中国人はどんなナイトライフを送っている?―中国メディア

人民網日本語版    2019年8月23日(金) 21時0分

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中国商務部が発表した都市住民の消費習慣に関する調査報告によると、消費の60%は夜間に発生しており、デパートでは毎日午後6-10時の売上高が一日の半分以上を占めるという。

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中国商務部が発表した都市住民の消費習慣に関する調査報告によると、消費の60%は夜間に発生しており、デパートでは毎日午後6~10時の売上高が一日の半分以上を占めるという。中国中央テレビの財経チャンネルが伝えた。

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「ナイトタイムエコノミー」は今や都市の消費を牽引する新たな成長源だ。最近は各地方政府が「ナイトタイムエコノミー」の推進に力を入れ、北から南まで、「ナイトタイムエコノミー」の消費・業態はさらに多様化している。

■湖南省長沙市:グルメの集積地、グルメ体験が新たなランドマーク

夕方になると、特色ある花鼓戯が上演され、長沙のナイトライフの幕が開く。打楽器の音が鳴り響く中、集まるのは現地の人々だけでなく、全国各地からも観光客が訪れ、長沙の夜のドラマが次々上演される。

臭豆腐(豆腐で作られる加工食品)は長沙の有名な特色ある軽食だ。董順桃さん(64)は33年にわたって臭豆腐作りを手がけ、長沙臭豆腐の継承者であり、長沙の最も伝統的な製造方法を今に伝えている。長沙で董さんの臭豆腐を食べるのが、長沙を訪れた多くの観光客にとって欠かせないオプションだ。

董さんの臭豆腐を食べられるレストランはインテリアに独特のスタイルがあり、味は本格的で、今やネットで有名な「長沙でぜひ訪れたい店」だ。臭豆腐だけで1日8000個も売れてしまう。董さんによると、「夜の9時から深夜1時までが一日で一番忙しい時間帯」という。

ザリガニは長沙の特色ある軽食で、1晩で4000キログラムを売り、3000~4000人が行列を作る店もある。

デリバリーの美団外売の2019年上半期午後9時~午前4時の時間帯における夜食デリバリー統計データによると、長沙の夜食デリバリーの受注量は前年同期比50%以上増加し、注文時間は午後9~11時に集中し、この時間帯の注文全体の約70%を占める。また、午前3~4時の注文量は同160%増加した。

■四川省成都市:ライブハウスがナイトライフに花を添える

週末の成都の夜には、小規模なコンサートに200人近い人が集まり、会場はほぼ満員になる。コンサート会場はライブハウスと呼ばれる「生の音楽が聴ける場所」で、チケット代は数十元(数百円)から100元(約1500円)前後と安い。コンサートだけでなく、演劇やマジックのパフォーマンスもよく上演され、映画上映会も不定期に開催され、ほぼ毎晩、何かイベントをやっている。

成都の夜は昼間よりも華やかだ。錦里古街を訪れる観光客は、昼より夜の方が多く、午後10時になっても、錦里結義楼のステージは空席がないほど盛況で、川劇の変面が上演される。変面は成都を訪れた観光客にとっては外せない演目だ。

川劇の役者・雷偉さんは毎日ここで変面のステージを7回こなし、変面は今や観客が最も期待する舞台のクライマックスとなっている。2014年に雷さんは川劇の舞台に出演する機会がなく、やむなくタクシーの運転手に転職し、当時の月収は2000元(約3万円)ほどしかなかったとは、今では想像もできない。

雷さんは15年に錦里結義楼の舞台に返り咲き、月収は1万元(約15万円)を超えた。

夜の帳が下りた午後7時、狭い路地にある書店で歴史を学ぶ講座が始まり、9時を過ぎて終了した。

この書店は昨年オープンしたばかりで、毎日夜になると無料の講座を開く。18年にオープンして講座を始めた当初、一回の参加者は40人ほどだった。それが今年になると、最も人気がある講座には180人集まったという。66元(約1000円)か99元(約1500円)を出して講座の講師が推薦する本を買えば、講座に2~4回参加できるという。

「阿里巴巴(アリババ)『ナイトタイムエコノミー』報告」によると、外食、ショッピング、映画など夜間消費の成長ペースが速く、夜間消費は深夜ビジネスの活力もかき立てる。一線都市・二線都市の口コミ人気店の83%が午後11~12時に営業し、60%以上が12時を過ぎても引き続き営業するという。

■北京市:24時間書店がナイトライフの新たな人気スポット

北京は社会消費財小売総額の消費が全国で2番目の都市だ。書店をレストランや商店が集まるエリアや最もおしゃれなエリアに開き、24時間営業するのが、多くの都市の発展戦略になっている。

三里屯は北京でトレンドに敏感な人が集まるエリアで、バーが立ち並ぶ間に、バーよりも長く店を開ける24時間営業の三聯韜奮書店がある。大勢の若者が写真を撮りにやって来て、午後12時を過ぎても、店内では大勢の人が本を読んでいる。

今は携帯電話や電子書籍が広く普及し、実店舗の書店は業績が芳しくない。こんな中、夜に営業する書店を開くのは実はとても難しいことだ。

同書店の姜軍店長は店内の最もよい場所にカウンターを設置し、コーヒーやフルーツティーのほか、スイーツやアイスクリームも提供する。ここに来るのは本を探すためだけでなく、仲良しの女友達で集まるという人もいれば、図書館のように利用して本を読むだけで買わないという人もいる。

しかし姜さんは「それでいい。こうした大胆なチャレンジが真に価値あるリターンにつながる。三聯韜奮書店が24時間営業を始めた日には、一日の売上高が1万元(約15万円)を突破した。ここ1年ほど、こんな小さな書店がかき入れ時には1晩の売上高が平均7000元(約10万円)前後に達する」と述べた。

19年7月12日、北京市商務局は「北京市のナイトタイムエコノミーのさらなる繁栄と消費の伸び促進に関する措置」を発表し、映画や読書といった明確なテーマを掲げた「夜の北京」の文化レジャー活動を計画実施するよう提起し、引き続き24時間営業の実店舗書店を支援するとした。出版社の中には年間100回を超える読書会を開催したところがあり、24時間書店が増えるにつれ、各書店の読書会の50%が夜に開催されるようになった。

上海市:「ナイトタイムエコノミー」消費が最も盛ん

中国の「不夜城」といえば大都市の上海だ。19年上半期の社会消費財小売総額は全国都市のトップで、「ナイトタイムエコノミー」が最も盛んな都市だ。夜のレストラン消費、文化娯楽消費も全国トップクラスだ。上海の夜には、世界各地から来た文化公演を楽しむことができ、24時間営業のコンビニや夜間営業のジムも次々誕生している。

南京路につながる六合路では、このほど初めてマーケットが開催され、独自の特色を備えた文化クリエーティブな「夜遊会」が、大勢の市民と観光客を引き寄せた。50を超える屋台には、さまざまな文化クリエーティブグッズが並び、アクセサリー、飾り物、おもちゃなどたくさんあって目移りするほどだった。

上海市商務委員会は今年4月から、9機関と共同で上海「夜7時から翌日6時まで」のナイトタイムエコノミー繁栄発展事業を進めている。「国際スタイル」、「上海テイスト」、「ファッショントレンド」を備えたナイトライフの集積地になることが目標だ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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