上海ディズニーランドの食べ物持ち込み禁止、多くの人が「勘違い」していること―中国メディア

配信日時:2019年8月16日(金) 17時0分
上海ディズニーの食べ物持ち込み禁止、多くの人が「勘違い」している
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中国メディアの新京報は15日、上海ディズニーランドの食べ物持ち込み禁止の規定が物議を醸している問題で、法学者の王琳(ワン・リン)氏による解説記事を掲載した。写真は上海ディズニーランド。
中国メディアの新京報は15日、上海ディズニーランドの食べ物持ち込み禁止の規定が物議を醸している問題で、法学者の王琳(ワン・リン)氏による解説記事を掲載した。

上海市浦東新区に2016年6月16日にオープンした上海ディズニーランド。当初は「食べ物持ち込み禁止」の規定はなかったが、17年11月に食品、酒類、600ミリリットルを超える飲料などの持ち込みが禁止となった。

騒動の発端は今年、大学生が上海ディズニーランドを訴えたこと。スタッフからかばんの中身を検査され、所持していた食品について「80元(約1200円)支払ってロッカーに預けるか、その場で食べるか、捨てるかしなければ入園させられない」と言われたという。大学生はこれに不満を抱き、食品の費用分の賠償や「持ち込み禁止」規定の無効を求める訴えを裁判所に起こし、受理された。

実は、上海ディズニーランドは昨年にもほぼ同様の理由で訴えられている。しかし、その際は訴えが退けられた。上海の浦東新区法院(裁判所)はその理由を「企業は自主経営権と管理権を有しており、被告の経営方式はすでにビジネスモデルや国際慣例となっているほか、中国当局の認可も受けている。原告が『かばんを開けての検査』と『食品携帯不可』が権利侵害に当たる行為と認定することは、民事訴訟法の曲解である。原告と被告の争議は民事訴訟法の意義上の訴えとして成立しない」と説明したという。

ではなぜ今回の大学生の訴えは受理されたのか。王氏によると、大学生は上海ディズニーランドのチケットをスマートフォンの某アプリを通じて購入したが、その際に食べ物持ち込み禁止の規定があるということが明示されていなかったと主張している。つまり、上海ディズニーランドが告知義務を果たしていなかった可能性があるというのだ。王氏は「(中国の)契約法第39条では、定型約款を提供する者は、必ず合理的な方法で責任の免除あるいは制限に関する条項を提示しなければならないとされている」と指摘。「上海ディズニーランドとアプリがどのような関係性であれ、消費者への告知義務を免れることにはならない」としている。

その上で、多くの人が勘違いしていることとして、「定型約款の無効は、企業側が告知義務を果たしていなかった場合には成立するが、定型約款自体に問題があるということにはならない。本件において無効が確認されても、あらゆる『食べ物持ち込み禁止』の規定がすべて無効になるわけではない」と解説した。

王氏はまた、法律の専門家が「ディズニーランドの面積は広く、遊ぶのに時間がかかり、来園客には飲食の需要が生じる。ディズニーランドは一度外に出て食事をして再入園することを認めてはいるものの、来園客にとっては不便である。来園客が遊ぶ時間を無駄にしたくなければ、園内で非常に高い食べ物を買わざるを得ない」とし、これが「強制消費」に当たるとの見解を示していることを紹介した。

しかし王氏は、「来園客が、便利に、安く、おいしいものを食べ、遊ぶ時間も節約したいというのは、やや横暴ではないだろうか」と指摘。「ファストフード店に入ると、コーラが1杯7元(約105円)で販売されている。スーパーに行けばおそらく2元(約30円)だろう。これは強制消費に当たるだろうか。当たらない。なぜなら自分でスーパーに買いに行けばいいからだ。しかし(消費者は)『スーパーに行くのは遠い。スーパーまでコーラを買いに行ったら(ファストフード店に戻ってきて)また並び直さなければならないから時間の無駄。外で買ってきたコーラとチキンをおたくの店で食べたい』などと言うことはできない」とした。

さらに、「来園客に園内での飲食の需要があることや、園内の食品の価格が高いことは、いずれも『食べ物持ち込み禁止』に問題があると認定する理由にはならない。園内は広く、来園客には交通の需要が生じるが、ではなぜ自家用車で園内に入ることは許されないのか。消費者だけの立場に立つのなら、『車での入園禁止』も同じように問題がある規定として無効化の対象になるだろう」と主張した。

王氏はまた、アジアの3つのパークと欧米の3つのパークで食べ物の持ち込み規定が異なることに「アジア人差別だ」との批判が上がっていることにも言及。「上海ディズニーランドの食べ物持ち込み禁止は、国籍によって適用されるものではない。つまり、中国人の来園客も海外からの来園客も、上海ディズニーランドには食べ物は持ち込むことができない。同様に、欧米のディズニーランドでは欧米人もアジア人も食べ物を持ち込める。これのどこが差別なのか」と論じた。

そして、「ディズニーランドにはさまざまな方面で改善の余地がある」としながらも、「消費者はディズニーランドの価格やサービスに不満があれば“足で投票”(行きたければ行く、行きたくなければ行かない)すればよいのだ」としている。(翻訳・編集/北田
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  • ato***** | (2019/08/16 20:48)

    2005年の愛知万博のときもペットボトルの持ち込みは規制された。これはテロに備えて、ガソリンや灯油の持ち込みを警戒したためだ。ついこの間も愛知トリエンナーレのテロ予告があったが、いつの時代も同じことが繰り返されるようだ。
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  • 日本人***** | (2019/08/16 17:42)

     妙に正論?。告知義務については、ちょっと抜かったね(よくある『同意する』のワンクリックだけ設定しておけば良かったのに…)。しかし今回の件で『園内に食品類持ち込み禁止』は周知されてしまったから、同じ手を使ってのルール違反は難しくなるね。  ただ、明文化するのが難しい『マナー』については、どうだろう?  『書いていない』『知らなかった』が通用するなら、民度の低い中国人のやりたい放題ではないか。例えば『電車内で騒ぐな』なんて、一部のマナー啓発ポスターを除いて、改札口にも・切符売り場にも書いていない。民度の低い中国人には、そんな事まで教えてやらんといかんのか?  そもそも『嫌なら行かなきゃイイだろう』と思っているが、西欧文化?には憧れて行きたがるクセに、そのマナーが守れないなんて…。共産主義の社会で育っているから、西側的な場所?に行けば『金さえ払えば・何でも自由』とでも思っているのだろうか?
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