IMF・人民銀報告「人民元相場は中国経済の基本面に合致」

人民網日本語版    2019年8月12日(月) 19時10分

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国際通貨基金(IMF)はこのほど中国経済に関する4条協議(年次経済審査)の結果報告書を、中国人民銀行(中央銀行)は「2019年第2四半期中国金融政策執行報告」をそれぞれ発表した。

人民元相場の水準は経済の基本的側面にほぼ合致している。下落もあれば上昇もあり、双方向に変動し、合理的でバランスの取れた水準でほぼ安定を保っている。——国際通貨基金(IMF)はこのほど中国経済に関する4条協議(年次経済審査)の結果報告書を、中国人民銀行(中央銀行)は「2019年第2四半期中国金融政策執行報告」をそれぞれ発表し、このような結論に達した。最近、議論の的になっている人民元相場が「1ドル7元」(1ドルは約105.4円、1元は約14.9円)に達したことと、いわゆる「為替操作国」の論調については、多方面から、「人民元相場の短期的変動は市場が後押ししたものであり、長期的な動きは経済の基本的側面が決定する」との見方が出ている。人民日報海外版が伝えた。

▽目立った高評価も低評価も存在しない

IMFは報告書の中で、2018年に中国の経常収支の黒字は減少し、人民元相場の水準は経済の基本的側面にほぼ合致しているとの見方を示した。IMF協定第4条の規定に基づき、IMFは毎年、作業チームを派遣して加盟するエコノミーに関する調査研究を進め、マクロ経済政策や経済発展情勢について各エコノミーと協議し、IMFの政策決定機関である理事会で討論を行っている。

IMFは報告書の中で、18年の中国の経常収支の黒字が国内総生産(GDP)に占める割合は前年比約1ポイント低下して0.4%になり、19年は0.5%の水準を維持することが予想されるとした。IMFの評価によれば、18年の中国の外貨準備は中期の基本的側面および実行可能な政策的対応の水準とほぼ合致したという。

IMFの中国部門ディレクターのジェームズ・ダニエル氏はメディアに対し、「18年の人民元相場の水準は経済の基本的側面とほぼ合致し、目立った高評価も低評価も存在しなかった。ここ数年、中国の経常収支の黒字は減少を続け、IMFは中国が人民元相場の柔軟性を増強し、引き続き中国経済のモデル転換を推進し、開放を拡大し、構造改革を推進するのを支援する」と述べた。

IMFの報告書によると、IMFの理事は中国の最近の改革の進展状況を高く評価し、特に金融機関における脆弱性の低下と経済の持続的開放で達成した進展を高く評価する。IMFは中国が引き続き経済のリバランスを推進すると同時に、マクロ経済政策を調整して貿易の緊迫した情勢がさらに激化する現在の状況に対処するよう提案するとしている。

中国国際経済交流センター米欧研究所の張煥波副所長は、「IMFの中国為替相場水準に関する結論は正確だといえるし、実際の状況に合致しているともいえる。通貨分野の国際的な専門機関として、IMFの研究には客観性と権威があり、一部の国の事実を無視した一方的な結論が完全に根拠のない成り立たないものであることを証明してもいる」と述べた。

▽市場の力が相場の変動を後押し

人民元相場の具体的な動きはどうだろうか。

短期的には、8月9日に人民銀が同報告を発表し、19年になると、人民元相場は市場の需給を基礎とし、バスケット通貨の変化を参考にし、下落もあれば上昇もあり、双方向に変動し、合理的でバランスの取れた水準でほぼ安定を保ったとの見方を示した。

上半期の人民元の対米ドルレート基準値は最高値が1ドルあたり6.6850元、最安値が同6.8994円で、118取引日の中で上昇した日が53日、低下した日が64日、据え置きが1日だった。単日の上昇幅は最大で0.70%(469ポイント)、同低下幅は最大で0.61%(414ポイント)だった。

同報告は、8月になると、国際経済金融情勢、一国主義的・保護貿易主義的措置、対中国追加関税の予測などの影響を受けて、人民元が米ドルに対して安くなり、ついに1ドル7元台に突入した。これは外貨の需給と国際為替市場の変動の反映であり、市場の力が後押しし決定したものだと指摘した。

長期的には、国際決済銀行(BIS)が発表したデータによれば、05年初めから19年6月にかけて、人民元の名目実効為替レートは38%上昇し、実質実効為替レートは47%上昇し、主要20カ国・地域(G20)のエコノミーの中で最も勢いのある通貨になり、世界的にみても上昇幅の大きい通貨になった。

張副所長は、「短期的にみれば、相場が変動するのは普通のことだ。目下、多くの国が金利を引き下げ、国際環境は不確定性に直面し、これに中国国内経済が下ぶれ圧力に直面していることが加わった。相場の変動は市場の状況に合わせて調整が行われていることを反映するものだ。また長期的にみれば、人民元の長期的で安定した値上がり傾向は変わらず、これは中国経済が世界の中で引き続き相対的に高い成長率を維持していることと一致する」と述べた。(編集KS)

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