専門家「安倍政権中の改憲の可能性はほとんどない」―中国

人民網日本語版    2019年7月25日(木) 18時50分

拡大

参院選で連立政権を組む自公両党が過半数の議席を獲得し、安倍政権は目標を達成した。だが安倍政権の任期内の憲法改正に積極的な「改憲勢力」の議席数は3分の2(164議席)に達しなかった。

参院選で連立政権を組む自公両党が過半数の議席を獲得し、安倍政権は目標を達成した。だが安倍政権の任期内の憲法改正に積極的な「改憲勢力」の議席数は3分の2(164議席)に達しなかった。中国社会科学院日本研究所の趙剛(ジャオ・ガン)研究員は取材に、今回の選挙結果が示した最大の変化として(1)改憲という安倍首相の夢が破れた(2)都市部で革新勢力が復活した--を挙げた。中国青年報が伝えた。

各党の獲得議席数を見ると、公明党は3議席増加の28議席、自民党は改選前から9議席減少の113議席となった。趙氏によると、公明党が与党の中で果している「小よく大を制す」役割は、今後一層顕著になっていく。自民党は今回の選挙で単独過半数に達しなかったため、長年のパートナーである公明党との連立政権を継続するしかない。成熟した政党が得票数を増やすのは非常に困難だが、公明党は与党の議席数が減る中でも3議席増やした。これは同党の支持層が比較的堅固であり、与党内での発言力も依然大きいことを示している。昔、公明党の創設者である池田大作氏の健康状態が優れないため、外部は選挙に影響しかねないと懸念したが、選挙の結果、公明党の支持基盤が依然盤石であることが示されたという。とりわけ単独過半数に達しない状況では、自民党が政策を推し進めるには、公明党の支持が不可欠だ。

注目されるのは、立憲民主党が8議席増えて32議席に達したことだ。この躍進は、都市部での革新勢力の復活を物語っている。自民党は一貫して農村部の保守勢力を代表し、民主党は都市部の革新勢力を代表していた。民主党政権は数年で自民党によって退陣に追い込まれた。だが民衆は自民党という保守勢力にやはり不満があり、内心では革新を渇望していた。民主党は現在、立憲民主党と国民民主党に分裂。立憲民主党はまさに旧民主党内の核心的な一派だ。

日本維新の会は3議席増えて16議席に達した。趙氏によると、維新が今後与党に加わる可能性はほぼ排除してよい。維新は改憲を積極的に推進している。維新の勢力が十分強大なら、自民党が改憲推進のために公明党を追い出して、代わりに維新と連立政権を組む可能性も排除できない。だが維新の16議席は公明党の28議席とは大きな開きがあるため、維新が公明党に取って代わるのは不可能だ。だが自民党は公明党が改憲に一貫して慎重姿勢であることに、多少不満を抱いている。

改憲発議には、まず衆参両院で3分の2以上の議員の賛成を得てから国民投票に付す必要がある。このため趙氏は、今回の選挙結果から見て、任期内の改憲という安倍氏の願望が実現する可能性はすでにないと考える。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携