韓国の弱み握った日本、どのようにして「見えない優位性」を確立したのか―中国専門家

Record China    2019年7月25日(木) 16時40分

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中国紙・環球時報は25日、「日本の産業技術はどのようにして見えない優位性を確立したのか」とするコラムを掲載した。

中国紙・環球時報は25日、「日本の産業技術はどのようにして見えない優位性を確立したのか」とするコラムを掲載した。著者は中国社会科学院名誉学部委員で日本研究所研究員の馮昭奎(フォン・ジャオクイ)氏。

馮氏は、「日本と韓国の貿易摩擦を短期間に解決することは難しい」との見方を示した上で、「90年代に急速に発展した韓国の半導体産業は、なぜ日本に首根っこをつかまれたのか」「日本はなぜ半導体材料でほぼ独占ともいえる(90%以上)シェアを得ることができたのか」「中国のハイテク領域での日本との協力をどう見るか」の3つの問題が注目に値するとした。

■韓国の急速な発展が生んだ弱み

馮氏はまず、韓国の半導体産業について、「90年代以降、国と財団の大きな支援を受けて発展。米国の日本半導体企業への圧力などもあり、世界的な地位を固めていった。2017年には、サムスンが25年にわたり首位を守り続けていたインテルを抜き、半導体市場シェアでトップに上り詰めた。3位にはSKハイニックスが入り、韓国はトップ3のうち2席を占めるに至った」「韓国企業はDRAM(半導体メモリの一種)市場で7割、NAND(フラッシュメモリ)市場で5割のシェアを誇り、半導体産業全体の2割以上のシェアを有している」などと説明した。

その上で、「半導体企業が大きくなるにつれ、必然的に生産に必要な部品や原材料の需要が急速に高まることになる。韓国も関連部品や原材料生産の開発を進めたが、種類や品質、技術レベルにおいて、本国の需要を満たすには至らなかった。結果的に、韓国は日本からの輸入に依存せざるを得なくなり、短期的に抜け出すことができなくなった。(例えば、フッ化ポリイミド、レジストの対日依存度は93.7%と91.9%)。こうして、日本は韓国半導体産業の弱みを握ったのである」と指摘した。

■日本の「見えない」優位性

次に、馮氏は「多くの人は、日本がパソコンやカメラなどの電子機器において世界有数の生産国であると認識してきたが、重要な部品、原材料などの中間製品の最大の供給国でもあるということは見えていなかった。日本はハイテク、高付加価値の機械、部品、原材料、設備における“世界の供給基地”なのである」と指摘。「製品が絶えず新しくなるのとは対照的に、部品や原材料は安定している。たとえば、カメラはすでに歴史の遺物となったが、内部の核となる部品・精密軸受(ベアリング)は現在でもさまざまな製品に使用されている。そして、この技術が最も高い国は、日本やスウェーデン、ドイツである」とした。

さらに、今年6月に日本経済新聞がファーウェイ(華為技術)のスマートフォン「P30 Pro」を分解して分析した記事に言及し、「1631の部品のうち、日本製が869個(53%)に上った。2018年にファーウェイが日本から輸入した部品の総額は7300億円、日中貿易総額の5%以上を占めた」と紹介。「日本の技術の強みは、“他国では作り出せないもの”を作れる企業が多くあること。特に、“絶技”とも言われる技術を持つ多くの中小企業は、数十年、あるいは数代にわたって専門技術の研鑽(けんさん)を続けている。そして、優れた工作機械がその後ろ盾としてあることも密接にかかわっているのである」と論じた。

■日中協力に新モデル

馮氏は「韓国が日本に首根っこをつかまれたのを見て、多くの人が中国も同じ目に遭うのではないかと懸念した。グローバル化が深化する今日、私たちは自らの技術レベルを高めると同時に、協力の道も排除してはいけない」とした上で、「現在、日中の科学技術における協力には2種類の新たなモデルが出現している」と述べた。

一つは、「日本の新技術+中国の新市場」。馮氏は典型的な例として、トヨタの水素を動力源とする燃料電池車MIRAI(ミライ)を挙げ、「もし日中が協力して開発を進めれば、中国の新エネルギー車市場拡大の流れに乗り、2025年には新たな交通手段として大衆化されるだろう」と見通す。もう一つは「中国の資金+日本の中小企業」。馮氏は「この形は新たな協力モデルというべき。日本には多くの優れた技術を持つ中小製造企業があるが、少子高齢化に伴い後継者不足に悩んでいる」とし、「近年、中国の資金が倒産の危機に瀕(ひん)した日本の中小企業に流れ込んでおり、買収された企業はアジアで新たな販売ルートを確立。活力を取り戻している」とした。

そして、「中国と日本の科学技術における協力はすでに数十年の歴史がある。私たちはこれまでの経験や教訓、人脈を生かして、今後の協力をより良いものにしていくべきだ」と論じた。(翻訳・編集/北田

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