日本が直面する未曽有の国家アイデンティティーの危機―華字メディア

Record China    2019年8月6日(火) 12時40分

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5日、日本新華僑報網は、グローバル化の波が押し寄せている現代において、日本がアイデンティティの危機を迎えているとする、天津外国語大学教授の田慶立氏による評論記事を掲載した。資料写真。

華字メディア・日本新華僑報網は5日、グローバル化の波が押し寄せている現代において、日本がアイデンティティーの危機を迎えているとする、天津外国語大学教授の田慶立(ティエン・チンリー)氏による評論記事を掲載した。

田氏は「現在、世界は空前の不確定性に満ちた時期に入っており、日本も未曽有の国家アイデンティティーの危機に直面している」としたうえで、日本が直面する危機を四つ挙げている。

一つ目は、個人主義の突出だ。田氏は「集団主義が特徴的な文化だった日本が、戦後の平和憲法で個人の権利が十分に保障されるようになり、現在では個人主義がまん延するようになった」と説明。「個人主義のまん延はナショナリズムの希薄化や欠如を招き、この状況に日本の保守派政治家は深く憂慮している」とした。

二つ目は、消費主義の氾濫。田氏は「戦後の高度成長伴う大衆消費社会の到来が日本の現代化と民主化を促した一方、金銭至上主義、消費至上主義のまん延を招き、伝統的な価値観が持つ優位性について考え直す動きを生んだ」とし、「一部の右翼政治家による教育論語崇拝の言論まで飛び出すようにさえなった」としている。

三つ目は、米国崇拝主義の衰退だ。田氏は「戦後の長きにわたり日本は米国式の民主体制や思考、価値観を崇拝し、強力な日米同盟に基づく親米主義が日本の社会や政治家の思想基盤になってきた」とする一方、「今の米国は孤立主義外交政策を進め、日本をはじめとする同盟国にさえ牙をむくようになった」と説明。「状況が変化しているにもかかわらず、日本の政界にはいまだに米国崇拝主義に幻想を抱いている政治家が少なくない」と論じた。

四つ目は、民族国家の境界の希薄化。田氏は「インターネット技術の発展や移民ブーム、交通や通信技術の急発達に伴い、17世紀中期に生まれた民族国家の概念が日増しに希薄化しつつある」とし、「グローバル主義の流れの中で日本という民族国家の境界線が侵食され始めている状況は決して軽視することはできない」と説明している。(翻訳・編集/川尻

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