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在日本中国大使館ウェブサイトによると、孔鉉佑駐日大使は23日、共同通信加盟社論説研究会で講演し、中日関係などについて立場と主張を明らかにするとともに、記者の質問に答えた。
在日本中国大使館ウェブサイトによると、孔鉉佑駐日大使は23日、共同通信加盟社論説研究会で講演し、中日関係などについて立場と主張を明らかにするとともに、記者の質問に答えた。研究会には日本の大手メディアや地方メディアの代表約50人が出席した。
孔大使は中日関係について「中日は重要な近隣国であり、世界第2、第3の経済大国でもある。中日関係は両国にとって最も重要な二国間関係の1つであるだけでなく、アジアさらには世界全体にも極めて重要な影響を与える。現在世界情勢は過去百年なかった大きな変動を迎えており、中日両国もそれぞれ新たな時代に入った。新たな情勢の下、われわれは世界の大勢に着眼し、時代の潮流に順応し、歴史的チャンスをしっかりと捉え、新たな時代の中日関係の内包を高め、豊かにし、両国関係の長期安定的発展を後押しするべきだ」と指摘。このためにしっかりと把握すべき三大基調として以下を挙げた。
(1)戦略的相互信頼という基調。「和すれば共に利し、争えば共に傷つく」。これは歴史が中日両国に残した重要な啓発だ。双方は上層部のリードを強化し、緊密な意思疎通を保ち、政治的相互信頼を増進し続ける必要がある。重点として、相手国の発展を客観的かつ理性的に認識し、受け止め、パートナー意識を培い、増進し続ける必要がある。中日間の4つ目の基本文書において、両国は互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならないことを確認した。双方は実際の行動によってこの約束を具体的に実現させ、この重要な政治的共通認識が真に社会的コンセンサスとなって拡大するようにする必要がある。
現在両国関係の発展を制約する最大の不足点は安全保障分野の相互信頼であり、これを非常に重視する必要がある。両国首脳は建設的な二国間安全保障関係を構築する考えで一致した。双方はこれを契機に、冷戦思考とゼロサムゲームの古い安全保障観を棄て、共通の、総合的、協調的、持続可能な新たな安全保障観を確立し、安全保障分野の交流・対話・協力という大仕事を仕上げ、堅固な戦略的互恵・相互信頼を一歩一歩確立する必要がある。
(2)互恵協力という基調。中日は潜在的競争相手ではなく、協力パートナーだ。双方はこの意識を強化し、互恵・ウィンウィンのパートナーとなり、チャンスを共有し、共に発展し、共に繁栄する道を歩む必要がある。新たな科学技術産業革命と世界経済発展の潮流に着眼し、中日の経済貿易協力の質的向上と高度化を後押しし、両国の利益の融合を全面的に深め、科学技術革新、経済、貿易、投資、財政、金融、医療、健康、療養、介護、看護、省エネ、環境保護、観光など広範な分野で互恵協力を強化する必要がある。様々な圧力や妨害を排除し、人為的に障害を設けず、両国企業に公平、無差別、予測可能なビジネス環境を提供する必要がある。
中日は「一帯一路」共同建設において、やれる事が大いにある。安倍首相は二階俊博幹事長率いる訪中団を「一帯一路」国際協力サミットフォーラムに2回派遣して、日本側の前向きな意向を形にした。「一帯一路」は「共に話し合い、共に建設し、共に分かち合う」原則を堅持し、開放、エコ、廉潔の理念を実行し、高い質、高い水準、民生重視、持続可能性を追求している。「一帯一路」の枠組での双方による第三国市場協力には多大な相互補完の強みと協力の潜在エネルギーがあり、二国間及び多国間の互恵・ウィンウィンを実現することが完全に可能だ。
(3)世々代々の友好という基調。中日には二千年余りの友好的交流の歴史と深く厚い歴史的・文化的根源がある。中日は共に東洋独特の文化的背景、価値理念、思想的共通性を有しており、混乱し交錯する現在の国際情勢の下、その時代的価値は日増しに顕在化している。両国首脳は中日ハイレベル人的・文化的交流協議制度の年内始動を決定した。これは両国のさらに深いレベルの人的・文化的交流と感情的共鳴の実現を推進するうえで重要な意義を持つ。
客観的で友好的な社会世論環境を共同で築く必要がある。数年前、中日関係が困難な局面に陥ったことで、両国の国民感情も冷え込んだ。近年、日本国内では中国に関して理性的な声が多少増えたが、対中認識に偏りのある人々はまだいる。私はメディアがしっかりと責任を負い、懸け橋としての役割を果し、ポジティブでプラスの、客観的な情報を伝えて、両国民が相手側を正しく理解し、良好な相互作用を形成できるようにする必要があると考える。両国のメディアは広範で踏み込んだ交流を行い、相互信頼と相互理解を増進し、互いの努力を通じて、両国が相手国をより理性的、客観的、包摂的に受け止めるよう誘導し、新たな時代の中日関係のために良好な社会的基礎と民意の環境を築く必要もある。(編集NA)