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香港の「逃亡犯条例」改正案撤回、民主派「遅過ぎる」と反発、デモ収束は不透明

配信日時:2019年9月6日(金) 16時50分
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香港政府トップの林鄭月娥行政長官が大規模なデモの発端となった「逃亡犯条例」改正案の正式撤回を表明した。民主派は「遅過ぎるし、不十分」と反発。デモが収束するかは不透明だ。写真は香港。

香港政府トップの林鄭月娥行政長官が4日、市民らの大規模なデモの発端となった「逃亡犯条例」改正案の正式撤回を表明した。市民に「話し合いによる解決」も呼び掛けたが、改正案の完全撤回を含む「五大要求」を掲げてきた民主派は「遅過ぎるし、不十分」と反発。デモが収束するかは不透明だ。

テレビを通じて市民に向けた談話を発表した林鄭長官は「(中国本土への犯罪容疑者引き渡しを可能にする)改正案をめぐる混乱は全ての香港市民に衝撃を与え、不安と苦痛をもたらした。目前の困難な情勢から早期に抜け出すことが必要だ」と強調。政治的意見や社会階層の異なる市民らとの対話を通じ、相互理解を深めたいという見解を示した。6月以降、大規模な抗議活動が頻発する中で、デモ隊側の要求に応じたのは初めてだった。

5日に記者会見した林鄭長官は、過去数カ月、改正案の無期限延期を表明し続けてきたとして、基本的な姿勢は変化していないと説明。「中国政府は今回の決定を支持している」とも繰り返した。改正案については、立法会(議会)再開後の保安局長の宣言で、正式に撤回が成立すると述べた

一方で「五大要求」のうち、残りの「林鄭長官の引責辞任」「警察の暴力に対する調査」「拘束されているデモ参加者の釈放」「民主的な普通選挙の実現」は拒否。逆に▽警察の監査組織の拡充▽諸問題に関する各界有識者の研究会招集―の特別行動計画を提案した。

条例案撤回について、中国メディアは国内向けには短く伝えただけだったが、共産党機関紙・人民日報系の環球時報は英語版で大きく報道。中国がデモの平和的な解決に取り組んでいる姿勢を国際社会にアピールした。

中国は10月1日に国威発揚の機会として重視する建国70年の記念日を控えている。中国政府としては3カ月近く続くデモが鎮静化する見通しが立たないことから、香港政府に一定の譲歩を容認したとみられる。

正式撤回を受け、台湾を訪問中の香港の民主活動家・黄之鋒氏は「五大要求」で最重視する「真の普通選挙」が実現されるまでデモを続ける考えを示した。台湾メディアによると、黄氏は香港で市民が抗議活動を続ける根本の原因は民選の政府がないことだと言及し、中国共産党を前に「われわれが必ず勝つとは言わない。でもこれは言わなければならない。われわれは負けたくない」と述べたという。

香港メディアなどによると、市民グループは15日にも大規模なデモを計画している。「一国二制度」が揺れる香港情勢の先行きは依然として予断を許さない状況だ。(編集/日向)

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