EC活用で文化クリエイティブグッズを大ヒットさせた中国の博物館 

人民網日本語版    2019年8月21日(水) 19時10分

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近年、中国の博物館が所蔵品などをモチーフにした文化クリエイティブグッズを打ち出して大ヒットし、歴史・文化の分野の新たな「ネット上の人気者」となっている。

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近年、中国の博物館が所蔵品などをモチーフにした文化クリエイティブグッズを打ち出して大ヒットし、歴史・文化の分野の新たな「ネット上の人気者」となっている。北京日報が報じた。

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博物館のバラエティーに富む数々の文化クリエイティブグッズが、18日に開催された第1回天猫新文化クリエイティブ大会で披露された。清華大学文化経済研究院とオンラインショッピングモール・天猫(Tmall)が共同で発表した「新文化クリエイティブ消費動向報告」によると、過去1年、ショッピングサイト・淘宝と天猫だけでも、博物館の旗艦店のアクセス回数が延べ16億回を超えた。中国全土の博物館来場者数の1.5倍に当たる数だ。ECプラットフォームと連携して、博物館の文化クリエイティブグッズの若者ファン獲得加速を推進し、さらには歴史・文化の継承を後押ししている。

「599歳」になる故宮のファンの多くは「90後」

清の第6代皇帝・乾隆帝と、中国明代に活躍した文人・唐伯虎のどちらが天猫での集客力が高いのだろう?その答えは乾隆帝で、その販売量は唐伯虎の10倍だ。どちらにしても、そこに反映されているのは、乾隆帝と唐伯虎のお金になる文化クリエイティブグッズ・モチーフとしての実力の違いだ。

故宮は早くも2010年10月に、淘宝で関連グッズのオンライン販売を始めた。当初販売されていた商品は観光スポットのお土産とそう変わらず、値段も高く、クオリティもそれほど高くなく、新鮮味もなかった。しかし、13年ごろになって、故宮は淘宝で、かわいらしいグッズを販売するようになり、そこから各種文化クリエイティブグッズが大ヒットするようになった。そして、他の博物館も次々と故宮のスタイルを参考にして文化クリエイティブを打ち出すようになり、多くの博物館がかわいいグッズをオンライン販売するようになった。

所蔵している文化財「唐粉彩仕女俑」をモチーフにし、中国の水墨画の手法を採用して、陝西歴史博物館がデザインして打ち出した「唐◆」(◆は女へんに丑)シリーズのグッズは、ほんわかした雰囲気でかわいらしい。同じく唐代の官女をモチーフにして、文化博物番組「国家宝藏(NATIONAL TREASURE)」が打ち出した「大唐女団」のフィギュアもとてもユニーク。官女たちが自撮りをしたり、ショッピングをしたり、ボクシングをしたりしている姿を見ると、古代の官女が現代社会に溶け込んでいるように感じる。

故宮は今年「599歳」を迎え、頤和園は「269歳」、英国の大英博物館は「266歳」だ。しかし、これらの歴史ある博物館はECプラットフォームを活用するようになって以降、「若返り」を実現しており、たくさんの若者のファンも獲得した。「新文化クリエイティブ消費動向報告」によると、過去1年、淘宝と天猫だけでも、博物館の旗艦店のアクセス回数が延べ16億回を超えた。中国全土の博物館来場者数の1.5倍に当たる数だ。そして、アクセス者のうち1億人が「90後(1990年代生まれ)」だった。

世界の博物館が中国のECプラットフォームに競って進出

世界の有名博物館24館が現在、天猫に進出しており、故宮だけでも淘宝と天猫に6つのショップを設置している。天猫に進出している博物館を見てみると、海外の博物館も少なくないことが分かった。海外の博物館のうち、最初に天猫に進出したのは英国の大英博物館で、ショップオープンからわずか16日間で全ての商品が完売するほどの人気ぶりとなった。

大英博物館の旗艦店で最もよく売れているのが所蔵文化財の要素が盛り込まれたクリアファイルで、1つ6元(1元は約15.1円)だ。

世界4大博物館の1つに数えられるロシアの冬宮殿(エルミタージュ美術館)や、米国のボストン美術館、オランダのゴッホ美術館、フランス国立美術館連合(RMN)などビッグネームの博物館も天猫に進出する準備を進めているという。

中国だけでなく海外の博物館も競い合ってECプラットフォームに進出している背後には、毎年100%以上のペースで急成長する中国のオンライン博物館文化クリエイティブ市場がある。統計によると、過去2年、淘宝と天猫のプラットフォームだけを見ても、文化クリエイティブグッズの販売が3倍増え、博物館が運営するショップの取引規模も2年で6倍増えた。

博物館自身がミュージアムショップで打ち出す文化クリエイティブグッズと比べると、博物館が垣根を越えて他のブランドとコラボして打ち出すグッズのほうが、若者には人気がある。「新文化クリエイティブ消費動向報告」によると、業界を跨ぐコラボグッズが文化クリエイティブグッズ市場に占めるシェアは72%に達している。つまり、コラボグッズの規模は博物館自身がミュージアムショップで扱うグッズの3倍ということになる。

今年に入り、コラボグッズのうち故宮の口紅、「江南四大才子春茶」、「中国探月計画棒棒糖(スティックキャンディー)」の3種類が、ネットユーザーが争奪戦を繰り広げるほどの大ヒット商品となった。「江南四大才子春茶」は蘇州博物館とお茶ブランドが共同で打ち出した商品。また「探月計画棒棒糖」のほうは中国の月探査プロジェクトとスティックキャンディーブランドが共同で打ち出したもので、発売当日に10万個も売れた。

今年4月、陝西歴史博物館で、オープンしたばかりのオンライン旗艦店とネット通販大手・京東が共同で文化クリエイティブグッズの展示を行った。瓦当(屋根瓦の一番軒先の丸瓦)をモチーフにした本のしおり、鍍金銅蚕のブローチ、唐代の官女のマグネットなどが来場者の目を引いていた。歴史・文化グッズのデザイン・開発に、多くのECプラットフォームが今、垣根を越えて参入している。文化クリエイティブグッズとインターネットの融合は、より多くの若者の間で中国の伝統文化が受け継がれていくことを後押ししている。(編集KN)

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