韓国のGSOMIA破棄による影響は?専門家の見解―中国メディア

人民網日本語版    2019年8月28日(水) 21時10分

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韓国政府はこのほど、日韓軍事情報包括保護協定を延長しないと発表した。

韓国政府はこのほど、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を延長しないと発表した。これは日韓間のGSOMIAの「終了」を意味する。(文:周永生・外交学院国際関係研究所教授。中国網掲載)

まず日本が7月初めから韓国に対して貿易制裁を発動すると、韓国も迅速に報復措置を講じた。両国関係は急速に悪化し、摩擦が拡大・深化し、韓国がGSOMIA破棄を発表するという今日の段階にまでいたった。日韓関係の悪化は、すでに「覆水盆に返らず」の段階にまでいたっている。

GSOMIA破棄という韓国の発表を、米国は深く遺憾に思い、焦慮している。GSOMIAの締結を後押しするために、オバマ政権は2010年から韓国政府を重点に大規模な外交的働きかけを行い、6~7年の努力を経てついに締結にこぎ着けた。

GSOMIAには北朝鮮に関する軍事・安全保障情報を交換することで、北朝鮮の軍事的脅威への日韓両国の対処能力を高める狙いがある。これは米国が日米韓北東アジア共同防御システムを構築するうえでの重要な一歩となった。

このため、韓国のGSOMIA破棄によって、北東アジアに共同防御システムを構築しようとする米国の戦略は深刻な頓挫を来した。そこでポンペオ氏は遺憾の意を表明するとともに、日韓による摩擦の調整、紛争解決、協力継続を望んだ。

その一方、日本の損害は米国よりも深刻だ。日本は韓国の力を借りて朝鮮半島問題の解決に深入りすることを望んでいるからだ。GSOMIAは日本が大国としての役割を発揮し、大国としての地位を高めるのにプラスだ。また、日本の収集する北朝鮮の軍事情報は韓国にも米国にも及ばないため、日本の得る情報価値の方が大きい。GSOMIA破棄という韓国のやり方は、日本の対朝鮮軍事情報収集能力にとって打撃であり、地域及び世界の大国としての自らの地位を高めるという日本の戦略の夢にとっても打撃となった。従って、日本の被る損失と損害は米国と比べて少しも小さくない。

だが現在の状況では、日本も韓国に屈服することは断じてできず、力を誇示し続ける他ない。韓国もエスカレートする日本の制裁措置に屈服することは断じてできず、報復拡大という強硬な対応策を講じることになる。従って、日韓関係は短期間で解決不能な状態に陥った。

米国は日韓関係に対して政策調整の必要があるが、こうした政策的・戦略的必要性は差し迫ったものでもない。トランプ氏の地域戦略とオバマ政権の地域戦略は大きく異なるからだ。トランプ氏は米国の経済的利益を大きくすることを望んでいるが、地域同盟政策によって米国の支払う代償が増えるのは間違いない。この意味において、日韓GSOMIAの終了は、米国にとって余り大きな戦略的損害はない。トランプ氏がより重視しているのは、日韓両国に米軍駐留費をさらに多く支払わせることで、米国が経済的利益を勝ち取り、大金を払わぬまま、北東アジア地域の国々に軍を駐留して、北東アジア地域の戦略的均衡を保つ効果を得ることだ。

また、日韓関係の一層の悪化は、日中韓自由貿易協定(FTA)の交渉プロセスも損なっている。日中韓のFTAがあってこそ、三カ国はさらに大きな経済的利益を得て、自国及び地域の長期的で持続可能な経済成長を促進することができる。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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