<コラム>漢民族は世界を制する…。2

石川希理    2020年3月27日(金) 20時0分

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漢民族(中国)がアメリカにとって代わる世界。それは、近づいてはいるが、克服しなければならない因子が2つある。一つは「自由」だ。

漢民族(中国)がアメリカにとって代わる世界。それは、近づいてはいるが、克服しなければならない因子が2つある。

一つは「自由」だ。監視カメラが全土で2億台。それを6億台に増やすという話をTV番組でしていた。日本は現在500万台。犯罪も減るし、顔認証で支払いの金も、建物の鍵も入らない。日本でもコンビニで監視カメラで何を買ったか判断し、顔認証で支払いを済ませてしまう実験が始まっている。一概にそれが悪いわけではない。といって個人の箸の上げ下ろしまでが筒抜けというのはどうだろう。

「あ、あなた、服の糸くずを道路に捨てたね」

「あ、あなた、深夜に車も人もいないときに信号無視したね」

「あ、あなた、傘が相手の傘と、ぶつかったのに謝らなかったね」

「あ、あなた、アダルトビデオ借りたわね」

「あなたは、豚骨ラーメンが好きなんだ」

「なんだ、一番安い煙草吸っているんだ」

といったことにはならないだろうが(笑)、「え?そうなる?」(恐)(怖)

「○○首相はダメだ」といって逮捕されたのではかなわない。「自由」を制限されると、「競争」が制限される。人類が100万年、文明が起こって1万年程度、民主主義が議論されだして3000年ほどと、もの凄く大雑把に言える。その歴史の中で、国民総てが貧困層から抜け出して、なんとなく食べられるようになってきた国が、ここ半世紀ほどで現れだした。G7、+ロシア・韓国と言ったところだろうか。中国はまだ少し農村と都市の格差が大きすぎる気がする。中国自身も判っていて、底辺層のレベルアップの施策を展開しようとしたところで、今回の新型コロナ騒動である。

さて、豊かになった国々は、資本主義であれ、社会主義であれ、政治体制が異なっても民主主義を標榜している。この国民主体という民主主義の根幹は「自由・平等」だ。この二つの概念は相反する。自由であることと平等を、どうバランスを取るかという問題である。したがって「自由・平等」のそれぞれの内容も、国によって幅がある。

ただ基本的に経済も政治も、自由がないと発展せず、滅亡に向かう。経済界では、一強支配が出てくると、「自由」がなくなる。「自由」がなくなると、進歩が阻害されるのは理の当然だ。囲い込めば、企業は努力しないで利益を上げられるから、ほとんどのケースでは改良や進歩がなくなる。これは歴史の教えるところ。

「ギルド」、「座」という組織は学校の教科書にもあったと思う。競争が阻害されて発展しない、その弊害を打破するために、織田信長が「楽市・楽座」政策をしたことは有名である。元に戻る。中国は現在の処、アメリカと熾烈な競争をしている。ヨーロッパや日本の技術とも競っている。しかし、それが頭一つ抜けだすとどうなるだろうか。

その巨大な人口が、世界に著しい影響を与えるのは今回の新型コロナウイルスでよくわかった。更に国民の生活レベルが上がると、その力は増す。一帯一路政策で力の及ぶ範囲も増えた。なにせ、中国の人口は現在14億人。この数はアメリカの3億3千万人+EUの5億1千万人より、はるかに多い。

総ての技術・経済が中国により世界のスタンダードとなると、政治体制はともかく、「自由」な競争は阻害される。これは、世界的にもまた中国自身の発展にもマイナスである。

「中国スタンダード?そんなばかな!?極端だ!」

私自身もそう考えた。だが、中国があっという間に成長したのはここ20、30年のことである。平成になってからと言えばわかりやすいだろうか。日本がバブルに踊っていた時代には想像出来得ない成長だった。中華思想に裏打ちされた漢民族の勢いは止まるところを知らない。

つづく

■筆者プロフィール:石川希理

1947年神戸市生まれ。団塊世代の高齢者。板宿小学校・飛松中学校・星陵高校・神戸学院大学・仏教大学卒です。同窓生いるかな?小説・童話の創作と、善く死ぬために仏教の勉強と瞑想を10年ほどしています。明石市と西脇市の文芸祭りの選者(それぞれ随筆と児童文学)をさせていただいています。孫の保育園への迎えは次世代への奉仕です。時折友人達などとお酒を飲むのが楽しみです。自宅ではほんの時折禁酒(笑)。中学教員から県や市の教育行政職、大学の準教授・非常勤講師などをしてきました。児童文学のアンソロジー単行本数冊。小説の自家版文庫本など。「童話絵本の読み方とか、子どもへの与え方」「自分史の書き方」「人権問題」「瞑想・仏教」などの講演会をしてきました。

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