国営メディアまでが批判した上海ディズニーランドをジャーナリストが擁護、「飲食店への持ち込み禁止と何が違うのか」―中国

Record China    2019年8月15日(木) 13時50分

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中国メディアの新京報は14日、上海ディズニーランドの食べ物持ち込み禁止の規定が物議を醸している問題で、「飲食店への酒持ち込み禁止とどう違うのか」と訴えるコラム記事を掲載した。

中国メディアの新京報は14日、上海ディズニーランドの食べ物持ち込み禁止の規定が物議を醸している問題で、「飲食店への酒持ち込み禁止とどう違うのか」と訴えるコラム記事を掲載した。著者は中国人ジャーナリストの陳興傑(チェン・シンジエ)氏。

騒動の発端は今年初め、中国の大学生が上海ディズニーランドに入ろうとしたところ、スタッフからかばんの中身を検査され、所持していた食べ物について「80元(約1200円)支払って預けるか、その場で食べるか、捨てるかしなければ入園させられない」と言われたこと。不満を覚えた大学生は、後日、裁判所に訴えを起こした。

これを受け、上海ディズニーランドの対応に「食べ物の持ち込み禁止はおかしい」「かばんの中身を検査されるのはプライバシーの侵害」などの声が殺到。国営メディアが上海ディズニーランドを批判したほか、弁護士ら専門家からも相次いで「消費者権益保護法に違反する」との見解が示された。

しかし陳氏は、「多くの飲食店やカラオケボックス(KTV)にも、酒類の持ち込みなどを禁止する規定があるが、こうした店を批判する人は少ない。もし実際に『俺は持ち込んだものを食べる。お前の店では買わない』という人がいれば、普通はデタラメなことを言うチンピラと見られるだろう」と指摘。「道理は簡単。店に入るなら、その店のルールに従うということだ。持ち込み可なのは店側の配慮であって、持ち込み禁止が道理だ。しかし、これが上海ディズニーランドとなると、多くの人は(この道理が)適用されないと感じる。彼らは上海ディズニーランドが特殊だと考えているが、本当にそうだろうか」と疑問を投げ掛けた。

その上で、上海ディズニーランドが批判を浴びる理由として、まず「園内は広く、大勢の人が訪れる場であり、観光地のようなもので公共の場所にあたる。公共の場所では、事業者が勝手にルールを定めることはできない。ルールを定めるとしても、食べ物の持ち込みを禁止している観光地がどこにある」といった考え方があると紹介した。

しかし陳氏は、「ディズニーランドの面積がどれだけ広大であろうと、一つのパークにすぎず、財産権はディズニーランドに帰属する。性質上、ディズニーランドも飲食店も映画館もデパートも区別はない。小規模店の財産権だけが尊重されるというなら、法律やルールの公平性など論じられるだろうか」と主張した。

また、「上海ディズニーランドは米ウォルト・ディズニー社と(国営資本100%の)上海申迪集団の合弁事業により建設された。国の資本が入っているのだから、人民の利益に配慮すべきだ」という声があることについては、「上海ディズニーランドは市場運営の主体であり、その背景や構造がどうであれ、財産権のもとでルールを定めることが尊重されなければならない。私は、『国営企業』や『全国民所有制』を名目に好き放題することには賛同しない」と反論した。

さらに、「食べ物を持ち込ませないのはもうけたいからだ。園内は広いのに一つの企業しか販売できないのは独占ではないのか」との指摘に対しても、「持ち込み禁止には売上という理由もあるだろう。ほかにも、衛生面のコストやブランドの統一を図るなどの目的もあるかもしれない。しかし、ディズニーランドがもうけようとすることは間違いとは言えない」とした上で、「問題は不当な独占によって利益を得ているかどうかだが、まず、ディズニーも他の娯楽産業との競争に直面しており、入園料は非常識なほど高くなることはあり得ない。消費者がその足で投票している限り、常に競争状態にある。では、ディズニーランドは食べ物を法外な値段に設定するか。答えは否。消費者が園内のどの店にへ行ってもぼったくられるのであれば、全体の売上が落ち込み、利益と来園客の満足度が損なわれ、結果としてディズニーランド自身がダメージを受けることになる。実際の価格が高いかどうかは人によって判断が分かれるだろう。何度も足を運んでいる私の家族や友人は、外よりは高いが受け入れられるレベルと話している」と論じた。

このほか、「欧米の3つのパークとアジアの3つのパークで規定が異なるのは不公平だ」という声があることについては、「公平を求めることは企業の財産権を無視している。世界のディズニーランドがそれぞれにルールを設定しているのは、単純に地域ごとに運営戦略を定めているから。上海ディズニーランドは管理層から末端のスタッフまで、その圧倒的多数が中国人である。彼らが中国の消費者を差別する理由はどこにあるのか」とした。

陳氏は、今回の騒動の真の問題が「かばんをあさる行為」にあると指摘。「こうした方法は、来園客の印象を悪くし、権利を侵害するもの。食べ物持ち込み禁止のルールを守らせるためであっても、園側にはかばんの中まで捜索する権利はない」とし、問題を分けて考える必要性を訴えた。(翻訳・編集/北田

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