しんでもらおうと、専門の案内スタッフを設置しているところもある。

2020年の東京五輪に向けて、日本政府は現在、交通、ホテル、ショッピング、飲食などの総合サービスの拡大に全力を挙げている。各自治体も、ナイトライフを都市の競争力を向上させる重要な手段としている。日本の国際カジノ研究所の木曽崇所長によると、自治体は経済成長をより重視しており、夜間消費の活性化に全力を挙げている。東京、横浜、大阪などの都市は、地元の特色を売りにしたサービス業の発展に取り組んでいる。

東京渋谷区は、ポップカルチャーの発信地で、若者であふれている。そこには、劇場やゲームセンターがたくさんあるほか、日本や西洋の文化イベントが連日のように開催されている。横浜は、港湾都市というメリットを生かし、花火大会や「ピカチュウ・カーニバル・パレード」などの各種イベントを開催している。千葉県幕張市には夜もレーシングカートが楽しめる場所があり、東京からたくさんの若者が体験に訪れている。

近年、日本人で格差が広がるにつれ、人々の娯楽や消費も多様化している。そして、それぞれの階級やそれぞれの趣味を持つ人が自分の好みに合ったことを夜にできる場所を見つけることができる。評論家の木曾氏は、「消費心理という角度から観察すると、大半の人は夜間になると消費欲が日中より強くなり、財布のひもを緩める」と分析している。

東京では、電車や地下鉄などの公共交通機関は夜中の1時ごろに営業を終了する。そのため、夜中12時ごろになると利用者が増え、その時間帯は朝と夕方に継ぐ3番目のラッシュアワーと言われている。数年前、東京都知事は、公共交通機関の24時間営業構想を掲げたものの、列車や鉄道のメンテナンス、運行コストなどが原因で、まだ実現には至っていない。終電に乗り遅れた人は、タクシーで帰宅するか、近くのホテルなどに泊まるしかない。将来、自動運転技術が普及すれば、夜間消費にとってハードルとなっていた交通面の問題も解決するのではと期待されている。日本の夜間消費にはまだまだ発展の余地がありそうだ。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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