中国人はたくさん稼いでいるのになぜ使おうとしないのか―中国メディア

人民網日本語版    
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サイフがふくらめばふくらむほど、思い切ってお金を使うようになる。こうした「手切族の世界における鉄の法則」が最近の中国では通じなくなった。

サイフがふくらめばふくらむほど、思い切ってお金を使うようになる。こうした「手切族の世界における鉄の法則」が最近の中国では通じなくなった。新華網が伝えた。

データによると、2019年に入り、中国国民の1人当たり平均可処分所得は昨年以来の安定した増加傾向を維持しているが、平均消費支出の増加率は前年に比べ目立って低下し、両者の鋏状価格差は拡大した。

単純化して言えば、中国人はたくさん稼ぎながら、お金を使おうとしない。なぜだろうか。

実際、今は中国国民に消費をちゅうちょさせるさまざまな要因がある。

■消費の潜在力の構造が新旧でかみ合わない

よく知られているように、中国は今、新たな消費高度化の段階に入ろうとしており、大きな潜在力の掘り起こしが期待される。しかし消費の潜在力の構造をみると新旧がかみあっておらず、これが上記の矛盾をもたらした原因の1つと考えられる。

17年以降、中国国民の全体的な消費意欲指数が勢いよく上昇したと同時に、高額商品の消費意欲指数は低下を続け、19年に過去最低に達した。これまで消費の急速な伸びを支えてきた自動車は、18年以降は生産販売ともに低迷が続く。

中国工商銀行国際持株有限公司の程実(チョン・シー)チーフエコノミストはこうした状況について、「中国国民の消費高度化は目下、構造の新旧要素が交替する状況にある。消費高度化の古い要素は高額商品の消費に集中し、これは自動車や高級商品を中心とした消費だ。新しい要素は消費高度化の重心が低下し、高級商品から中級商品へ、一線・二線都市から三線以下の都市や農村地域へと向かう。新要素は消費意欲が高まり、旧要素は消費意欲が急速に低下している」と指摘した。

しかし供給構造はこうした変化にタイミングよく対応できていない。程氏の分析によると、自動車消費が周期の底へと落ち込んで古い要素の急速な衰えを招いたと同時に、小売業態、高級構造、とりまく環境などの要素が消費の重心が急速に低下する現状に対応できていない。新旧2つの力が移り変わる中で空白期が生まれ、消費の原動力が一時的に不足することになるという。

■質の高いサービスは供給不足

同じように供給サイドにも問題があり、消費者はサービス業に対して、「お金はあるが使うところがない」、あるいは「お金があるなら海外に行って使う」状況にある。

生活水準の向上にともない、中国の人々の文化・スポーツ・娯楽、旅行、教育、外食、家事サービス、医療・美容などのサービスへの消費ニーズがますます盛んになり、消費形態も実物消費からサービス消費へと急速に移り変わっている。中信証券が発表した研究報告によると、今年上半期の全国国民の1人当たり平均消費支出のうち、サービス消費(教育文化娯楽+交通通信+医療保険+住居)の占める割合は約55%だった。

しかしこれと同時に、中国の消費型サービス業には今でも有効な供給の不足、供給の質の相対的な低さ、供給の構造的な不均衡といった突出した問題がみられる。たとえば健康サービス分野では、中国高齢協会の報告をみると、現在の中国健康サービス産業の生産額は総生産額に占める割合が1.7%しかないが、先進国をみると日本では5.9%、米国では6.7%になるという。

そこで大量のサービス消費ニーズが海外に流れている。多くの中国人消費者が韓国に行って二重の手術を受けようと思い、食べ歩きのためだけに日本に行こうとする原因は単純なことだ。こうした成熟した細やかなサービスは、中国では得られないので、自分の足で外に出かけていくしかないのだ。

■不動産ローンが消費を圧迫

中国国民の収入は増加しているが、日常的な消費以外に、心を悩ませることやお金がかかることは実は少なくない。

民生証券研究院の解運亮(シエ・ユンリアン)チーフマクロアナリストは、「ここ数年、不動産市場の投資の過熱により不動産ローンの規模が大幅に拡大したことが、個人消費の伸びと収入の伸びがアンバランスになる主な原因の1つだ」と指摘した。

不動産には消費財と投資財と2つの属性があり、過去数年間の不動産市場の過熱の中では、投資の属性がより突出していた。同研究院がまとめたデータでは、大量の資金が流れ込んで金融機関の個人向け住宅ローンの残高は13年第1四半期の8兆5700億元(約137兆1200億円)から、19年同期は26兆8700億元(約429兆9200億円)に上昇し、年平均増加率は約21%となり、特に15年から16年にかけては増加率が倍増した。

解氏の分析では、「個人の消費支出統計には不動産の購入建設のための支出と自己所有物件の想定家賃が含まれていない。そこで収入が一定である状況の中、住宅ローンの支出が個人の消費支出を圧迫しているといえる」という。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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