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旺盛な消費意欲をもった中国人は、家にある古いものは捨てるには惜しく、捨てなければ場所を取るという新たな悩みに直面している。中国と海を隔てた隣国の日本も、数十年前の高度成長期に似たような悩みを抱え、その結果、非常に特色のある中古経済が誕生した。資料写真。
見たところ真新しい服も、トレンドが去れば着なくなる。携帯電話は1年もすると新機種が出てきて、使ってみたくなる。今や、旺盛な消費意欲をもった中国人は、家にある古いものは捨てるには惜しく、捨てなければ場所を取るという新たな悩みに直面している。国のレベルでいえば、活発な消費の背後には、行き過ぎた消費がもたらす環境保護や資源のリサイクルという難問が横たわる可能性がある。
中国と海を隔てた隣国の日本も、数十年前の高度成長期に似たような悩みを抱え、その結果、非常に特色のある中古経済が誕生した。
■「中古文化」の成り立ち
1960-70年代に、日本経済は高度成長を続け、民間に大量の富が蓄積され、「世界を買う」、「ひたすら買う」のが当時の日本人のよくある姿だった。90年代にバブルが崩壊して経済が長期的低迷に陥ると、日本人は生活を切り詰め、消費スタイルや生活スタイルを再調整し、昔のような質素倹約の時代に戻らざるを得なくなった。
この頃、中古品市場が機運に乗じて誕生した。人々は新しいものを買わなくなり、徐々に中古品に手を伸ばすようになった。また、自分の家にある不要品をリサイクルショップに無料で引き取ってもらう人(日本では、不要品の処理は有料になる場合があるので、お金を払うよりリサイクルショップに引き取ってもらった方がいい)や、手元不如意で不要になったぜいたく品をリサイクルショップに安く売る人もいた。
今や、中古衣料品を売る古着店は日本中どこにでもあり、古着店めぐりが若者の間で1つのスタイルになった。中古の家電、雑貨、書籍、家具を売る店もたくさんある。最も重要なことは、こうしたリサイクルショップの商品は質がよく価格は安く、上下揃えても1000円ぐらいで買える服がある。書籍などはただ同然の低価格だ。
リサイクルショップのファンにとって、中古品の楽しみは質がよく価格が安いことだけではない。探すプロセスも楽しみで、目的もなくブラブラと、宝探しのような気持ちであちこちの店を回るのが、無上の楽しみだという。リサイクルショップでは、どんな商品に出会うか誰にもわからない。「思いがけない喜び」に出会うことを期待して、リサイクルショップをめぐる人もいる。
■新業態を生み出す
こうした「中古文化」が一連の新産業を生み出した。
大黒屋は日本最大の中古ブランド品買い取りチェーン店だ。1947年の創業で、市場で人気の高いシャネル、エルメス、プラダ、ルイ・ヴィトン、グッチなどのブランドバッグ、限定品の高級腕時計、ジュエリーなど品揃えは幅広い。ブランドバックは「販売のエース」とか「口コミの王様」などと呼ばれている。
家に不要になったぜいたく品があれば、大黒屋に持っていって売り、誰でも大黒屋の「サプライヤー」になることができる。大黒屋の店舗には鑑定の専門家がいて、ぜいたく品として買い取る品物が本物かどうか鑑定する。また、商品の色や型番などに応じて価格を決定する。専門家の鑑定を経て買い取られたぜいたく品は、クリーニングとメンテナンスなどを行った後、店の棚に並ぶことになる。
長年にわたり積み上げた信用と、外国人観光客には税金がかからないというメリットにより、大黒屋は今や訪日外国人観光客の「買い物天国」になっている。店内では腕にいくつもバッグを下げた客がレジ前に並ぶ姿をよく目にする。こうした中古ぜいたく品の価格は市場価格よりはかなり安いが、限定品だったり、元の値段が高かったりするため、安くなったとはいっても、それなりの価格ではある。数万元(1元は約15.7円)や十数万元もするバッグは珍しくない。それでもぜいたく品好きにとっては「格安価格」だという。
最近は日本の中古商品が海外に大量に出回るようになった。
日本国内の中古市場が徐々に飽和状態に近づくにつれ、業者の中には地理的に近い東南アジア諸国に狙いを定める所も出てきた。日本から輸出された中古商品の東南アジア市場での評判は高く、とても人気がある。
日本の中古商品の海外販売には主に2つのモデルがある。
1つは日本の中古品業者が日本国内の中古品を中間業者に安値で販売し、中間業者がフィリピン、マレーシア、タイ、カンボジアなどの市場に投入するというモデルだ。日本の中古品輸出企業のまとめた統計では、同社は17年に海外へコンテナ約2500基を輸出し、東南アジアへの輸出が多かったという。
もう1つは、日本の中古品業者が東南アジアでリサイクルショップを開くというモデルだ。日本の業界誌のデータでは、ここ数年、日本企業約20社が東南アジア8カ国に60を超える店をオープンして、日本の中古品を販売しているという。
代理購入市場にも中古品が出回っている。ここ数年、中古品の代理購入ルートがますます増え、一般的なECプラットフォームにはすべて中古品代理購入のコーナーがある。この業界に長年携わってきた個人事業者も商機を敏感に感じ取り、機先を制して市場を獲得しようと素早く動いている。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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