日韓パートナーシップは「軌道を外れた」か?―中国メディア

人民網日本語版    2019年8月11日(日) 14時40分

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ここ数日、貿易紛争問題をめぐり、日本と韓国の対立がエスカレートし続けている。資料写真。

ここ数日、貿易紛争問題をめぐり、日本と韓国の対立がエスカレートし続けている。2日午前には、日本政府が輸出手続きを簡略化できる「ホワイト国」のリストから韓国を外す政令改正を閣議決定した。同日午後になると、韓国の洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官がコメントを出し、韓国も日本を「ホワイト国」から外すとともに、世界貿易機関(WTO)へ日本の輸出管理を提訴する準備を加速させるとした。

■貿易制裁が拡大し続ける

さきに日本の経済産業省は、7月1日より、半導体工業の材料3品目の韓国への輸出に際しての審査と管理を強化すると同時に、韓国の「ホワイト国」からの除外についてパブリックコメント(意見募集)を行うと発表した。産経新聞の報道では、寄せられた意見は4万件超、そのうち95%超が除外に賛成する意見だったという。

いわゆる「ホワイト国」とは、日本が安全保障の観点から認定した友好国だ。ホワイト国に軍民両用に使用されうる製品や技術を輸出する場合、日本のメーカーは輸出審査で優遇措置を受けることができる。韓国は2004年に日本政府によってリストに加えられ、リスト入りした唯一のアジアの国だった。改正された「輸出貿易管理令」が発効すると、韓国は初めてリストから除外された国になる。

韓国・聯合ニュースは、「日本が韓国をリストから外したことで、すでに輸出管理が強化された半導体工業の原材料3品目のほか、日本製品850品目の韓国への輸出も同じように輸出管理が強化される」と伝えた。読売新聞は「自動車に使用されるねじでも審査対象になる可能性がある」と伝えた。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は2日に招集した緊急国務会議で、日本政府の決定は韓国に対する「貿易報復措置」であると批判するとともに、「日本は今後起こりうる一切の事態の全責任を負わなければならない」と警告した。韓国政府関係者は韓国紙・中央日報に対し、「現在、日韓パートナーシップは軌道を外れた」と述べた。

■根源は歴史問題に

両国の貿易摩擦が始まると、韓国はしばしば日本に輸出制限措置を撤回するよう求め、日本に外交手段による問題の解決を呼びかけた。しかし7月12日に両国政府が東京で行った事務レベル会合でも、8月2日にタイ・バンコクで行った日米韓外相会談でも、実質的な進展は得られなかった。聯合ニュースは、「日本の立場に大きな変化はない。日韓の間には大きな隔たりが存在する」と報じた。

中国社会科学院日本研究所外交研究室の呂耀東(リュー・ヤオドン)室長は、「両国の対立は経済貿易レベルの問題にとどまらず、その根源は深層レベルの歴史問題にある」と指摘する。

昨年10月、韓国の最高大法院は第二次世界大戦中に徴用された徴用工4人に対する損害賠償を日本企業に命じる判決を出すとともに、当該企業の韓国内の資産の差し押さえを認めた。翌11月には、韓国が朴槿恵(パク・クネ)政権の調印した日韓慰安婦合意に基づく「和解・癒やし財団」を解散した。安倍晋三首相は、「韓国は日本にとって『信頼できない国』になった」とコメントした。

■日韓経済のいずれにも損害

日本経済新聞は「第二次世界大戦後で最悪の局面を迎えた日韓関係が長期にわたり続く可能性がある。半導体産業だけでなく、日韓経済も地域経済も大きな影響を受けることになる」と懸念を表明した。

韓国の産業通商資源部が今月1日に発表したデータでは、日韓二国間の貿易摩擦により、韓国の7月の輸出額は前年同期比11%減少して461億4000万ドル(約4兆8977億6000万円)になった。このうち半導体産業の輸出は同28.1%減少したという。

8月2日の東京証券取引所の日経平均株価の終値は2万1087.16円で、前日比2.11%低下し、取引終了前には5月に「令和時代」が始まって以来最大の下げ幅を記録した。

日本の韓国に対する輸出規制措置に対抗して、韓国はWTOへ提訴するための法的手続きの検討を始めたと発表した。

韓国国民の間では「日本製品ボイコット」のムードが日に日に高まりをみせている。韓国ギャラップの行った世論調査では、韓国国民の80%が「日本製品は買いたくない」と回答した。

韓国紙・中央日報は社説の中で、「日韓は隣国であり、二国間関係が完全に決裂することは避けなければならない」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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