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無印とイケアが王座から陥落しつつあるのはなぜ?―中国メディア

配信日時:2019年7月27日(土) 15時20分
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家具・インテリアの新小売のモデルとされていた無印良品、家具・インテリアの巨大企業イケアは今や王座から陥落しつつある。17日、北京市市場監督管理局が行ったサンプル調査の結果、両社はそろって品質ブラックリストに名前が挙がった。写真は広州のイケア。

家具・インテリアの新小売のモデルとされていた無印良品、家具・インテリアの巨大企業イケアは今や、王座から陥落しつつある。2019年7月17日、北京市市場監督管理局が行ったサンプル調査の結果、両社はそろって品質ブラックリストに名前が挙がった。無印は表示された原材料と実際に使われている原材料の不一致が主な原因で、イケアは子ども用家具2製品における「穴及びスキマ」の不合格が原因だった。筆者の調べては、イケアが不合格になったのは今年はこれが3回目だ。北京商報が伝えた。

製品が不合格になったのと呼応するように、無印もイケアも中国での業績が低迷している。この家具・インテリア産業の2大大手に、今やかつてのような輝きは次第に失われている。

無印とイケアにとって品質の不合格よりも苦しいのは、中国での業績の伸び悩みだ。

中国は無印の重要な市場だ。12年以降、中国では毎年30-50店舗のペースで店舗を拡張し、19年2月28日現在、日本国内には420の店舗があり、海外店舗は497店舗だ。世界店舗は地域別にみると中国が最も多く256店舗に上り、海外店舗の約半数を占める。店舗の急速拡張と対照的に、中国での売上高の増加率は低下を続ける。19年1月に無印の親会社が発表した19年度決算によると、18年度第1-3四半期の中国売上高は前年同期比9%減少した。「BoF時装商業評論」は、19年4月に無印の親会社・良品計画が発表した決算では、中国での営業利益が8年ぶりに減少し、財務状況はアナリストの予想を下回り、中国市場での売上高もまれにみる低下ぶりだったと伝えた。

無印と似ているのは、スウェーデンの家具・インテリア大手イケアの売上高の伸びもボトルネックにぶつかっていることだ。1998年に中国市場へ進出し、現在は中国に20あまりの店舗を構えるイケアは、中国市場での売上高が16年は前年比19.4%増加し、17年は14%増加、18年は8.4%増加と、増加率が年々低下している。イケアは世界市場でも楽観できる状態にはない。18年度の売上高は約5%増加したが、純利益は前年の24億7000万ユーロから14億7000万ユーロに減少し、減少率は40%だった。

■神話が崩壊したのはなぜか

家具・インテリア界の巨人と称されたイケア、家具・インテリアの新小売のお手本とされた無印は、中国の業界関係者にとってかつては神話のような存在だった。いくつかの家具・インテリア企業、さらには中国版イケアや中国版無印良品を目指した企業にとって、頑張って近づきたい目標だった。しかしいつからだろう。輝きは次第に失われ、神話は崩壊した。

中国EC協会ネットワークマーケティング研究センターの唐興通(タン・シントン)専門委員は取材に答える中で、「一方で、無印良品とイケアが中国で急速に成長した大きな原因は、新興中産階級の消費者がひたすら崇拝し、ひたすら追いかけたことにあるが、無印の製品もイケアの製品も耐久消費財であり消耗品であるため、消費者が繰り返し購入することによる市場の増加量は相対的に緩やかであり、最初の新鮮さがなくなるとそれほど素晴らしいものには感じられなくなった。また、無印にもイケアにも中国市場で一連の競争相手が生まれ、中国現地ブランドも誕生・発展し、製品でも価格でも競争で優位に立つようになった。さらに中国人の自国製品を好む傾向も加わり、消費者はより理性的になり、コストパフォーマンスを考えて買い物をするようになった」と説明した。

デザインの優位性が失われ、中国現地ブランドが誕生・発展したことが、無印が少しずつ王座から陥落していった重要な原因だ。無印の製品デザインは実用性と持続可能性を強調するため、何年も変わらないことが多く、これが新鮮な感覚を求める消費ニーズと合わなくなった。同時に、無印の「ノーブランド」というブランドの位置づけやイメージ、変わらないデザインが低コストの「パクリ」製品の格好のターゲットになった。税金や関税の関係で、海外市場での無印製品の価格は日本国内での販売価格よりかなり高くなる。名創優品(MINISO)、諾米家居(NOME)、OCEを含む中国のライバルたちは製品のスタイルで無印の製品に近づきながら、価格はかなり安く、現地生産の強みを活かして急速にビジネスを拡大し、ショッピングセンターに進出し、家具・インテリア生活館や家具・インテリア製品の集合店舗をオープンし、家具・インテリアの新小売市場のパイを急速に獲得していった。

イケアの巨人神話が崩壊したのは、ECで出遅れたことと大きな関係がある。中国の家具・インテリア企業はEC事業を加速し、オンラインとオフラインの一体化を模索している。18年には家具・インテリア業界大手の居然之家、紅星美凱竜が「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)でそれぞれ120億元(約1920億円)と160億元(約2560億円)の成果を上げた。イケア中国法人は18年10月になってやっとEC開拓の一歩を踏みだしたが、中国進出からすでに20年たっていた。より重要なことは、イケアは一貫して北欧ムードを基調としているため、地域と時間の枠を超えられるかどうかの試練に立ち向かわなければならないということだ。イケアが今、向き合うのはミレニアル世代の若者層であり、新しい考え方をするこの若い世代は、シンプルな空間の中で個性と暮らしの質を体現したいと期待している。

また、イケアが誇る動線を重視した売り場のデザインはますます人気が低下している。財経網の微博(ウェイボー)がこのほど実施した調査によると、回答者の61.9%が「イケアの迷路のようなショッピング体験に不満」と答えたという。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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